ここはどこだ。
メルディアーラ・アマネス、現在齢18、のはず。
隣国バスカル帝国との戦で軍勢の時間稼ぎのために囮となり、たしか死んだはずなのに…何故だろう。
辺りを見回すと森の中。
自分は今まで花畑の上で眠っていたらしい。
近くの湖を覗き込むが、そこには緩くウェーブのかかった銀髪に蒼の瞳をした女が写っていた。
うん、いつも通りの私だ。
「なんでこんなとこにいるんだ?」
ポツリと独り言を零す。
すると何処からか声がかかった。
『それは私がよんだからだ。』
「あ、だれ?」
澄んだ、綺麗な声が辺りに響く
周りには自分以外に誰もいない
『精霊を統べる者、といえばわかるか?』
__精霊王!?
精霊王はエレメントの頂点に君臨する精霊を統べる存在
下級精霊でも中々人前には姿を見せず、ましてや精霊王なんて存在を認識出来たものなど、歴史の中で数える程しかいないだろう。
「…ここは何処だ。私はたしかに死んだはず」
最大の疑問
それは〝私〟という存在だ。
たとえ精霊であろうと死者の蘇生など聞いたことがない。
たしかに私は〝死んだ〟はずなのだ。
『お前は死んでないよ』
「どういうことだ」
『お前が死ぬ瞬間にこちらへ呼び、治療をしたまでだ』
〝治療〟
精霊からの恩恵ともいえるそれを受けられることには
〝代償〟が必要だと書物で目にしたことがあることを思い出す
「…代償はなんですか」
たとえどんなものだろうが困ることはないが、と思う
あまり自分のことには関心がないからというのも大きい
『ははっ、そんなんいらんわ。今回のはただ〝愛し子〟を助けたのみ。それに我はただお前の魔力を活性化させ治癒を早めただけだ』
_治癒を早めた
だからさっきから魔力が体内に残っている感覚がないのかと、疑問は解消され、自分が愛し子というのにも驚いた。
まぁ、結界_
「ありがとうございます。たしかに私はまだやりたいことはありましたし、生かしていただいたこと感謝申し上げます。」
『これからどうする』
「それは___」
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現在は森を抜け王都へと来ていた。
そしてさきの精霊王の言葉を思い出す
『今はあれから5年経っておる。お前の死体は戦で未発見とされている。…あぁ、ちなみにお前の知り合いの騎士は英雄となったらしいぞ』
…騎士で知り合いなど1人しか心当たりがない。
シェルビード・ラルネス、私の親友
なぜ王都へきたのか
魔術師団へ戻るため、買い物するため、自由を謳歌するため
…どれも違う。
ただ私が王都に来た理由はただひつと!
___親友を冷やかすためだ。