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2章 召喚編 6話 召喚者育成②

 琴音 Side



 ハイド騎士団長が実戦は王都の南にある南の森で実戦訓練を3日後におこなうと。そして言い終わるとスパイル国王の横へ戻り次は、国王が口を開く。


「この南の森での戦闘訓練を終え、王城へ戻ってきた後は慰労を兼ねてゆっくりしてもらう。まずは士気を高めるため勇者殿には、これを準備した」


 すると、食堂のドアが開き2人の女性が裸が透けて見えるほどの薄いドレスを纏って入ってくる。恥ずかしそうに下を向いたまま、ハイド騎士団長の横に並ぶ。


 美女2人が食堂に入って来たことで、沖田くん達の男子グループから大歓声が沸き起こる。その2人は、王城案内の日に出会ったリサさんとカラさんだった。


「勇者殿、南の森での実戦訓練が終わり帰って来た暁には、この2人のカラダを自由に扱うが良い。毎晩思うがままに」


「こ・・国王様、本当にいいんですか?・・こんな美女2人を俺が」


「もちろんだ勇者殿。おい、2人とも勇者様に自己紹介を」


 リサさんとカラさんは顔を上げて、沖田くんの方を向く。


「・・はじめまして勇者様。わたしは、リサと言います」


「勇者様、はじめまして。わたしは、カラと申します」


「「戦闘訓練からお帰りになったあとの・・あとのおカラダの癒しは、わたしたちにお任せください」」


 沖田くんは、リサさんとカラさんの近くまで歩み寄る。


「リサ、カラ・・ちゃんと戻ってくるから、カラダの癒しをタップリと頼むな。俺はユウタ=オキタ。これからは、ユウタって呼んでくれ」


「「・・・・はい。ユウタ様」」


 沖田くんが気持ち悪い顔で、リサさんとカラさんに話しかけている。そこへ他の男子達が騒ぎ始める。


「国王様、俺たちにはないのですか?俺たちには?」


「安心したまえ、南の森から帰ってくるまでには、全員に1人はいるように手配してある」


うぉぉぉぉぉ!


 男子達がケダモノのように雄叫びを上げている。


 そして、沖田くんがリサさんとカラさんの全身を舐めまわすように見て満足したのか、席に戻るとリサさんとカラさんは食堂から退室した。


 今日は休暇日ということで、朝食後の行動は各人自由となり私は食事以外は部屋で過ごし夜を迎えた。部屋の灯りを消して、目を瞑ると朝のリサさんとカラさん顔が浮かんでくる。


「あれは絶対に自らの意思じゃない。強制的にやらされてる感がある・・」


 ・・・・これは、女の勘なの。根拠はないけどね。


 しばらく独り言を呟きながら布団の中で過ごしていると、だんだん眠気に襲われ静かに眠りについた・・。



 実戦訓練に出発するまでの2日間は休養となり自由となった。でも、行動範囲に制限があり部屋でゴロゴロするか、気分転換に訓練場で魔法の練習などをして時間を費やした。




 そして、3日後の出発の朝に支給された装備を身に付けた私達は、中庭に集まり騎士団の列の横に並ぶ。列の前にはハイド騎士団長とアイナ副団長がいる。


「ただいまから、馬車に分乗し南の森へ前進する。かかれ!」


 ハイド騎士団長の号令で、用意された馬車に私達も乗り込む。沖田くん達の方は男騎士が護衛し、私達の方は女騎士が護衛してくれる」


「あの・・私は、第2小隊長のリン=マードラです」


 同乗している女騎士さんが緊張しながら話しかけてくれた。


「お願いしますね、リンさん。私は琴音。この子は妹の美音。そして、真衣さんと愛菜さんです」


「「「よろしくね」」」


「あっあっはい・・よろしくでしゅ!!」


 女騎士リンさんは、盛大に噛んだ・・本当にいるんだ噛む人・・やはり異世界だここは。


 王城を出発して王都の大通りを通り過ぎ、南門から王都を出たみたい。それから馬車は数時間走り順調に進んでいるようで、目的地の近くに着き馬車から降りて森を歩く。


 しばらく森の獣道を歩いていると急に開けた場所に出ると、どうやらここを拠点にして戦闘訓練を始めるみたいで護衛をしていた騎士が数名ずつ森へ入って行き、魔物をここまで誘い出す作戦のようで手始めに騎士団長と副騎士団長が見本を見せてくれるようだ。


 これからは、私達の世界ではあり得なかったことが始まる緊張感で無口になり水筒の水を飲む回数が増えていく。でも、沖田くんだけは楽しみにしているように見える・・勇者だからなのかな?


