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4章 西の都市編 13話 地下ダンジョン③

お付き合いありがとうございます。


 リルとクウコは、まだ見ぬドラゴンに勝てると言っている。


 見た目は美少女だけど、神獣の彼女達からすればドラゴン相手でも問題は無いのだろう・・。


「わかった・・けど、リルとクウコのチカラは騎士達に見られるわけにはいかないんだ・・だから先に俺をいかせてくれ」


 リルとクウコは頷いてくれたため、俺は立ち上がり戦場へ向かう。


「ご主人さま・・」


 背後からミオの心配そうな声が聞こえる。


「ミオ、なんとかなるさ・・」


 そう言い残し、震える足を隠しながら隠密スキルを発動しドラゴンの元へ進む。


 グギャォォォォ!!


 少し離れた場所で、赤黒いゴツゴツした肌の巨大なドラゴンが威嚇するように唸り声を上げ続けている。


 ドラゴンに向かう途中には、至る所に黒く炭になった塊が転がっている。


「クソッ・・ほとんどの騎士が死んでるじゃないか・・」


 俺は呟きながら壁沿いや岩の陰に横たわっている、見た目が比較的な騎士達に声をかけるが生きている騎士はいなかった。


「もう、アイナも・・・・」


 この場所は依然、俺の気配探知スキルは阻害魔法に邪魔されてアイナの気配を捉えることができない。


「もっと、ドラゴンに近づくしかないか」


 ドラゴンに近づいて行く度に、ダンジョン内の温度が上昇していっていて、動かなくても汗が滝のように流れてくる。


 アイテムボックスから長剣を出し、先制攻撃ができる場所を探しているとドラゴンの足元辺りに誰かが動いている姿が視界に入った。


 その瞬間、俺の耳に己の命を燃やすが如く聞き慣れた声が響き渡った・・。



「よく聞けぇ!忌わしきドラゴン!・・我ら王国騎士団は、この身が燃え尽きようとも・・我らの意思は、貴様の炎を何度浴びようとも燃え尽きる事はない!」


 アイナの剣を杖代わりにし、ボロボロになった姿のまま、単独でドラゴンに立ち向かっている後ろ姿が目に入った。


 アイナの固い宣言に応えるかのようにドラゴンが唸り口元から紅炎が溢れ、いつでも吐き出せると言わんばかりの状況になっている。


「あんのバカ!・・自滅する気か!!」


 俺は全速力で走りながら、時間稼ぎのため水魔法ウォータショットを無詠唱で3発同時にドラゴンの目に向けて高速で放つ。


 バシャバシャ・・バシャ


 最初の2発は顔に命中したが3発目は、右手で弾き返されてしまう。


 グルルルゥ


 「思ったより時間稼ぎにならなかったか・・」


 見えない敵からの攻撃を受けたドラゴンは、目の前の人族をブレスで灰と化すかのごとく大きく口を開きブレスを放つ体勢になった。


 大きく開かれた口の奥に紅炎の塊が圧縮され、今にもアイナに向けて放たれるのが時間の問題だった。


 この状況でも、アイナが逃げようとする素振りは見せない。


「このまま、死なせるか!!」


 圧縮された紅炎の炎が、ドラゴンの口から放たれた瞬間と同時に全力の水魔法ウォーターウォール3重がけでドラゴンの足元から出現させ、ドラゴンブレスをアイナから守る。


 一気に魔力を失い、足元から崩れそうになるが、唇を噛み締め気合を叩き込む。


「アイナッ!!」


 水魔法ウォーターウォールでがドラゴンブレスの火力に耐えれる限界を迎えた瞬間に、アイナを背後から抱きしめて、一気に後方へ飛び下がると同時にブレスの余波が俺とアイナを吹き飛ばしていく。


 不意急襲的に背後から強引に引っ張られたアイナは、肺に溜まっていた空気を一気に排出されてしまい声が漏れる。


「がはぁっ・・」


 ズザザザァァーー


 数十メートル吹き飛ばされ、アイナを庇うように背中から着地したため、激痛が背中を襲う。


 地面を滑り止まったところで、アイナは手足をバタつかせ暴れ始める。


「な・・何者だ!・・今すぐ私を離せ!・・離せー!」


 アイナを体の上で抱き抱えたまま、俺は怒鳴りちらす。


「バカかお前は!・・何考えてんだ、死ぬ気か?」


 暴れていたアイナが一瞬大人しくなり静かになるが、すぐに激昂する。


「な・・なんだと貴様!この騎士団副団長を愚弄するのか!・・離せ・・離せっ・・・・あっ」


 一瞬大人しくなったアイナを下ろし、激昂し再び暴れ始めたアイナの両頬を両手で挟み込んで、強制的に視線を合わせさせると俺と気付き一気に大人しくなる。


「勝手に死ぬなと言ったじゃないか!忘れたのか?・・・・アイナ!」


「・・あぅ・・あっ・・あぅ・・ハル・・ハル」


 俺の存在が現実だと認識したアイナは、副団長の顔から1人の女の顔に変わり強く抱き着いてくる。


「もう・・もう二度と逢えないと覚悟していたのに・・また逢えるだなんて・・・・」


「間に合って良かった・・もう、大丈夫だからな」



『みんな、聞こえたらここまで来てくれ』


『わかったよ、今から行くね』


 念話にリルが反応し、獣人シスターズがここに向かって来てくれる。


 その間に、アイナには厳しい質問をする。


「アイナ、部下達は?・・他の騎士は生きてないのか?」


「・・わ、わたし以外の騎士は、ドラゴンブレスにやられてしまった・・」


「そうか・・これから、彼らの仇を取ろう」


 部下を一気に失ったアイナは、責任感から号泣し力一杯抱きしめてくるのを俺は黙って受け入れた。


 しばらく、アイナが落ち着くまで抱きしめていると、軽い足音が物凄い速さで近づいて来る。



「いっちば〜ん!」


「にっば〜ん!・・負けちゃった〜」


 リルが飛び込むように到着したと思ったら、クウコも飛び込んできて驚いてしまう。


 リルとクウコが到着して、数秒後にミオとミリナが到着した。


 獣人シスターズに果実水入りの瓶を渡し、水分補給をさせている間に、アイナに体力回復ポーションを飲ませる。


 ゴクゴク・・ゴクゴク・・


 ドラゴンの影響で暑くなっているここでは、獣人シスターズの髪にいつものサラサラ感はなくなっている。


 ぷはぁ〜


 飲み終わった瓶を返してくれた後に、リルとクウコにドラゴン討伐をお願いする。


「リル、クウコ・・頼ってばかりで申し訳ないけど、ドラゴンを倒して来てくれないか?」


「「いいよ〜」」


 リルとクウコが二つ返事をして笑顔になる。


「本当にいいのか?相手は、あのドラゴンだぞ?」


「大丈夫だよ・・それに、ハルの願いは私達の願いでもあるから」


 そう言って、リルとクウコは仲良く手を繋いでドラゴンに向かい歩き始めていった・・・・。




 








次回更新は、少し間が空くかもしれません。

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