赤ちゃんは何処から来るの?
まー、そんな感じで数日をグダグダまったりと過ごせば、財産の処分も終わるわけで。
そしてオレもついにはやってしまってるわけで。
「そう、オレは秋穂さんとイタしてしまった。だから男として責任を取らなくてはいけない。オレは秋穂さんと結婚しなくてはならない。オレは秋穂さんと結婚しなくてはならない……」
「そうでしょう? 男の子ですもの。責任は取らなくてはいけませんよね」
そう、オレは、オレは秋穂さんと結婚しなくてはならない……。
「母上ェ! 催眠術でありもしない既成事実をでっちあげないでください! 孝也! 正気に戻れ!」
ぱちんっ、と目の前で手が叩かれる。
あれ? オレは何をしてたんだ?
「はて……? まぁいいか。んじゃ、みんな準備はいいな?」
「ああ、資金はちゃんとアイテムボックスに入れてある」
ちなみに、財産を処分したお金はかなりの額になったそうだ。
とりあえず、今後数十年以上は生活の心配が無い程度にはな。
しかも、台所が毎日滅んだとしても、だぜ?
まぁ、台所が滅びなけりゃ三代先まで遊んで暮らせる額なんだが。
「それでは、私と孝也さんの愛の巣へと参りましょう」
「いや、愛の巣と違いますから」
とにもかくにも、家に帰ろう。
色々と楽しかったが……ここには辛い思い出が多すぎる……。
主に観光とか……夜這いとか……。
オレ、成長した秋穂さんの夜這いに耐えたんだよ?
すごいよね? 褒めてくれてもいいよね?
でもなんで耐えたのか自分でも分からないんだ。
正直、過去の自分に忠告出来るなら、遠慮せずにやってしまえって言うと思うんだ。
「う、うう……辛い……どうして、生きる事はこんなにも辛いんだ……」
色々と溜まり過ぎてつれぇよ……。
秋穂さんの夜這いのせいで、迂闊に自家発電もできねえよ……。
「遠慮せずに私とイタしていいんですよ?」
「でもレンが止めるじゃないですか」
「亡き者にすれば……」
「おーい、サラっと娘を殺そうとするなー? あと、私はしばらく弟妹は要らん」
オレだってしばらく子供はいらんわい。
養って行けるかも分かんねえんだし……。
「ねぇねぇ、タカヤ?」
「ん? どうしたんだい、アリシアちゃん」
「赤ちゃんってどうやって生まれてくるの? タカヤと秋穂さんが何かすると出来るんだよね?」
もしやそうではないかと思ってたが、そう言うタイプの子であったか……。
「そ、そうだな……赤ちゃんは、その、コウノトリが運んでくるんだ。あるいはキャベツ畑で生まれてくるんだ」
「そうなの?」
「レン、嘘はいけませんよ。お父さんとお母さんが布団の中でプロレスをすることで……」
「秋穂さん、そう言う生々しいのはやめてください」
アリシアちゃんは純粋なんだから。
「じゃあ、どうやって生まれてくるの?」
「え……あ、ああー……む、無の揺らぎから生まれてくる、んじゃないかな? 宇宙だってそうやって誕生したんだし……」
「そうなの? どんなふうに?」
「い、インフレーション理論とスーパーストリングス理論が絡むから、この話は後で……」
ちなみに適当に言ってるだけなので、本当にそれが絡むのかは知らない。
「と、とにかく、そろそろ出発しようぜ。このために馬車も買ったんだし! いやー! 楽しみだなー!」
言いつつ馬車に乗り込む。
馬車なんてもう乗り飽きたが、嘘も方便だ。
旅程については特筆する事も無く。
なんと僅か三日の旅程で家までたどり着いた。
正直どうやって三日でここまでたどり着いたのかわかんねえ。
「それはお前が夜を徹して馬車を走らせ続けたからだな。無理を重ねてもいい事は無いと言うのに、なぜ休まなかったのだ?」
「寝ようとすると秋穂さんが……」
「もういい」
それだけでわかってくれたらしい。
もう秋穂さんがエロエロ過ぎてヤバイよもう。
正直、レンとアリシアちゃんが居なかったら流されてたかもしれない。
でも正直流されてもいいような気がしてきた。
いやいや……責任も取れないのだし、そう簡単に流されてはいけない。
子供を作るっていうのは、一つの命に対して責任を持つことだ。
全人類の命運を背負ったオレでも、その無垢な命の今後すべてを決めると言うのは、重い。
だから、そう簡単に子供を作ってはいけないのだ。
「孝也さん」
「なんです?」
「外に出せば……大丈夫ですよ?」
「へへ……当たる時は当たるんだぜ……?」
避妊具なんてねーからな……。
ヤレば出来る……昔の人はいいことを言った。けだし名言って奴だな。
「まぁ、とにかく、久しぶりの我が家! 我が家よ! 私は帰って来た!」
とうっ、と扉を開き、家の中に。
ああ、この我が家の匂い! 帰って来たって感じがするぜ!
ただ、我が家の匂いが女の子の匂いって言うのが、すごい変態チックで泣けてくるぜ!
さておき、そうしてると奥の方から、てててて、と足音がしてシエルちゃんが。
「タカヤさん! おかえりなさい!」
「おわっと」
飛び込むように抱き付いて来たシエルちゃんを抱き留め、そのまま抱き上げる。
ああ、癒される……癒されるよ……純粋無垢な子供に、癒されるよ……。
「ただいま、シエルちゃん」
「はいっ! おかえりなさい!」




