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だらり異世界生活記  作者: 国後要
台所大往生編
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*おおっと*

 祈った事で成長していくマオ。今の見た目は十七歳くらいか。

 かなりのナイスバディである。魔王じゃなかったらぜひとも結婚してほしい。

 くそう、インスタント食品の癖に生意気な。


「ふっふっふ……我が従来の力を取り戻すのもそう遠くはないな……」


「クソォ……アリなんとかーっ! 速く来てくれーっ!」


 コイツにバチを当ててくれ!

 頼むよマジで!


『その願い、聞き届けたのだー』


 え?


「ぬ? なんだ? ぬわ――――っっ!」


「ま、マオーッ!?」


 オレがそれなりに真剣に女神アリなんとかに祈った直後、魔王に降り注ぐ光の柱。

 その光の柱の中で魔王は一瞬で浄化され、骨だけになってしまった。


「ええー……」


 こんなあっさりと死んでしまってもいいものなのか。

 そう思いつつ、床に積み重なっている骨を見やる。


「マ、マオちゃんが殺されてしまいました!」


「この人でなしー!」


 シエルちゃんの呆然とした声に呼応するように、トモエさんとオレが天井に向けて叫ぶ。


『私は女神なのだー。人じゃないのだー』

 

 ごもっとも。


「タ、タカヤさん! どうしましょう! マオちゃんが……!」


「大丈夫だ、オレに任せろ。今オレがザオなんとかを唱えてやる」


 そう言うと、オレは顔の前で手を組み、少しばかり真剣に祈り始めた。


「囁き……詠唱……祈り……念じろ!」


 そう祈った直後、またもや降り注ぐ光。

 降り注ぐ先は魔王の遺骸である骨。


『タカヤくんのお願いだから、もっと力を込めてあげるのだー』

 

 おおっと、祈る相手を間違えた。

 魔王は灰になりました。


「タカヤさーんっ!?」


「今のはちょっとしたミスだ。もう一回だ。囁き……詠唱……祈り……念じろ!」


 出でよ魔王! シエルちゃんの願いを叶えたまえ!

 そう祈ると、みるみるうちに灰が形を取って魔王の姿に!

 今度の見た目は五歳くらいか。最初と大差ねーな。


「……ぬ? な、なんだ? 何が起きた? なぜ我の力がまたもや衰えておるのだ?」


「まぁ、気を落とすなって」


 しかし、これで便利な手段を手に入れたな。

 魔王が何かしようとしたら、アリなんとかに祈ればいいんだ。

 その後に魔王に祈れば復活させられるから万事解決だな。


 これもある種の永久機関かもしれない。平和利用は出来ないものか。


「人の弱みに漬け込もうとしたのが悪かったってことだ。これに懲りたら二度とやるなよ?」


「うぬーっ! 貴様が何かしたのだな! 責任を取ってもっかい我に祈れ!」


「女神の方に祈るぞ?」


「そ、それはやめよ」


 うむうむ、子供は素直がいちばんだ。


「まぁ、これからは大人しく物乞いとして生活しなさい。オレもわざわざ退治したりしないから」


 それくらいは武士の情けだ。

 つつましく暮らしていき、オレの平和な生活を乱さないなら退治するつもりは無い。


「嫌じゃ嫌じゃ! 我は必ずや復活を遂げるのだ!」


 でも祈ってくれる人いねえじゃんか。

 復活出来るようになるのは、一体いつになるやら。


「我は諦めぬぞーっ! 何年経とうとも必ずや復活して見せる! その時が貴様の最期だ!」


「その時オレは年老いて生きては居まい。だが闇ある限り、光もまたある。オレには見えるのだ。ふたたび何者かが光から現れよう。わはははは! ぐふっ!?」


 調子こいて笑ってたら腹を殴られた。あんま痛くなかったけど。

 魔王っぽいセリフ取ったから怒ったのか?


「でもタカヤさん、マオちゃんかわいそうですよ?」


「まぁ、かわいそうかもね」


「タカヤさん、マオちゃんのこと家で預かっちゃだめですか?」


「駄目です。我が家の家計は厳しいのです。元居たところに捨てて来なさい」


 そもそも魔王だ。魔王は決して拾ったり飼ったりするものではない。

 だって嫌じゃん、路地裏の段ボール箱に魔王が入ってたりしたら。

 んで、拾ってくれなきゃ伝説の呂布……もとい、風説の流布で世間体を悪くするとか言われたりしたら。


「でもでも、拾ってくださいって目で見て来たんですよ?」


「捨て猫や捨て犬の常套手段だ。それにお世話だって結局オレがやる事になるでしょ?」


「私が頑張ってお世話します。一生のおねがいです!」


 うーん、そう言われるとなぁ。

 シエルちゃんが滅多に言わないわがままだから叶えてあげたいところなんだけど。


「マオちゃんの食い扶持は私がかせぎます。それじゃダメですか?」


「う、うーん……分かった、しょうがないな、飼ってもいいよ」


 やれやれ、オレもシエルちゃんには弱いな。


「って、貴様ら我をペット扱いするな!」


 ありゃ、ペットの方に振られてしまったな。


「まぁ、誇り高い存在だもんな。オレの施しなんか受けないもんな」


「そうだ。我は決して勇者の施しなど受けん!」


「そうかそうか……物乞いとして頑張れよ、マオ」


「ふんっ! 馳走になったな! シエルと言ったか! そなたの名は覚えておく! いずれ褒美を遣わす故、待っているがいい!」


 そういって走って店から出て行く魔王。

 いやー、反骨心バリバリだなー。


 あ、転んだ。

 すぐに起き上がってまた走ってった。

 あ、また転んだ。


 ……本当に大丈夫なのかねぇ?

エルミナージュ3でマハマハ切らしたからティオメンテで逃げてみた。


いしのなかにいる


カンストパーティーがぁぁぁ!

君主、侍、神女、使用人、錬金術師、遊楽者のカンストパーティーがぁぁぁ!

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