折り畳み傘(二百文字お題小説)
お借りしたお題は「折り畳み傘」です。
田守優子は私の親友。
突然の豪雨にずぶ濡れになった私。
近くのデパートに飛び込み、ハンドタオルで髪と顔を拭い、トイレで化粧を直して外に出ると、偶然優子に会った。
「何、その格好?」
優子は全身をすっぽり覆うような傘を差していた。いや、傘なのかな?
「新発売の折り畳み傘よ。カッコいいでしょ?」
どこから見ても某妖怪漫画のキャラにそっくりでカッコ悪い。
「あんたの分も買ったのよ」
私にも着せようとするので、逃亡した。
優子はどこに行こうとしているのかわかりません。