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だらり異世界生活記  作者: 国後要
台所大往生編
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お前こそ爆発しろ

「貧しさに負けた……」


「いえ、世間に負けた……」

 

「!?」


 ふざけてみたら、レンがそれに返事を返した。

 しかし、その声がやたら色っぽくてビビった。

 一瞬誰かと思ったわ。そんな声も出せんのか。


「仕事がなんもねーなー……」


「……あるだろう。ほら、この子守の仕事なんか、一日で三千ゴルだぞ」


「こっちの草むしりなんか、全部終えたら一万ゴルだぜ?」


 職業に貴賤は無い。それには納得しよう。仕事の内容にだって貴賤は無い。

 しかし、報酬に貴賤はある。

 日々の糊口は凌げても、滅びた台所を蘇生させる代金にはならない。


「はぁ……とりあえず、オレは草むしりやるわ。お前は何する?」


「子守しかなかろう……。魔物退治なら大得意なのだがなぁ……」


 もう絶滅したもんを退治するとか無理だろ。

 ああ、けど、もっと報酬のいい仕事があればいいのに。

 ドカンと稼げるような仕事は無いのかねえ……。


 郵便配達の仕事とかなら転移魔法にテンプラーフライヤーを使えば、速達便とか出来るんだけどな。

 とは言っても、今は荷物のお届けの依頼は出てない。

 それに、郵便配達します、なんて営業を始めたら大変な事になるだろう。

 

 基本的にこの世界の郵便配達は、郵便ギルドというギルドが行っている。

 配達ギルドは安定して必ずや手紙を送り届ける為だけに設立された王侯貴族御用達のギルドだ。

 庶民でも利用出来るが、その王侯貴族が最も利用しているだろう。

 

 絶対の秘密を約束し、迅速に手紙を送り届ける。それが郵便ギルド。

 そしてだが、ギルドの既得権益を害するのはとんでもなく危険な行為だ。

 郵便配達を、郵便ギルドよりも早く、確実に届けるような真似をし始めたら確実に消される。

 

 既得権益を損なう者、あるいは恐れのある者は絶対に許さない。それがギルドって言うものだ。

 やり過ぎなければ大丈夫だろうが、郵便配達を主な生業にするのはヤバイだろうな。

 

「まぁ、とにかく、オレは草毟り行ってくるわ。お前は子守頑張れよ」


「ああ、分かっている」

 

 そう言うわけで、いったんそこでレンと別れてそれぞれの仕事場へ。

 草むしりか……初めてやるけど、まぁ大丈夫だろう。

 

 

 

「どうしてこんなことになってしまったんだ……」


 赤々と燃える焔。

 地を舐めつくすかのように延焼を続ける火炎。

 その焔は、オレが握る武器から発せられている。


 火炎放射器。そう言われる武器である。

 

 その火炎放射器からは燃料が発射され、それに着火する事で、庭にある草が次々と燃やされていく。


「どうしてこんなことになってしまったんだ……」


 なんとなく言ってみてるだけで特に意味は無い。

 にしても、火炎放射器で雑草の駆除って楽だなぁ。

 まぁ、オレの使ってる火炎放射器って雑草の駆除用のものじゃなくて軍用のものだしな。

 

 ……ファンタジー世界で22世紀の軍事兵器なんか使っていいんだろうか。

 最初はそう思ったのだが、まぁ、今更手遅れだろう。

 この世界に来て以来、こういうの使いまくってたしな。

 最初の頃はチキンだったから銃器しか使わなくてな。

 剣使った方が強いと分かってからは剣を使うようになったけど。

 

「タカヤさーん、だいぶ終わりましたかー?」


 と、背後から呼びかけられて振り向くと、オレが雑草駆除をしている家の中から、依頼主が呼び掛けていた。

 その依頼主とは、アリシアちゃんの護衛を務めていたイリーナちゃん。

 こんな偶然もあるもんなんだなあ、と驚いた。

 

「もうちょっとで終わるよー」

 

 さて、その呼びかけにそう返事を返しつつ、オレはイリーナちゃんの家の庭を見渡す。

 雑草は殆どが焼き払われ、大半が綺麗になっている。

 あと十分足らずで残りも終わるだろう。

 これで一万ゴルなら案外楽な仕事だったかもしれない。


「ご苦労様ー。ほんとはアシュリーに頼もうと思ったんですけど、アシュリーも仕事が忙しくて」


「あー、いいよいいよ。ちゃんと報酬は貰うわけだしねー」


 アリシアちゃんがオレの家に預けられた事で、イリーナちゃんとアシュリーくんは仕事がなくなった。

 とは言っても、すぐさま解雇されたわけではないらしい。

 アシュリーくんは今は主に力仕事をしたりとか、そう言う仕事をしてるらしい。

 で、イリーナちゃんはやれることも無いんで、休職中なんだそうな。


 そして滅多に帰って来ない家に帰って来たので家の整理をし始めたらしいのだ。

 庭の草むしりはその一環らしい。まぁ、この広さじゃ一人じゃ終わんないしな……。


「ふぅ……あちぃな」


 火炎放射器の熱に汗を流し、それを手の甲で拭う。

 さすがに疲れた。まぁ、これも報酬のためだ。頑張ろう。

 ……なんでこんな苦労してるんだろ、オレ。

 文句言ってても終わんねえし、さっさとやるか……。

 

 

 

 そうして仕事が終わり、報酬の一万ゴルを受け取って帰ろうとしたところで、よかったら昼食でも、と引き留められたが、そこでアシュリーくんが帰って来た。

 護衛の仕事じゃなくなったので、時間的余裕が増えたから昼休みに帰って来れるようになったらしい。

 

 二人はこの家で暮らしてるんだとよ。関係を聞いてみれば恋人との事で。

 ケッ、リア充爆発しろ。

本日のお前が言うなスレはここです。


なお、今後は17時に予約投稿をすることといたします。

余裕が出来れば1日に数話の投稿をしますが、基本的に1日1話と言うことになると思います。

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