13章 帝国活動編 2話 帝国公爵家令嬢
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冒険者ギルドからそのまま3軒目の武器屋で、カラ達が使う武器を購入した。メイド3人は基本的に短剣よりも両刃のダガーを選んだ。
片刃の短剣より両刃のダガーの方が両手で扱い易いとの店主の勧めで決まった。アリスの細剣は背丈より長いものばかりで帯剣すると切っ先を地面に引き摺ってしまう珍事が起きて爆笑してしまったため、店の奥でしゃがみいじけている。
「アリス、ごめんって。あんなことになるとは、想像してなかったよ」
「・・・・もういいもんべつに・・あっち行ってよ」
しばらく機嫌が直りそうにないため、しばらく1人にさせることにして俺は他の商品を見て回る。
(スローイングナイフみたいなのは無さそうだな・・)
自分が必要としないスローイングナイフを無意識に探してしまっていたことに気付く。
(ふぅ・・マリアのことを考えてたのかな・・)
そう思いながら、傷跡の無い右手を見つめ歩き視線をアリスへと向けた。
「アリス、そろそろ帰るよ」
アリスは素直に立ち上がるも、俯きながらトコトコと歩いてくるためそのまま腰に手を回し抱き上げた。
「あっ・・」
店内で、メイド3人がマジックポーチからダガーの出し入れの練習を楽しそうに繰り返していたけど、外ではしないように伝え武器屋から出て見渡すもリル達の姿が見つからなかったため念話でリルとクウコを呼ぶ。
『リル、クウコ・・今どこにいる?』
『ここだよハル〜』
リルの声が聞こえ、気配を辿ると少し離れた先の出店の列に並ぶ2人を見つける。
『他のみんなは?』
『あそこだよ〜』
2人が指差す方にミオ達が商店の軒先にいるのを見つける。
そのままミオ達と合流し、リルとクウコが嬉しそうに何かを手に持って戻ってくるのを出迎えた。
「2人は、何を買ったの?」
「「 クエープ 」」
「クエープ?・・なんだぞれ?」
クウコが袋から、そのクエープという物を見せてくれた。
「食べ物・・だよね?何か包んでるの?」
「いろんな甘い果実だよ、ハル」
「へぇ〜」
クウコの隣りで食べているリルを見ていると、クエープというのは元の世界で言うクレープによく似た食べ物だった。2人は、口の周りを果汁や白いクリームみたいなやつだらけになっていく。
(・・後で拭いてあげないと、大変なことになるな)
アルシアとシェルの方も買い物は終えていたようで、このまま宿へ戻る前に街を散策してから宿へと戻り静かな夜が過ぎていった・・・・。
翌朝の朝食を食べ終えて部屋に戻った俺は1人で冒険者ギルドへ行くと伝えたら、ミオとアリスがついてくると言い、他のみんなは、宿でゆっくり過ごすようだ。
「支度ができたら行こうか?」
「はい、ご主人さま」
「わかったよ」
3人で宿を出て冒険者ギルドへと向かう途中に昨日の朝より、ギルドへ向かう冒険者達が多いような気がしていると、ミオも違いに気付いたようだ。
「・・ご主人さま、昨日と違って冒険者が多い感じがしますね?」
「そうだな・・この時間なら逆に依頼で街から出るのが一般的だと思うんだよな〜」
「そうですよね?ミオもそう思います」
「何か起きたんじゃないの?」
「起きたのかな〜?でも、みんな普通っぽいよアリス?」
「たしかにそうね・・わたしには、わかんな〜い」
考えることを投げ出したアリスは、俺の左腕に抱き付き歩いてる。
「テキトーだな、アリスは・・・・」
「うふふっ・・」
アリスは笑って済ませようとしていたから、そのまま終わらせることにする。
「さてと、目的のギルドが見えてきたな・・」
先を歩く他の冒険者達に続き冒険者ギルドに入ると、かなりの冒険者達が窓口や依頼掲示板の前に並んでいる。
共有スペースは満席で座れない俺は、入り口から少し奥に進み見知らぬ冒険者に話しかける。
「なんか、いつもより多いね」
「まぁな。今日は、あの令嬢様が来る日だからな」
「令嬢様が来る日?」
ここで、声をかけた男冒険者が俺に視線を向ける。
「ん?・・なんだぁ?お前、知らないのか?」
「まぁね、この街のギルドに来て日が浅いから・・教えてくれるか?」
「兄ちゃん、この街の公爵家令嬢のリーナ=グランフェス様が依頼を受けに来る日なんだよ」
「・・貴族の娘が冒険者?」
男冒険者は顎を触りながら数回頷き小さく呟く。
「あぁ、噂だが通っている学園生徒で一番強く、しかも教師の実力をも凌駕しているらしい・・それで物足りない令嬢は、冒険者として活動しながら魔物を討伐し成長しているらしいぞ・・」
「・・・・話しを聞くだけで、かなりのバトルジャンキーだね・・不用意に近付かない方が無難だね」
「珍しいな兄ちゃん・・他の冒険者は、令嬢に認められたくて近づいて行くぞ?そして、数日ほど消息を絶つんだ」
「ホントに?・・俺は絶対に近付きたくない存在だね・・」
「ほら、噂をしていればなんとかだ・・・・どうやらギルドに着いたらしいぞ」
男冒険者が向く方に俺も顔を向けると、ギルド入り口から周囲の女冒険者とは違う雰囲気を纏った銀髪赤目の少女が歩いて入って来た。
握り部は金色に輝く細剣を帯剣し、颯爽とギルド内を歩く。その姿に圧倒されているのか、周囲でただ視線を向ける冒険者達は後退り彼女のためだけの道が出来上がり窓口へと続く。
そのまま彼女は傲慢さを見せることなく笑顔で歩き窓口の前で足を止める。
その様子をここにいる冒険者たちが静かに見守っているため、受付嬢と彼女の会話が不思議なぐらい聞き取れた。
「おはようございます。リーナ=グランフェス様」
「おはよう、モリナさん」
「本日ご紹介できる依頼は、こちらです」
「ありがとう、少し見せてもらうわね」
カウンターに置かれた依頼票に目を落としている、公爵家令嬢の姿を見ていた俺は飽きて来たため、2人を連れてギルドを出ることにした。
この俺の判断が悪かったようで、ギルドで動き出したのは俺達3人だけだった・・。
3人の足音がギルドに響き渡り、その足音に反応するかのように公爵令嬢様の視線が俺に向けられる。
「初めてだわ・・わたしがギルドにいる間に動く冒険者がいるだなんて・・・・」
そんな声が背後から聞こえると、俺はここでリーナと初めて出会ったのだった・・・・。




