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だらり異世界生活記  作者: 国後要
家庭教師編
7/128

家庭教師って響きがなんかエロくね?

 オレの仕事場。

 それはリンカーネイト公爵家。

 よくわかんないけどこの国のお偉いさんらしい。

 そして、公爵家と関わる事など無いようなオレがここでする仕事とは……?

 

「中々いい調度品だな。売ったらいくらになるかな?」


「先生、盗人みたいな事を言うのはやめてください」

 

 まぁ、当然ながら盗みに入ったわけではなく、その公爵家のお嬢様の家庭教師だ。

 この国の貴族は強さが優先されるそうで、剣やらなんやらを学ぶのは貴族の嗜みなんだそうな。

 で、オレはそのリンカーネイト公爵家のお嬢様である、アリシアちゃんに戦い方を教えるために来たのだ。

 

 アリシアちゃんはかわいい子って言うより、綺麗な子って表現が似合う。

 金髪に青い瞳をしていて、まるでフランス人形みたいだ。これで剣とか習うんだからびっくりするよね。

 

「さて、今日は何を学びたい?」

 

「もちろん剣です!」

 

「よーし、剣の授業はオレに任せろー! ズバズバー!」

 

 ……誰も突っ込んでくれないから寂しい。

 なんてふざけつつ、アリシアちゃん専用の屋内修練場へ。

 凄いよね、個人個人に専用の修練場があるんだぜ。お金持ちって凄い。

 

「さて、前回は何処まで教えたっけ?」


「はい、スキルの使い方までです!」


「あー、そうそう。スキルの使い方まで」

 

 スキル。それはかつてこの国の始祖である(全略)という訳だ。

 まぁ、簡単に言うと、ゲームの中にあるMPとか消費するような技だ。

 

「スキルの使い方の復習はしてた?」

 

「はい! 今やって見せますね!」

 

 そう言うと、アリシアちゃんがレイピアを抜いて構える。

 まだまだ小さいのに、その構え方は中々堂に入ってる。

 そして、アリシアちゃんのレイピアに蒼い光が纏わされていく。

 

「いきます! 【スラッシュ】!」

 

 アリシアちゃんが長い金髪を揺らしながら剣を振ると、剣からかまいたちみたいなのが飛んで行く。

 剣系遠距離スキルのスラッシュだ。初歩技だけど、けっこう使うんだよね。

 

「どうですか? 今のは中々の出来だったと思うんです!」


「うんうん、凄い凄い。アリシアちゃんは凄いなぁ」

 

「えへへ……そうですか? 先生は私と同じくらいのころはどれくらいできましたか?」

 

「オレがアリシアちゃんくらいの年ごろか……」

 

 アリシアちゃんが今ちょうど10歳だから、小学4年か5年。オレはなにしてたっけ?

 ……家で毎日ゲームしてたな。

 

「家の中でずっと遊んでたからなぁ。剣とか使えなかったし。読書とかして家の中で遊んでるのが好きだったんだよ」

 

 ゲームの中では幾らでも世界救ってたけどな。何の自慢にもならねえ。

 

「そうだったんですか? あ、もしかして魔法の勉強を?」


「ま、まぁ、そんなもんかな」

 

「さすがです! 先生の強さは子供の頃からのたゆまぬ修練のおかげなんですね! 私もがんばります!」

 

 どうしよう、なんだか心が痛い。

 

「ま、まぁ、アリシアちゃんも頑張って行けば、きっとオレと同じくらい強くなれるよ」


「え、ええー、先生ったら褒めすぎですよ! 剣聖とまで言われた先生に並び立つなんて……」

 

「ははは……」

 

 いや、オレが強いのは昔やってたゲームのスキルが使えるからなんだけどさ。

 剣聖とかも、前の剣聖をうっかり倒しちゃったせいでゲットした称号だし。

 

「えーと、今日は何をしようかな。そうだな、スキルを使っての軽い打ち合いをしてみようか?」


「えっ、いいんですか?」


「ああ、もちろん非殺傷にはするよ」

 

 非殺傷って言っても、そんな便利な設定があるわけではなく、手加減して切れ味をゼロにするだけだ。

 スキル系の攻撃力は、なぜか気合いの込め具合で威力が変わるんだよね。

 それを利用して、切れ味とダメージを限界まで下げる、って言うわけだ。

 

「えっと、そう言うことじゃなくて……」


「じゃあ、どういうこと?」


「い、いえっ、なんでもないです!」


「そう? んじゃ、一応アリシアちゃんの護衛の子たちに立ち合いしてもらおうか」


 教える上で多少のケガは仕方ないって言われてるけど、護衛の子たちに立ち会ってもらった方がいい。

 ワザとやったわけじゃないって言う証人のためとか狡い理由だけど。

 

「それじゃあ、アシュリーさーん! イリーナさーん! ちょっときてくださーい!」

 

 アリシアちゃんが呼び掛けると、修練場の扉の前で待機していた二人の護衛がこちらにやってくる。

 アシュリーくんとイリーナちゃん。年齢は十代の半ばくらい。

 二人ともけっこう強い上に、ビックリするくらい綺麗な子なんだよねえ。

 

「へいへい、なんか用ですか、アリシアお嬢様」


 まぁ、アシュリーくんは喋り方もろもろのせいで、その綺麗さがかなり台無しだけど。

 

「今から先生と軽く試合をするから見ててほしいの。おねがいできる?」


「了解」

 

 ぴっ、とアシュリーくんとイリーナちゃんが敬礼っぽい事をして、少し離れた場所に立つ。

 何かあったらすぐ対応できる位置だ。

 

「よし、じゃあ、やろうか。アリシアちゃんは本気でね」


「はいっ! 先生の胸を借りるつもりでいきます!」

 

 そういって、アリシアちゃんはレイピアを構え、一気に攻め込んで来た――――!

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