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4章 西の都市編 10話 新たな繋がり、そして捜索へ 


 なんか悔しいな・・


 俺のペースでうまく運んでたはずなんだけど、最後の最後にアイナが反撃に出るなんて・・


 

 頭を掻きながらテントの中へ入ると、もう寝れる準備が整っていた。


「みんな、準備が早いね・・けど、この人数じゃ流石に狭いよな・・」


 俺は、テントから出て荷台から降りると馬車の隣にテントを立て寝床の準備をしていると、リサとカラが入ってくる。


「「ハル・・」」


「ん?珍しいね、2人が先に来るなんて」


「リルちゃんとクウコちゃんがミオちゃん達と遊んでいるから、リサとこっちに来たのよ」


 カラは嬉しそうにテントの様子を教えてくれた。


「・・ちょっと着替えるね」


 当然言うリサの言葉に驚いていると、2人はマジックポーチから寝間着を出して着ていた服を脱ぎ始める。


「お・・俺は外に出てるね」


 2人から視線を外し、急いでテントから出ようと立ち上がり幕を手にした瞬間・・。


「ダメ・・ここにいて」


 着替え途中のリサが背中から抱きついてくる。リサの胸の感触が背中に伝わりドキドキする俺がいる。


「で・・でもさ」


「いいの・・」


 カラが前から抱きついて来て、2人に挟まれてしまった。


「わかったよ・・」


 俺が観念すると、リサとカラは離れて着替えの続きをする。


 さっきいた場所に戻り座った俺は、恥じらいながら着替える2人をずっと眺めて過ごしてしう中で、自然と口から思いが零れる。


「リサ・・カラ・・2人とも綺麗だよ・・」


 思わず告げた俺の言葉に2人は照れてしまったようで、無言のまま俺に寄り添い静かに時間が流れていく。


 なんとなくアイテムボックスから大きめの毛布を出して、3人一緒に入り横になり思い出話や今後のことを時間を忘れて話し込んでしまった。


「だいぶ遅くなっちゃったね・・このまま寝ようか?」


「「うん」」


 リサとカラにキスをして、2人に抱きしめられながら徐々に意識を手放していった・・・・。




 ん・・・・なんか頭の下に柔らかい感触が・・ゆっくりと目を開くとぼやけた視界に金髪の長い髪が垂れ下がっていることの気付く。


 金髪・・?クウコ?いや違うなリサかな?・・でもいつも感じる香りじゃないな・・。この高級感のある香りは・・もしかして・・。


 「なんだ・・もう起きてしまったのか?」


 目の前には、鎧を纏っていない寝間着姿のアイナが膝枕をしてくれている。


「アイナ・・どうしてここに?」


 上半身を起こし、まだ薄暗いテントを見渡すとリサとカラは真ん中の方で寄り添い寝ている。


 きっと寝相が悪かった俺は、転がってここまで来たのだろう。


 普段は、リルとクウコと寝ている時は両手をガッチリ掴まれているから身動きは取れない。


「まぁ、なんだ・・ハルが毛布も無く寒そうに1人で寝ていたからな・・・・」


 アイナは平然と当たり前のように言っているが、こんな夜更けに冒険者のテントに丸腰で入ってくるなんて変だぞ・・しかも膝枕をしているなんて。


「そうか・・ありがとな、アイナ」


 そう言って寝惚けていた俺は、なぜかアイナの頭を撫でてしまう。


