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〝あの人〟に会いに行こう

「たった5年でこんな変わるもんなのね〜」


もぐもぐと出店で買った串焼きを食べながら王都の風景を楽しんでいた。

なんだか祭りの雰囲気が漂っており、兵士たちにより警備がされていた。


「あ、ねぇねぇ今日なにかあるの?」


近くの出店の店主に果汁水を買いながら聞いてみる


「姉ちゃん、知らないのかい?今は和平条約の記念として祭りが3日あって、今日はパレードがあるんだよ」


「パレード?」


「英雄シェルビード様と終戦へ導いたメルディアーラ様を讃える祭りでね、そのシェルビード様と騎士団のパレードがこのあとあるんだよ」


…なぜ私の名前もあるのだろうか?

話を聞く限り、あの後すぐに和平条約を結んだりしたのだろうが、まさかここまで大きな祭りとなっているとは。


念の為魔法で姿を変えてよかった。

今は青い髪に青い瞳で顔を覚えられないように認識阻害魔法をしている。


「パレードねぇ…探さなくとも腑抜けた面が見えるね〜」


彼は今英雄であるとともに、第3騎士団団長を務めているらしく、探すのが大変そう(そうでもないが)な、まぁ手間が省けてよかったと思う


さてさてさ〜て、パレードの始まる前に私はやらねばいかんことがあるねぇ


「怒られちゃうかなぁ?」


ふふっと微笑み、その場で指をパチンと鳴らす


周りの人々は祭りに盛り上がり気づかなかった

目の前にいた女が姿を消したことに。


__________________…


「マーレル団長、時間厳守ですよ、絶対遅刻しないでくださいよ」


「はいはい。」


パタンと扉が閉まる

この後のパレードには絶対に参加しないといけないが、…すっぽかすつもりが部下に散々言われ逃げ道は無くなってしまった。

椅子に深く座り溜息をはく


マーレル・ハラネシル、魔術師団団長を務めており

明るい茶色の長い髪を後ろで結い、赤い瞳をした男はふと机の上に視線をうつした


「あれから5年、か。」


机の上にある写真

そこには魔術師団の紺色に金の刺繍がされたローブを羽織る部下である銀髪の少女と髪がもう少し短い自分、数名の魔術師団員が笑顔でうつっていた


…せめてあいつの亡き骸だけでも見つけたかった


5年前の隣国との戦

自分の到着が遅かったゆえに犠牲となった部下、…その部下の亡き骸すら見つけられなかった

ダメな上司だよなと暗い気持ちになる


「あの頃は楽しかった。」

女がいるだけでその場は笑顔に包まれ、互いに切磋琢磨鍛錬をしていた楽しかった日々を思い出す


思い出して涙が出そうになったその時


…なんだ?


_それは突然だった

唐突に、瞬きの間で目の前に女が現れた

銀髪の髪に蒼い瞳


「ははっ、とうとう幻でも見始めたか。それとも俺をやっぱ恨んでんだな」


目の前に、かつての部下をした女が立っていた

やっぱり、恨んでるのか



「いや、別に幻でもないし恨みとかそんなのないですよ」


………


「やっぱ疲れてんのかな」


溜息を吐き少し眠ろうと目を瞑る


「いやいやいや、現実逃避やめてくださいよ団長」


「…は?」


人間驚きすぎると考えることを放棄するらしい

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