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9章 イシタ公国編 35話 戻らないミオとミリナ

アクセスありがとうございます。

ブックマークも増えてきて感謝しています。

これからもよろしくです。


 王国領の街道を順調に走り、襲撃しようと近寄る魔物の気配も無く山を1つ2つと超えて平野を縦断する街道を走っていると荷台から琴音が出てきて俺とラニアの間に座る。


「おにぃ?」


「どした?」


「ミオちゃん達、帰って来るの遅くない?」


「・・そういえば、遅いなあいつら」


「もしかして、何かあったのかな?」


「・・・・まさか?・・とりあえず、近場で野営できる場所決めたら、念話飛ばしてみるよ」


 心配そうな琴音の頭を撫でて荷台へ移動させる。


「ラニア、そこの砂利の場所で野営しよう」


「あそこですか?・・周囲から丸見えですが」


「隠密スキルで、なんとかなるでしょ?」


「わかりました」


 ラニアは、俺が指定した砂利が敷いてある場所に馬車を止めてくれる。


「みんな、今日はここで野営するから準備しよう」


 アイテムボックスから野営キットを取り出し、設営をマリア達に任せ念話でミオとミリナを呼ぶ。


『ミオ・・ミリナ・・聞こえるか?』


『・・・・・・』


 繋がっている感覚はあるけど、2人からの反応が無い。未だに魚掴みに夢中で気付いていないのか、まだ遠くにいるのか・・。


 念話で呼びかけるのをいったんやめて、気配探知スキルを発動し指向性を強めミオとミリナの存在を捜索すること数分・・・・やっと2人の気配を捉えることができたけど移動している様子がない。


『ミオ!・・ミリナ!なにかあったのか?』


『・・さま・・・・が・・・・した・・い・・』


 途切れ途切れで微かに聞こえたミリナの声が聞こえたが、断片過ぎて状況が掴めず焦る。


『ミリナ!どうした?途切れて、よくわからないんだ』


『ご・・・・お姉ちゃん・・ケガ・・・・キシみた・・』


 嫌な言葉がハッキリと聞こえ、ミオとミリナの周囲の気配を捜索すると数十人の気配を捉えるとともに反応が人族で数的に騎士団だと判断してしまう。


『今から行く!待ってろ!』


『・・・・・・』


 ミリナからの返事はなく、焦る気持ちを押さえながら設営している方を向き2人の名前を呼ぶ。


「マリア!アイナ!すぐ来い!」


 普段より低めの声で呼ばれた2人は、設営作業を投げ捨てて俺の前へとほぼ同時に来た。


「どうしたの?」


「どうしたんだ?」


「ミオとミリナの身に危険が迫っている、今から3人で迎えに行くぞ」


「「 はい!! 」」


「リン!ここの警戒は、俺が戻るまでお前が指揮をとれ!」


「わ、わかりました!」


「頼んだぞ!・・マリア、アイナ!」


 2人の名前を呼びながら街道を南へと走り、ミオとミリナがいる場所へと急ぐ。


「ハル、いったい2人に何があった?」


「私にも教えて」


 俺の右側を走るアイナと左側を走るマリアに俺は伝える。


「・・詳しくはわからないんだ。ただ、ミオが怪我をしたらしい。そうミリナが念話で伝えてくれた。それに、騎士団に囲まれている状況見たいなんだ」


「そんな、ミオちゃんが?」


 マリアが心配そうな声を漏らすアイナは、顔を少し歪めている。


「そろそろ隠密スキルの発動準備してね」


「「 うん(あぁ)。 いつでも 」」


「オッケー!このまま森に入ったらスキルを発動しよう」


 森林を数十分駆け抜け、気配探知スキルを確認しながら近づいたとところで走るスピードを落とし、今は林縁沿いを静かに移動したところで崖を背に騎士団に囲まれているミリアを視界に捉え、その足元で横たわるミオを見つけた。


(・・いったい何があったんだ?)


 そう思いながら林縁にマリアとアイナを残し最悪の場合の攻撃手段だと伝え待機してもらい、騎士達を横目にゆっくりと迂回しながらミリナの背後へ移動すると、騎士達に阻まれ見えなかった人物の顔が見えた・・・・。











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