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4章 西の都市編 11話 地下ダンジョン①

読んでくださってありがとうございます。


 アイナ副団長を指揮に地下ダンジョンへ行く騎士の隊列を見送った俺も、自身の準備を始めることにした。


「それじゃ、地下ダンジョン捜索組は俺の他にリル・クウコ・ミオそしてミリナで決まりだな。馬車で帰りを待ってくれるのが、リサ・カラ、そしてルーシーの3人だ」


「気おつけてね・・」


 リサがソッと近付き俺の手を握ってくれる。


「あぁ、油断しないように行く」


「リサ、リル達が本気で守るから大丈夫・・」


「・・そうね」


 カラも近付き左腕を確かめるように触れている。


「ハル、ちゃんと無事に帰って来てね」


「もちろん。戻って来たら街の酒場にでも行って、みんなで飲みに行こうな」


 そう言って、リル達の支度が終わったことを確認し地下ダンジョンへ向け出発する。


「行って来ます(ばいば〜い)」


 居残り組のリサ達は、大きく手を振っている。


 それを見た獣人シスターズは、キャッキャはしゃぎながらジャンプしたりして手を振り返しながら、俺の後ろをついて来てくれる。


「なんか、にぎやかなパーティーだな・・」


 そう呟きながら、アイナ達が入って行った地下ダンジョンの入り口へ向け歩き始めた。


 冒険者になって初めての地下ダンジョン・・あの時は、ソロ冒険者がために探索ができなかったけど・・今は捜索と言う理由でダンジョンに入ることができた。


「はぁ、なかなか人生は思い通りにいってくれないな・・」


 そうボヤいていた俺に、リルが反応してしまった。


「ハル、何かあったの?」


「ん?独り言だから気にしないでいいよ」


 リルの手を握り。ダンジョン入り口の前に立つ・・。この先の入り口の先が暗闇に包まれて先が見えない俺は、何もかも飲み込んでしまいそうな雰囲気に飲み込まれそうになる。


「・・兄ちゃん、行かないのかい?」


 入り口前に立つ冒険者に笑われながら言われ、決心がつく前にプライドが許さず踏み入れてしまった。


 地下へ深く潜っていく道を歩き最初の下層へ向かう。


 思ったより幅の広い道で、歩きやすいことに驚いた。


 歩き進むごとに、空気がヒンヤリしていくことに緊張感が高まってくる。


 だがしかし・・後ろで歩く獣人シスターズは、キャッキャ騒ぎ走り回り続けるため緊張感が台無しだ・・。


 最初の下層に着いた俺達は、響き渡る声と足音に驚き、静まり返る・・ことはなかった。もう、ギャーギャー騒いだし野生化した獣人になっている。


 バココーン!!!!


「「「「あんぎゃっ!!!!」」」


 ズザザザァァーーーー


 一向に興奮が覚めない獣人シスターズの頭を、風魔法のウインドショットを4発同時に撃ち放ち昏倒させた。


「「「「・・・・・・」」」」


 4人は派手に転がり気絶したみたいだ。


「ちょっと、やりすぎたかな?」


「・・んぅ・・うっうっ・・うえぇぇぇぇぇぇん!!」


 リルが意識を取り戻した途端に号泣してしまった。


 銀髪のケモ耳がペタンと倒れ、滝のごとく涙を流している。


 これを発端に、クウコが目覚め手足をバタつかせながら号泣する。


「・・ひっひくっ・・いたぁ〜〜〜〜い!ひぐっ・・痛いよ〜〜」


 次は、ミオとミリナが互いに抱き合いながら泣いている。


「これは・・どうしたもんかな・・」


 俺は、とりあえず4人をこのまま放置することに決めて、気配探知スキルを発動し周囲の状況を確認する。


「あれ・・?俺達以外に反応がないな・・」


 俺は、気配探知スキルの能力が低くなったと思い、少し先の方へ歩いて行くことにした。


「・・おっかしいな〜ここの層しかわかんないな・・もうちょっと先に行ってみるか」


 気配探知能力を調べるため、歩いて行き1つの曲がり角を曲がって進んだ時に、俺は重大なミスに気付いていなかった。



「「イヤーー!!置いて行かないでぇ〜(いがないで〜)まっで(まっで)・・待ってよ〜!!ハルゥーー」」


 ・・しまった!!


 背後から喉を潰してしまうほど発狂し、泣き叫びながらリルとクウコが走って追いかけて来ている姿が振り返った時に見えた。


 ドフッ!