 誇り高き王国騎士団副団長様の頭を・・。


「あ・・悪い、つい癖で・・」


 薄暗いテントでハッキリと見えなかったが、アイナは嬉しそうな表情になっているような気がした。


「はぅ・・こ、これでも騎士団の副団長だぞ・・」


 自分の地位を言うが、普段は人前で絶対出さな優しい口調のアイナに驚く。


「わかってるよ、アイナ」


 そう言ってアイナを抱き寄せると、アイナは抵抗することなく体を委ねてくる。


「言っていることと、やっていることが正反対だ・・」


「そうだね・・」


 アイナの肩と腰に手を回し、ゆっくりと寝かし俺が覆い被さるとアイナは、俺の背中に両腕を回してきた。


「こんなにハルを近くで感じるのは、南の森の時以来だな・・」


「あれ?そうだったけ?」


「・・わ、私だけのヒミツだ・・」


 何かをごまかそうと必死のアイナが、俺の後頭部に手を置いて引き寄せてくるのに合わせて、互いの唇を長い時間合わせる。


 そのさりげない動きに逆らうことなく俺とアイナは求めるように最後までシタのだった。


 気付けばテントの外に明るみを感じていると、アイナがゆっくりと口を開く。


「私の初めてを・・やっと、ハルと最後までシテしまったな・・」


 俺の横で寝ているアイナは上半身を起こし短いキスした後に告げる。


「これから、残った騎士達で勇者様の捜索のため地下ダンジョンに行く予定なんだ」


「そうか、一緒に行けないけど俺も地下ダンジョンでの捜索に協力するよ」


「ハル・・王都に、また会えるのか?」


「・・今はもう、王都に戻る気はないんだ」


 アイナは、肩を落とし俯いてしまう。


「でも、アイナには会いに行くさ、だから・・そんな顔するなって」


「そうか、その言葉を忘れないでくれ・・ハルゥ」


 アイナの声が甘えたような声になり、そっと互いを抱き締めて互いの存在を確認するとアイナは立ち上がり自分のテントへとぎこちない歩き方で戻っていく。


「約束だからな・・ハル」


「あぁ、約束だ」


 アイナがテントを出た後に、コッソリとリサ達の近くで横になり二度寝することにした。


「はぁ、アイナの奴・・あの歩き方で戦闘に影響なきゃいいんだけど・・」


 そう呟きながら意識を手放した俺は、体に何かが2つ乗っている感覚で意識が目覚めてしまい、目を開けると銀髪と金髪のケモ耳が目の前でピコピコ動いている。


 それを両手で掴みワシャワシャさすると、声を出して俺の体から転がり落ちるリルとクウコがいた。


「お前ら・・もっとマシな起こし方はないのかよ・・」


「「ハル!!お腹すいた、お腹すいた〜〜!!」」


 リルとクウコは、俺の脇腹に頭を擦り付けてグリグリして朝飯を作れと繰り返し叫んでいる。


「へいへい、わかりましたよ。今から支度するから待ってな」


 俺は起き上がり、2人の頭をワシャワシャ撫でてからテントを出ようとした時にリサとカラの姿はなかった。


 そのままテントから出て、野営キットのイスや調理具を出してみんなの朝飯の支度を始める。


 もう寒くなってきたから、体が温まる飯にしようと決めて大鍋を取り出し、手際よく野菜と肉を切ったあと煮込みながら、ニシバルで珍しく見かけた川魚を入れた後に、塩と香辛料で味を整えた。


