9章 イシタ公国編 37話 王国地方都市フリュー⑤
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「朝か・・」
いつものように朝を迎えたけど、ミオが目を覚ますことはなかった。野営地の撤収をする時間になり馬車の荷台にミオを乗せカラとラニアに付き添わせ他のみんなで撤収し出発した。
「ラニア・・そんなに急がなくていいから」
「はい・・」
朝からずっと休まず移動し時間を稼いだため、王都最南端に位置するフリューの街並みが予想より早く見えてきたのにラニアは速度を落とす様子がなかったからだ。
「そろそろ門兵から見える距離になるから、隠密スキル発動してて〜」
「「 は〜い 」」
琴音と美音が返事を返した後にスキルを発動したようで琴音達の気配が一気になくなっていくことを確認し街の門へと連なる馬車の列に並び順番を待つ。
「・・この街で数日は、旅の疲れを取らないとな」
「そうですね・・」
待ち時間をラニアとの雑談をして順番を待っていたけど、さすがに話すことがなくなり無言の時間がでてきたところで、やっと俺達の順番になった。
「身分証を出してくれ」
門兵の指示に従いラニアは身分証を提示し、確認した門兵は俺に視線を向け無言のまま右手をクイッと合図をする。
「はいコレ・・」
ラニアの向こう側に門兵がいるため、冒険者ギルドカードを胸元から取り出し手渡すと二度見されてしまった。
「お前さん、帝国冒険者か?」
「はい。王都から護衛で同行してます」
無言のまま門兵からギルドカードを受け取り、銀貨2枚をラニアが門兵に支払い無事に街に入ることができた。
「このまま馬車預かり所へ向かいますね」
「あぁ、頼む。こっちも準備しよう」
俺とラニアのやりとりを合図に荷台にいるアイナや真衣達が降りていき近くの裏路地へと移動しスキルを解除した後に表通りへと出て馬車を預け終わった俺と合流し宿屋へと向かう。
「たしかこの宿だったよな?」
目の前にある宿屋は、以前泊まったことのあるベッドが描かれた看板を掲げた宿屋で、宿主は勇者ゾッコンで謎の女リリス。
(また来てしまった・・)
そう思いながら足を進める。
「こんにちは〜」
宿屋に入ると受付やその周囲に人の姿はなかったけど、少しして奥から女性の声がして足音が近づく。
「・・は〜い!今行きますね〜」
受付横の奥からリリスが姿を現し、俺と視線を重ねても何も反応は無く普通に対応している。
「いらっしゃいませ〜!団体様ですね・・代表の方は、こちらへ」
「あっはい」
「お客さんのパーティーなら3階にある2部屋になるけどいいかしら?」
「・・それで、お願いします」
リリスは帳簿を取り出し何かを書いてから部屋の鍵2つをカウンターに置く。
「1泊金貨4枚で食事込みになるわ」
営業スマイルを見せるリリスに金貨4枚を手渡しギルドカードを提示しながら連泊できるか尋ねることにした。
「ちなみに連泊できる?」
「・・え〜っと、今決めてもらえれば5日先まで保証できるわよ・・・・うふっ」
「よ・・よろしく・・です」
俺は、リリスの反応に戸惑うも追加で金貨20枚を支払い連泊することに決めた。
「ありがとう。はい、カードの確認できたからしまっていいわよ」
ギルドカードを胸元にしまいカウンターに置いてある部屋のカギをラニアに取らせ、リリスに笑顔で見送られながら受付横の階段を上がり奥の部屋に入り窓際のベッドにミオを寝かせ振り向き皆を見る。
「みんな長旅で疲れているから、今日はゆっくり休んで明日から自由に街へ買い物に行っていいから。夕飯の時間までに戻ってくれたらいいし」
俺はそう伝え、部屋割りはマリアに任せソファに深く座り眠りにつくことにした・・・・。




