2章 召喚編 2話 勇者召喚①
また短めです。
主人公視点ではないので、サクッと進めています。
勇者召喚を執り行うため王城から出ていた王族達が戻り始めます。
そして、王国随一の魔術師達のチカラではじまってしまう。
第1王女ミリア Side
「おとうさま!・・お父様!!ただいま第1王女ミリアが戻りましたわ」
王都マーカーの門を事前通告無しで強引に通過した。警備をしていた門兵は混乱していたようだけど関係ないわ。
そのまま王城に入り、お父様がいる玉座の間に入る。
「おぉ、よくぞ帰ってきたミリア。楽しみにしていたニシバルでの余暇を満足に与えられなかったな」
「そんなことは、いいですの。それよりも・・勇者召喚のことは本当ですの?」
「アッハッハッハ・・幼き頃から勇者召喚の話しが好きだったな」
お父様は、笑いながらわたくしを見ている。そして顎を触りながら静かに告げてくる。
「勇者召喚の話は・・・誠だ。イリアとマリアが戻ってきたら、執り行う予定だ」
しばらくして、玉座の扉が開かれてイリアとマリアが勢いよく入ってきた。
「お父様・・第2王女イリアが、ただいま戻ってきました」
「お父様・・第3王女マリアも、ただいま戻りました」
第1王女は長女のわたくしミリア。
第2王女は次女のイリア。
第3王女は三女のマリア。
3人姉妹のわたくしたちは、とても仲がいい。それがお父様の願いでもある。
「イリア・・マリア、よく帰ってきてくれた。3人とも、今日はゆっくりと休んで来なさい」
優しい笑顔のお父様の言葉に甘えて、今日はゆっくりと過ごすことにした。それぞれの部屋に戻り、夕食の時間になると、専属メイドが部屋のドアをノックして呼んでくれる。
わたくしは部屋を出て、食堂へ向かっていると途中の廊下でイリアとマリアと合流し一緒に食堂に入り決められた席に座ると、お父様とお母様が入ってきて席に着く。
間も無く、メイド達が慣れた手つきで料理と飲み物を配膳し終えて、家族5人で楽しい夕食を終え団欒ののちに部屋へと戻る。
部屋に入ったわたくしは、書棚に置いてある1番のお気に入りの書物を取り出してベッドで横になる。
「明日は、憧れていた勇者召喚だわ・・」
幼い頃に貰った、勇者の御伽噺の書物も読み返し眠りについた・・・・。
眠りから目覚めると、専属メイドのソフィアが入ってくる。
「おはようございます、ミリア様」
「おはよう」
「本日は、こちらのドレスを着てください」
メイドのソフィアが、純白のドレスをクローゼットに丁寧にかけている。
「ソフィア・・まるで婚姻の儀で着るようなドレスね」
「はい。本日は、勇者召喚を執り行う日ですから。それでは、後ほどお伺いします」
ソフィアはにっこりと笑い部屋を出て行く。わたくしはベッドから出て支度をすませ、廊下で待ているソフィアを呼ぶ。部屋に入ってきたソフィアに手伝ってもらい純白のドレスを身に纏う。
「ミリア様・・本当にお綺麗です」
「ふふ・・ありがとう、ソフィア」
わたくしは、ソフィアに微笑み部屋を出て玉座の間へ向かった。
玉座の間に入ると、お父様が玉座に座りその脇に、淡い水色のドレスを綺麗に纏ったイリアと淡いピンク色のドレスを可愛く纏ったマリアが立っている。玉座の端には、騎士団長と副団長の他に騎士が数十人が整列している。
「お父様・・第1王女ミリア、遅れてしまい申し訳ありません」
「ミリア・・遅れてはない。皆が集まるのが早過ぎるのだ・・」
「「そうですよ、お姉様」」
イリアとマリアが、笑顔でそう言ってくる。
「ありがとう、イリア、マリア」
「3人は、とても仲がいいな。わしはとても安心するぞ」
「「「はい・・お父様」」」
すると、白いローブを纏った魔術師が一人、お父様の前に出て片膝をつくが顔は見えない。
「国王様・・魔術師のオーロンです。魔術師全ての準備が無事に整いました」
「そうか・・よくやってくれた。取り掛かってくれ」
「・・御意」
魔術師オーロンが玉座の間の端へ移動すると、先ほどまでいなかったはずの魔術師達が唱え始めると、玉座の間の中央の床に大きな魔法陣が白く浮き上がり輝き始める。
あまりにも強い光で輝き始めたため、堪らず手で顔を覆ってしまう。なんとか指の隙間から覗こうとしたけど、はっきりとは見えない。
この玉座の間にいる者達の驚きの声が広がる。
わたくしは、勇者召喚の瞬間を見逃したくない一心で、指の隙間から魔法陣を見つめる。隣にいるイリアとマリアは、もう完全に手で目を覆っているのが見えたから余計に二人のためにも勇者召喚を、わたくしの目で見届けようとしたけど指を閉じてしまった直後の記憶はなかったの。
ミリアの視線から解放された魔法陣は、さらに真っ白に輝きを強めるとともにサイズ大きく成長させて魔法陣の中心から外側に猛烈な風を起こし、周囲にいた人間達の意識を一瞬刈り取っていった。
意識を刈り取られた、王族達や騎士団そして魔術師達は、魔法陣から声が聞こえるまでの僅かな時間の記憶を誰も残していない。
魔法陣の暴走とも思えるほどの眩い輝きに王族達は、誰一人対処するものはいなかった。このまま勇者召喚は成功するのだろうか。
次回は、ハルが生きる世界から見た異世界の話になります。