 少しして、ハイド騎士団長とアイナ副団長が警戒している方の森が騒がしくなると、茂みから緑色の魔物が飛び出してくる。


「あれは、ゴブリンだ!単体であれば、簡単に倒せる魔物だ」


 棍棒を振り回し規制を発しながら襲いかかってくるゴブリンをアイナ副団長は、恐れることなく間合いを詰めて簡単にゴブリンの首を切り落とした。


「まぁ、こんな感じだ。勇者様方は、複数のグループを作り単体の魔物を倒すよう準備します」


 この世界の人達は、躊躇うことなく魔物を殺しいく。人型の魔物を倒すのに罪悪感は芽生えないのかな。


 そうしているうちに次は、オオカミのような灰色の毛並みをした魔物が1匹出て来て、物凄く威嚇している。さっきのゴブリンとは違いすぐに襲って来ない。


「あれは、ウォーウルフだ。普段は群で行動しているが、騎士が1匹だけになるようにしてくれている」


 ハイド騎士団長は説明しながら抜刀し、ウォーウルフと向き合う。正面から徐々に右へ移動しながら間合いを詰めている。


「ウォーウルフは、ゴブリンより集団戦闘が得意な魔物で知恵も高く、油断すると囲まれて危険な状況に陥るため決して初心者の時は1人で立ち向かわないこと」


 ハイド騎士団長は戦い方を説明してくれながら、ウォーウルフを絶命させる。魔法で攻撃し弱ったところを剣で倒すのが最善らしい。


 何回か、魔物を倒すところを見せてもらい、今度は私達の出番となる。


 その場で、数名のパーティーを編成し魔物討伐をするようで、勇者の沖田くんの周りにはサッカー部員達が集まり、私のパーティーに美音と真衣先輩と愛奈の4人パーティーとなる。


 私達の護衛には、馬車で同乗したリンさんと他の女騎士がつく。全体の監視で中央にハイド騎士団長とアイナ副団長が居て、その周囲に私達のパーティーが配置につく。もしもの場合のため、盾を持った騎士達も配置されている。


 静まり返っていた空気が、沖田くん達の掛け声で一気に変わる。まるで試合前みたいなノリだ。


 それからすぐに魔物が茂みから出て来て、慌てる私達を、リンさんが的確に指示を出してくれたため、ゴブリンをなんとか初討伐ができた。途中に何度か危ない場面があったけど、リンさんや盾を持った騎士が助けてくれたのでなんとかなった。


 

 ・・ただ生き物を殺すという罪悪感が時間とともに薄れていくことに自覚がなかった。


 ただ・・自分達が生き抜くために・・・・。



 私達パーティーが魔物討伐に専念していると森の中に入っていた騎士達が急いで戻って来て、ハイド騎士団長のもとへ向かっている。


 その頃には、魔物が出てくることがなかったため警戒しながら休息を取っている私達にハイド騎士団長が声を荒げる。


「皆さん!急遽事情が変わった。すぐに後方の茂みに隠れてくれ」


 騎士達の誘導に従って、体力を消耗した体を動かし後方の茂みへ身を隠し始める。すると、私から少し離れた場所に立つ騎士が弓矢を放った後、ハイド騎士団長が何者かに警告をしているみたい。



「おねぇちゃん・・何があったのかな?」


「なんだろうね・・隠れなきゃいけないくらいの魔物でもいるのかな?」


 美音が心配そうに聞いて来たけど、私もよくわからない。すると、真衣先輩と愛菜が近づいてきた。


「なんか気配を感じるよ・・なんだろ、この感覚」


 愛菜が不思議な感覚を感じているようだけど、私にはわからない。


 ハイド騎士団長が、沖田くん達に何か指示をしているようだ。するとサッカー部員達が訓練場で練習していた、ファイヤーアローっていう炎の矢を一斉に放った。


 複数放たれた炎の矢が前方の森に消えた後、着弾した音が森に響く。再びハイド騎士団長が力強い声で警告をしていると、手で何かの合図を出すと、騎士2人が弓矢を放つ。


 しばらくすると・・・・向こう側の森から人が出て来た・・。



 その光景に私は驚きを隠せない。



 だって・・金髪の少年が美少女2人を抱っこして森を歩いている姿なんて想像もしていなかったから・・・・。

 


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