「よし・・我ながら美味そうな飯ができたぞ。みんなを呼ぶかな」



『お〜い!飯ができたぞ・・みんなを連れてきてくれ』


 念話で獣人シスターズに伝えたが返事がなかったが、リルとクウコ以外のみんなが出て来てイスに座る。


「おはよ〜リルとクウコは?」


 リサは、チラッと馬車を見てからまだ寝惚けていることを教えてくれる。


 先にイスに座っているリサ達に朝飯を渡し先に食べてもらうことにして、俺はまだ寝惚けているだろうリル達の迎えに行く。


 ガサッ


 馬車の荷台に置いているテントの幕を捲ると、獣人シスターズは腹を出して横になっている。


 隠密スキルを発動し、腹を出しているリルの側に座り一気に綺麗なお腹にアマガミをしてやる。


「んきゃ!・・あぁっ」


 リルは上半身を起こし俺の頭にしがみつく。


「おはよう、リル」


「んはっ・・おはよ・・ハル」


 リルの叫び声で、クウコ達は飛び起き警戒の態勢をとる。


「みんな起きたか?・・朝ごはんできたよ」


「ご・・ご主人さまでしたか・・」


 ミオが警戒心を解いて、俺の側に寄ってくる。


「あぁ、斬新な起こし方だろ?」


「・・はい。ですが、もっと優しく起こしていただければ・・」


 ミオの頭を撫でて謝りながらテントの外へ出るようによ伝え、獣人シスターズは素直に外へ出て行く。


「ハル、はやく早く〜」


「お・・お前らな・・」


 俺が最後にテントを出た時に、獣人シスターズが早く飯を食わせろと文句を言っている。


 朝飯をミオ、リル、クウコ、ミリナの順に渡し食べて良いと合図すると勢いよく食べていく4人の姿を眺め、タイミングを見ながら果実水を入れたコップを渡していく。


「・・ハル、どうして4人が飲み物を欲しがるタイミングがわかるの?」


 俺が獣人シスターズが飲み物を欲しがるタイミングが手に取るようにわかるような感じで渡していく光景がリサには不思議だったようだ。


「なんとなく?・・まぁ、ミミの動きとかでかな?」


「へぇ〜」


 リサと話している間に獣人シスターズは完食したようで、食器をペロペロ舐めている。


 行儀が悪いと注意をしようとしたが、店で食べているわけじゃないため、満足して食器を返してくるまで待つことにした。


 リルが1番に食器を返しに来たが、口の周りが相変わらず汚れたままだ。


 タオルを取り出し口を綺麗に拭いてやると途中で礼を言ってくる。


「ハル・・あいあと」


 口を拭くときは、いつもリルはありがとうを「あいあと」って言うのだ。


 このときばかりは、まだ幼さを感じてしまう。


 次にクウコとミリナが持って来るたびに汚れたままの口を拭いてやる。


 最後に持って来たミオは、さすがに口の周りが汚れてないが口を拭いてほしいように顔を寄せてくる。


「・・ミオ・・仕方ないな・・」


「んっ・・」


 目を瞑るミオの口を拭いていると俺の指をアマガミしてくる。


 パクッ・・アムアム・・


「ば・・バカ、やめろって」


 しばらく甘噛みしていたミオは満足したようで、リル達の元へ歩いて行った。


「なんなんだアイツは・・」


 苦笑いしながら、片付けを始める。リサ達に手伝ってもらい野営キットをアイテムボックスに収納し終わった頃に銀色の鎧を身に纏ったアイナが30人程の隊列から離れて、俺の側にやって来た。


「ハル殿・・我々、王国騎士団は今から地下ダンジョンへ入り捜索を開始する」


 俺は、片膝を地面についてアイナを見上げ答える。


「アイナ騎士団副団長様、こちらのパーティーは、準備が整い次第出発致します」


「そうか、ご武運を・・」


 背後にいる部下から見えない位置のためか、副団長らしい言葉遣いだが、表情はとても柔らかい。


「アイナ副団長様・・出撃の時間です」


 隊列の先頭にいた騎士が1人、近づきアイナ出発の時間だと伝える。


「うむ。トグルよ、我ら王国騎士団は勇者様救出の任に行くぞ!」


「はっ!」


 トグルと言う名の騎士は隊列へと走って戻っていく。


 部下が背中を見せ隊列へと戻る姿を見送るアイナは、一度振り返り俺にウインクを飛ばし列へ戻って行く。


「・・アイナの奴、あんなこともするんだな」


 俺は、アイテムボックスから買い集めた中の時の特別なマジックポーチを1つ取り出し、隠密スキルを発動し一挙にアイナの背後へと詰め寄る。


 そして、ネックレスのように仕立てたマジックポーチにつけた金属製のチェーンを留め具に固定しアイナの首にぶら下げる。


「アイナ、俺からの餞別だ・・危機的状況に陥った時は、俺の代わりにアイナをピンチから救う物を入れているからな。だから、勝手に死ぬなよ・・」


 そう言い伝え、離れる間際にアイナの首筋にキスをして元の位置に戻り隠密スキルを解除した。


 歩いていたアイナは足を止め振り返り、涙目で俺を見つめ胸元にあるマジックポーチを両手で握り頷いた後、地下ダンジョンへと姿を消した。



「・・さてと、俺も切り替えて、地下ダンジョンへ行きますかね」


 そう呟き、みんなの元へ移動した俺だった・・・・。




次回から地下ダンジョンのターンになる予定です・・

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