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報道

作者: 北斎


或る処に、街での出来事やら、今で言うところのゴシップやらを大声で叫び、街の皆に知らせる者がいた。


「あの俳優は、街のマドンナと恋愛関係にあるぞぉ」

「あの家の息子が盗みをしたぞぉ!」

「あの関取には八百長疑惑があるぞぉ!」



すると、旅人らしき者が、その男に声をかけた。


「あんた、1人で何を叫んでんだい?」


「何って、この街で起こった事件などをみんなに知らせてやってるのさ。この街は色んな出来事で絶えないからね。」


「あんた、それなら1番重要な事を知らせなきゃならんだろう。」


「おっ、あんたも情報通なんかい?聞かせておくれよ。」


旅人らしき者はため息をつき、男の肩に手を載せて言った。


「この街は何年も前に廃れて、もう誰も住んでないんだよ。」



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