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4章 西の都市編 14話 地下ダンジョン④

短めになります。

 リルとクウコが手を繋ぎ、ドラゴンへ向かって歩いて行く姿を見送るしかできない。


 2人が近くのを見つけたドラゴンは、唸り声をあげて威圧してくる。


 グオオオオオォォォッ!!


 まるでこれ以上の侵入は死を与えると言わんばかりの唸り声だ。


 リルとクウコは立ち止まり、顔をあげてドラゴンを見ているようだ。


 ズシンッ!


 なぜか、ドラゴンが一歩後退りながら短い唸り声を上げる。


 グルオォォ・・・・


 「うるさい・・黙れトカゲ・・」


 リルの声がダンジョンの壁を反射して聞こえると、ドラゴンが急に苦しみ出すと全身がところどころ白くなっている。


 グゴゴォォ・・グォォ


 さらに近くリルとクウコに、ドラゴンは俺に放ったブレスよりも強烈なブレスを2人に放った。


「まずい・・避けろ!」


 俺の叫び声が聞こえたのか、リルとクウコが振り向き笑顔を見せる。まるで心配はいらないと・・。


 リルとクウコは向き直り紅炎のドラゴンブレスが一直線に襲い掛かるのを見て、クウコが右手を向けると2人の前に金色に輝くシールドが形成される。


「あ・・あれは」


 隣にいるアイナが、有り得ない光景を見ているような表情で呟く。


 ドラゴンブレスが容赦なくクウコが形成したシールドに襲い続ける。


 洞窟内の温度が一気に上昇し、息を吸う度に喉が焼けそうになる。


「クソッ・・このままじゃブレスの熱波で全員焼けてしまう・・ウォーターウォール」


 周囲に水壁を形成しブレスの高熱から守ろうとしたが、瞬時に水が蒸発し思惑どおりに熱を下げれない。


「ご主人さま!」


 全身汗だくになったミオとミリナが俺の側までやって来た。


「ちょっと待ってな・・・・アイシングブロック」


 水属性の高位レベルで、氷の塊を4つ作り出した。


「これを抱いて、体を冷やすんだ」


 ミオとアイナは氷の塊に飛び付き体の冷却をしながら溶け出す氷を舐めて水分を摂っている。


「さぁ、アイナも!」


 アイナを抱き起こし、氷の塊にくっつける。


「つめたっ」


 なんとかドラゴンブレスの熱波に耐えルことができた俺たちは、リルとクウコの方を見ると2人は真っ白なシールドに包まれていて、足元の地面が凍っているようだった。


 ブレスを放ち終わったドラゴンと2人が対峙している。


 リルがスッと右手をドラゴンに向けると、再びドラゴンがブレスを放とうとしている。


「そんな臭い息を、二度もわたしに向けるな・・」


 グルァァアアア!!


 容赦なくドラゴンが紅炎のブレスを2人に向けて放つと、リルが上げていた右手を虫を払うような仕草で振ると同時に迫りくるブレスが金色の粒子となり消滅していく。


 グオォォ・・


 全く歯が立たない2人に対しドラゴンは怯えたのか、今までの威勢ががなくなり一歩二歩と後退りをして距離を取ろうとしている。


「「バイバイ・・トカゲちゃん」」


 リルとクウコがお互いの動きを合わせ右手を高く上げて、一気に右手を振り下ろす。


 グォッ


 ドラゴンの声が僅かに吼えたような気がしたが、何も抗うことができず地面へと押し潰されていきドラゴンという存在がダンジョンから消滅した。


 グチュブチュブシャ・・・・


 大量の血飛沫がダンジョン内に飛び散り、壁が赤黒く染まっていく。


「あの、忌わしきドラゴンが・・・・」


 アイナが意図も簡単に倒されたドラゴンの末路を見て驚いている。



 トテトテトテ・・・・



 ドラゴンを倒したリルとクウコが戻ってくる。



「おかえり。リル、クウコさすがだね」


「リルはえらい〜?」


「クウコもえらい〜?」


 俺の足に抱きつき見上げる2人の頭を撫でながら答えてやる。


「リルもクウコも、えらいぞ〜」


 2人の頭をワシャワシャしたら満足したのか、俺から離れて後ろで全身びしょ濡れになっているミオとミリナに戯れて遊んでいる。まるで先程の一方的な殺戮が無かったかのように。



「アイナ・・立てるか?」


「くっ・・・・」


 立ち上がろうとしたが、足に力が入らず足を震わせそのまま座り込んでしまう。


「アイナ、コレ飲んでからにしよう」


 アイテムボックスから、体力回復ポーションを出してアイナに飲ませる。それと、ボロボロになった鎧から汗ばんだ胸の谷間が見えるため、俺の理性のためにとミオが着なくなった服を渡し着替えさせた。


「ありがとう、ハル。ちょっと胸のあたりが締め付けられているが、動きに支障無いぞ・・うん、無いぞ」


 アイナさん、なぜそこを強調しますか?気になって見ちゃったじゃ無いですか・・


「そ・・そうか、なら良かった」


 色の選択を間違えてしまった。白色シャツにしてしまったため汗を吸っていき下着がだんだん透けて見えてしまい視線を逸らすが、無意識に胸元に視線が吸い寄せられてしまう。


「ハル・・そんなに見られたら・・」


 両手で胸を隠すアイナだが、そんなに締め付けると逆に強調されて・・・・


「わるい・・」


 俺はアイナに背も向ける


 アイナ、許してくれ。これは男の性なのだ・・・・せめてこの空気を変えないと。


「ドラゴンも討伐したことだし、勇者達の捜索を続けよう。リル、居場所はわかるかい?」


 皆に背を向けたまま話を続ける俺に、リルがクルッと前にきて答えてくれる。


「いいよハル。ついて来て〜」


 しばらくアイナを直視できない俺は、リルとクウコを先頭に歩いてもらい勇者捜索のため次の下層へ出発した。





 





 



次回投稿は、金曜日を予定してます。

次話も、お付き合いください。地下ダンジョンが終われば、勇者Sideを投稿する予定です。

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