9章 イシタ公国編 39話 王国地方都市フリュー⑦
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トンットンットン・・
ミオが起きてくれるんじゃないかと期待しながら階段を上がり部屋に入る俺は、起きている皆におはようを言いながら窓際のベッドへと腰掛ける。
「ミオ・・」
まだ寝ているミオの黒い髪を撫でた後に、リリスからもらった気付け薬の瓶をそっと開けて小瓶を鼻に近づけ手で煽ぐ・・。
(起きてくれよ)
・・・・・・。
「・・ダメか」
数秒煽ぎミオの反応を待って見たけど、期待していたことは起きずため息を吐きながら小瓶に蓋をしようとした・・。
「フギャッ!!」
発狂の声と共に小瓶を持つ手が叩かれてしまい、俺の手から小瓶が飛ばされ床に転がり中身の液体が飛び散る。
ゴン! ゴロゴロ・・
「んにゃ?」
小瓶は床に座るミリナの後ろで転がり、音に気付いたミリナが気付き不思議そうに小瓶に手を伸ばしている。
「ミッミリナ!ソレに触れるな!」
バタンッ!
俺の注意が逆効果になり、転がる小瓶をミリナは興味本位で拾い上げた途端・・白目を剥いて意識を手放し倒れてしまったのだ。
「「「 ミリナちゃん!!! 」」」
近くにいた琴音達が、突然倒れたミリナの傍へと駆け寄る光景を見つめていると背後から声をかけられる。
「・・ご主人さま」
振り向くとオッドアイで俺を見つめるミオの姿があった。
「ミオ・・」
彼女の名前を呼び俺はソッと抱き締める。
「ご主人さま・・ここは?」
「王国の街の宿屋だ。事情は、ミリナから聞いてるから。まぁ、ミリナはさっき気絶しちゃったけど・・」
「すいません・・またご迷惑を・・」
ミオの謝罪を途中で遮り想いを伝える。
「ミオが無事で良かった・・それだけで俺は良いんだ」
「・・・・はい」
静かに泣いているミオが落ち着いた頃に、彼女の視界に入っているだろう状況を俺に聞いてきた。
「あの、ご主人さま・・どうしてミリナは気絶しているのでしょうか?」
「・・ミオに使った着付け薬の瓶が、とある事情でミリナの傍まで転がってね・・中身の匂いを嗅いだミリナは気絶しちゃったんだ・・」
「・・そう・・ですか」
「あぁ・・ミリナは、そのうち目覚めるから気にしないで良いと思う」
「わかりました」
そう言うと、ミオは俺から離れ床で倒れ気絶しているミリナの方へ移動する。
「みなさん、妹のミリナがご迷惑を・・」
心配している琴音達の前で頭を下げたミオは、ゆっくりとした動作でミリナの尻尾を掴み一気に引っ張る。
「フギャッ!!」
数分前にミオから聞いた奇声をミリナも発して、意識を覚醒し立ち上がっている。
「ミリナちゃん大丈夫?」
琴音の問い掛けに我を取り戻したミリナは、涙目で頷く。
「良かった・・急に倒れたから心配したんだよ」
「・・もう大丈夫だよ〜お姉ちゃん、そろそろ尻尾を掴んでいる手を離して欲しいですぅ〜」
ミリナの悲痛の想いを聞いたミオは、掴んでいた尻尾を解放し俺の横へと座る。
「とりあえず、これでいつも通りに戻ったな。今日もこの宿に泊まるから夕食の時間までは自由だから街へ買い物へ行って良いからね」
俺は、今日の予定を皆に伝え朝食を食べた後には、召喚組の真衣達4人が買い物へ出掛けて行き、ラニアとリンが買い出しへと出掛け部屋にはそれ以外の俺達が残っている。
「アイナは、出掛けないのか?」
「・・それは・・その・・マリア様もいることだし、護衛のため残ることにした」
チラッと俺を見ながら、何かを期待しているような感じでアイナは答える。
「そっか・・なら良いけど」
そう伝えると、アイナは少し肩を落としてしまっている。
「・・マリアは出掛けないの?」
「ハルが出掛けないなら、部屋でのんびり過ごすわ」
「そうなの?・・・・なら、俺も目的はないけど出かけようか?」
そう伝えると、残っていた皆は嬉しそうに頷き出掛ける支度を始め整ったところで、久しぶりに街をぶらつくことになったのだった・・・・。