 ザザザァ〜


 パニック状態になった、リルとクウコが同時に俺の下腹部に突っ込んできた勢いを何とか吸収し受け止めることができた。


「「ごめんなさい(ごめんなさい)うっうっ」」


 リルとクウコは、震える両手で俺の服を掴んでいる。


「ご主人さま・・・・」


 遅れてミオとミリナが泣きながら走ってくる姿を見て両手を広げ、新たに抱きつく2人を迎え入れた。


「ごめんな・・みんな。気配探知スキルの性能を確かめるのに夢中で・・みんなを置いて行くつもりなんかなかったんだ」


 4人が落ち着くまでずっと抱きしめた俺は、ずっと謝り続けた。


「お腹すいた・・」


 リルがボソッと呟く。


「肉串でいいか?」


「うん。食べたい」


 4人を壁際に座らせて、アイテムボックスから肉串を出して2本づつ食べさせる。


 アム・・アム・・アム・・アム・・


 落ち込んだ顔で獣人シスターズが無言で肉串を食べている。


 その光景を見て、すぐには出発できないことを悟り、ここで休憩することにする。


 肉串を食べ終わった獣人シスターズは、俺を囲むようにくっつき寝てしまった。


 きっと、寝ている間に俺が離れないよう、手足をガッチリと掴みながら・・。体温が人族より高めの彼女達に抱きつかれているため、俺は睡魔に襲われてしまい意識が朦朧としてきた。


「や・・やばいな、このままじゃ寝てしまう」


 意識を失ってしまう前に魔物避けを周囲に投げて、少しでも魔物に襲われる可能性を下げてから意識を手放した・・。


 

 ・・ぃちゃん・・にぃ・・



 誰かに呼ばれた気がして、一気に目が覚めた。


 側にはリル達が寝ているため、獣人シスターズに呼ばれたわけではないみたいだ・・。


「あの声は・・いったい誰だったんだろう」


 呟く声にリルのケモ耳がピコッピコっと動き、ガバっと顔を上げ視線が重なる。


「ハル・・」


「ちゃんと側にいるよ」


 リルは目を細め、俺に頬づりをしてくる。


 しばらくリルが甘えてくる時間を過ごしていると、他のシスターズも起きてくる。


「このまま先に行けるかな?」


 獣人シスターズは頷き立ち上がり頷く。


「よし、先に進んで行こう」


 俺も立ち上がり、リルとクウコの手を繋ぎ歩き始める。


 ダンジョン内には、俺達が歩く音が響き渡るだけでとても静かに感じる。


「なぁリル、気配探知スキルに騎士や勇者達の反応がないんだ・・」


 左を歩くリルに俺の疑問をぶつけてみる。


「ハル、それはダンジョンが出してる阻害魔法のせいだよ」


「そうか・・地道に探すしか手段はないのか・・」


 この地下ダンジョンの各下層に行き、勇者達を気配探知で各層を探さなければいけないと思うと、面倒なことだなと感じている俺に、リルが満面の笑みで告げる。


「でもね・・リルは居場所知ってるから大丈夫だよ」


「・・ん?リル、もう1回いいかな?」


「コトネ達とアイナがどこの階層にいるかは、もうわかってるよ〜」


 どうやら、リルはこのダンジョンに入った時点で居場所を把握していたようだった。


「ありがとう、リル」


 リルの頭を撫でるとグイグイ頭を押し付け、ケモ耳を触れとアピールしてきたので満足するまでケモ耳を弄ってやった。


 この層は、アイナ率いる騎士団が通っただろう道を歩くせいか、ダンジョンに出てくる魔物に遭遇しない。


「な〜んにも、いないね〜」


 クウコがつまらなさそうに呟き、リル達が同意している。


「ご主人さま!あそこの壁に空洞があります」


 ミオが指差す方を見るとなんだか扉の形をした空洞があり、そこに近づくと下層へと続く階段があった。


「さすがミオ・・夜目がいいな」


 先に歩くミオの尻尾がリズム良く大きく揺れている。


 今は、先頭をミオが歩き続いて俺が歩き下層へと向かう。階段を下りきったところで、青色スライムが3匹が出迎えてくれた。


「ミリナが、あのスライムを倒します!」


 タタタタ・・ウリャッ!


 短剣を持ったミリナが、後ろから飛び出し3撃の突きで青色スライムの核を正確に突き刺し消し去って行く。


 3匹目を倒した後に、振り返り報告する。


「余裕で倒しましたっ!


 ミリナは振り返り俺に報告しているが、自らの背後に迫り来る魔物に気付いていない。


「あっミリナ後ろに・・」


 そう言いかけた俺の右から黒い影が飛び出し、紅と青白に輝く双剣を手にミリナに襲いかかろうとした蜘蛛型魔物のブラックスパイダーの足を紅い短剣を横一線に振り払い焼き切ると、頭を青白い短剣を突き刺し一瞬に凍りつかせ絶命させた。


「ミリナ、詰めが甘いよ!最後まで周囲の警戒は怠らないの・・」


「ごめんなさい・・おねぇちゃん」


 姉のミオに注意されたミリナのネコ耳が、しょんぼりと萎れてしまう。


「まぁ、こんなこともあるよ・・ミオもありがとう」


 そう言って、ミオとミリナに近付きミリナの頭をポンポンっと優しく叩き先に進む。


 後ろの方でやる気を取り戻したような声を出すミリナは、次こそはと、いつもの調子に戻っていた。


 この階層では、ときどき襲ってくる魔物をミオとミリナが交互に倒し順調に下層へ進んで行ってると先頭を歩く俺に警戒するような声を出す。


「ハルッ!待って!」



「どうした?・・リル・・あっ・・」


 歩いていた俺は、右足が宙に浮いていることに気付くのが遅れて、そのまま倒れこんでいく・・・・。



 


 


 


 






また月曜に投稿します。

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