9章 イシタ公国編 38話 王国地方都市フリュー⑥
アクセスありがとうございます
コンコン・・コンコン・・
「はい」
部屋のドアをノックする音と返事をするリンの声で意識が覚醒し目を開けると、マリアが俺に寄り添い寝ていて琴音や真衣達はベッドで横になっていた。
(隣のベッドで寝ればいいのに・・)
「誰ですか?」
「宿の者です。夕食の時間になりましたので、1階の食堂へお集まりください」
「わかりました」
ドア越しに対応するリンをを見つめていると、俺の視線に気付いたのか振り向き俺と視線が重なった瞬間にビクリと反応する。
「そんな驚くなよ、リン」
「いえ、寝ているものと思い込んでいたもので・・」
そう言いながらリンが足元へ視線を逸らしたため、俺も自然に下へ視線を向けると隣で寝ているマリアのシャツから胸元が見え、立派な谷間から目が離せなくなった・・。
「おぉ・・相変わらず絶景だ・・・・」
「見るだけでいいの?」
マリアの囁くこえに驚き視線をあげると、誘うような表情で俺を見つめている。
「くぅ・・つづきは夜にでも」
「・・ダメ」
「ハルさん?夕食の時間だそうですよ!」
「そ、そうですか・・そうですね。飯にしよう・・うん。それが良い!」
不意にリンから怒り気味に声をかけられ、少し慌てる俺の声が大きかったのか、寝ている真衣達がモゾモゾと動き出し起き上がると、愛菜が目を擦りながら口を開く。
「センパイ・・どうしたんですか〜?そんな声出して・・」
「いや・・ゴメン。夕食の時間だってさ」
ミオを1人置いて飯に行くわけにはいかないため、俺とミリナそしてマリアが残りアイナ達を先に食堂へと行かせる。
しばらくしてアイナ達が部屋に戻って来たところで交代し、部屋を出て食堂へと移動する。1階の食堂に着くとタイミングを図っていたかのようにリリスが調理場から出て来て俺達を席に案内してくれた。
「この席で待っててくださいね」
席に座り周囲を見渡すと食堂にいる冒険者パーティーは俺達だけで、他の客は家族連ればかりのようだ。その光景を見ながらアイテムボックスからグラスを取り出し果実水を注ぎマリアとミリナに渡す。
「ハル、なんでも持っているのね」
隣に座るマリアは、グラスを受け取りながら驚いてくれる。
「まぁね・・生活には困らない程度の物はいつも持っているからね」
そう言いながらミリナに手渡すと一気に飲み干したため、俺は何も聞くことなく2杯目を注ぐ。
「ありがとです」
2杯目はチビチビ飲むミリナのケモミミを撫でながらマリアと何気ない会話をしているところで、リリスが夕食を運んできてくれた。
「どうぞ〜召し上がれ〜」
「「 ありがとうございます 」」
久しぶりに宿屋での飯をゆっくり食べて満足し、謎多きリリスに礼を伝え部屋に戻りその日の夜はイベントは何もなく終わり朝を迎えた。
「はぁ・・」
みんなより早く目を覚ました俺は、音を立てないように部屋を出て階段を静かに降り宿屋の外に置いてあったイスに座り通りを見る。
「冒険者が少ないな・・」
どこの街も朝早くから通りを歩く冒険者パーティーを見かけて来たけど、この街は全体的に少ないと感じる。きっと魔族との戦いが原因だと分かっているけど。
「はぁ・・・・」
溜息をつきながら、アイテムボックスから冒険者になったっときから愛用している水筒を取り出し水を飲んでいると。宿屋から人が出てくる気配を感じ振り向くと、ちょうどドアを開けて出てくるリリスと視線が重なる。
「あらっ・・お早いですね、お客様」
「まぁね・・ってか、こないだと喋り方が違うんだけど・・」
「そんなことないですよ・・」
「・・・・・・」
リリスの喋り方に違和感を感じながらも、これ以上深入りするのを止めて視線を通りへと戻すと隣のイスにリリスが座り口を開く。
「・・・・、猫人族の娘は、毒の影響で意識が戻らないのでしょ?」
「・・・・まぁ、そんなとこかな?」
リリスからのミオの状態を指摘され、内心驚きながらも冷静を装う。
「コレを嗅がせたら一瞬で目を覚ますわ」
「えっ?」
リリスが胸元から小瓶を取り出し、俺に差し出す。その小瓶には透明の液体が少量入っている。
「猫人族の娘に効くシロモノよ・・ツンッと刺激されるから、起きている人が臭いを嗅ぐと逆効果で気絶してしまうから気をつけてね」
「ソレってまさか、アンモ・・いや、本当に効くのか?」
リリスは、小瓶を俺の手に持たせながら握り包み込む。
「あなたには、調べれるスキル持っているじゃない?」
クスッと笑うリリスを見ながら、俺はかなり長く使っていないから忘れていたスキルを思い出し、小瓶の中身を鑑定する。
気付け薬・・意識ない者の意識を回復させる効果を有し、その逆の効果も併せ持つ。
「なんか、怖いな・・。なぁ、対価は?」
「うふっ・・今夜にでも、もらいにいくわ」
「あーソーイウーコトカー」
リリスは立ち上がり笑みを浮かべながら俺の首筋を撫でるように触りながら宿屋の中へと戻って行き、1人取り残されてしまう。
「・・他に策がない今は、コレに頼るしかないのか」
青空を見上げながら、そう呟いた俺は立ち上がり部屋へと戻ることにしたのだった・・・・。




