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9章 イシタ公国編 36話 目を覚さないミオ

アクセスありがとうございます


(おいおい、マジかよ・・)



 ミリナと対峙しているのは、黒髪少年3人とギルド長エリーナだった。



「これで最後の質問よ!答えなければあなた達に待っているのは地獄だけ・・・・なぜ獣人奴隷が主人から離れて行動してるの?主人(あるじ)の名前は?」


「・・イヤです。お姉ちゃんを傷付けたあなた達には、絶対に教えない!」


 エリーナは、溜息をついて何かを諦めたように首を小さく振り隣に立つ黒髪少年3人を見て口を開いた。


「剣崎様・石原様、田岡様・・あの獣人奴隷2人をお願いします」


「ギルド長、本当にいいのか?」


「はい、剣崎様。お好きになさってください」


「・・剣崎、お前本気か?」


「石原、いいんじゃね?異世界だから警察なんかいないっしょ?」


「そりゃ、そうだけどさ・・・・俺らより年下だと思うよ」


「いいんだよ!馬車で寝転がっている真鍋(バカ)のところにでも連れて行けば、アイツも喜ぶだろうしな」


 剣崎が抜剣しながらミリナへとゆっくり近づき、半歩下がったミリナが背後を見る。


「ざ〜んね〜ん!ネコちゃん、後ろは崖だから逃げ道はないよ!素直に諦めな」


 まるで賊のような発言をしながら近づく剣崎の顔を見ながら、俺はそっとミリナの傍に立つとミリナは俺の気配を感じ取ったのか顔を見上げ小さな声を口にする。


「にゃっ」


「おぉ〜ネコみたいに鳴くんだ〜!もっと近くで聞かせ・・」


 ゴワッ!!


 剣崎を牽制するためギリギリの位置まで我慢したところで、剣崎の足元に火魔法ファイヤーウォールを放ち不意を突く。


 突然足元から出現したファイヤーウォールの熱波に怯み、尻餅を付いて奇声を発しながら慌てて下がり周囲の騎士達も声を漏らし動揺している隙に2人を連れ帰る。


『ミリナ、帰るよ』


『うん』


 横たわっているミオを抱き抱え、ミリナとミオを隠密スキルの有効範囲に入れファイヤーウォールの右端と崖の間から回り込み森へと移動することに成功した。


「マリア、アイナこのまま帰るよ」


「「 うん 」」


 森を走りやすいようにミオを背中に背負いなおし、アイナを先頭に森を走り抜け頃合いをみて足を止めミオを毛布の上で横にさせる。


「マリア、気配探知スキルであいつらの動きをみてて」


「うん」


「アイナは、周辺(あたり)の警戒を」


「あぁ」


 2人に指示を出した後、隣でミオに寄り添うミリナに状況を聞いた。


「ミリナ、いったい何があったんだ?」


「・・あの川で魚獲りを終えてご主人様の馬車を追いかけるため、街道を走っていたら急に森から騎士が飛び出して来て道を塞がれ止まったところで、前にいたミオお姉ちゃんの足に矢が刺さって怪我したの」


「それであの場所まで逃げたのか?」


「うん・・しばらくは、お姉ちゃんも動けてたんだけど・・だんだん動けなくなって気を失っちゃった」


「その時から、ミオは目を覚ましてないのか?」


「うん・・」


 ここまでの移動中に治癒魔法ハイヒールを数回かけてしまったおかげで、状態は安定しているが傷口を見ていなかったためどんな傷口だったかわからない。


(・・やっちまったな)


 そう思っていると、アイナが告げる。


「ハル・・症状からみて、もしかしたら遅延毒の影響かもしれん」


「遅延毒?アイナ、それって・・」


「あぁ、ハルが王国騎士団の弓矢で怪我した時と同じ・・逃走者を逃しても殺せる毒物」


「そうか・・しばらくミオも意識を取り戻すのは難しいな」


「個人差もあるが、2日3日で目覚める可能性は低いと思う」


「・・・・わかった」


 そう呟きながらミオをゆっくり背負い立ちながら俺は歩き告げる。


「みんな、帰ろう」


 3人からの返事は返ってこなかったけど、気にせず歩き続けること2時間経ったあたりで森を抜けて平野の先にある馬車を見つけ辿り着くことができた。


「お帰りなさい」


 リンに出迎えられた俺は、無言で頷きそのままテントの中へと入り奥でミオを寝かせる。


「ミオ・・」


 静かに寝ているミオの頭を撫でながら1人で付き添っていると、シェルとアルシアがテントに入って来た。


「シェル・・アルシア」


 シェルは人化を解き小さな銀狼(フェンリル)へと姿を変え、俺の肩へと飛び乗りアルシアは俺の隣に座りミオを見つめている。


「もう、落ち着いているようじゃな」


「あぁ、もう大丈夫そうだ。シェルは何か感じるのか?」


「ふん・・偉大なるフェンリル様じゃからな」


「っぷふ・・」


「アルシア・・なぜ笑う?


「くっ・・」


「んなぁっ・・ハルもなぜ笑うんじゃ?」


「わりぃ・・なんか・・いてっ」


「すまぬ、シェルよ・・」


 俺の右耳を甘噛みし抗議する小さな銀狼(フェンリル)を抱き上げ膝の上に乗せ背中を撫でると、グルッと身体を回しお腹を撫でろと催促してきたため仕方なく撫でてやると気持ち良さそうな表情をしている。


 バサッ・・


「ハルさん、夕食の準備ができました」


「ありがとう、先にみんなで食べてて・・俺は最後でいいから」


「でも・・わかりました。アルシアさん、シェルさんこちらへ・・」


 アルシアとシェルはテントからで出て行き、テントの中には俺とミオだけになったところで、ミオの隣で横になり目を閉じて彼女の寝息を聞いていると、いつのまにか意識を手放していた・・・・。


 

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