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だらり異世界生活記  作者: 国後要
郵便配達編
36/128

我が家は壊れて行く

 家に帰ってきたら、台所は直っているのにリビングの壁に大穴が開いていた。

 何を言ってるのか分からないと思うがオレにだってさっぱり分かんない。

 何があったのか教えて欲しい。

 

「……レン、何があったんだ?」

 

「た、孝也か……いや、その、なんだ……すまん……」


「いや、すまんじゃなくてな……」

 

 反応を見るに、これはレンがぶっ壊したのか?

 そう思ってアリシアちゃんを見ると、べそべそと泣いていた。

 

「あうあう……ごめんなさいタカヤ……わざとじゃないの……」

 

「ああ、いや、まず、何があったのか教えてくれないかな?」

 

 アリシアちゃんもこの惨事に加担してたってことか?

 いったい何があったと言うんだ……。

 

「レン、順序立てて、何があったか教えてくれないか?」


「ああ、実は……昨日お前たちが出立した後、軽くアリシアと剣の稽古をしていた時のことだ」

 

「ほう」


「アリシアには本気でやるように言って、私はそれの相手をしていた。実戦形式の稽古という奴だ」


「それの興が乗ってこうなったと?」

 

 レンは戦闘狂の気があるわけでもなく、むしろ出来るだけ戦闘は避ける性質だ。

 侮辱されたりとかしたら別だけど、そこらへんは国の風習なんだろう。

 だから、興が乗ってこうなったとは思えないんだが……。

 

「いや、アリシアが放ったスキルが壁に穴を空けたんだ」


「え、こんなでっかい穴を? アリシアちゃんいつの間にそんなに強くなったの?」


「ち、違うよ。空けちゃった穴はもっと小さかったの」

 

 まぁ、そりゃそうか。

 

「まぁ、小さい穴だし、とりあえずは土でも埋めておいて塞ごうとして土を埋めたら……」


「埋めたら?」


「なぜか次の日にヒビが入っていた」

 

「あー……土が凍ったんだな、たぶん……」

 

 小さいヒビの入った石に水をかけて凍らせると、凍った水がヒビを広げてしまう。

 たぶんだが、そのヒビに土の水分が入り込んでヒビが大きくなったんだろう。

 けど、なんでこんなデカくなったんだ?

 どう見ても人一人通れるサイズだぞ。

 

「これは拙いと思い、他の個所にヒビが広がらないようにその部分の石だけを取り外そうとしたんだ」


「ははぁ、けど、あれはセメントで接着してあるぞ?」


「ああ、だから、私が刀で切ってやったんだ。その……【魔絶】で」

 

「切れ味は凄いからなぁ」


 何しろ魔王を切り裂いた刀だからな。

 こんにゃくだって切れる名刀だ。斬鉄だって楽々だ。


「そしたら、なぜか石材が腐り落ちた」

 

「え、なんで」

 

 この石材生物由来なん?

 石灰岩じゃあるまいし。

 

「分からん。もしかしたら、石すら腐らせるほどの力を得たのかも知れん。見ろ……凄みを増しているように思えんか」

 

 そういってレンがアイテムボックスから魔絶を取り出して見せる。

 ……なるほど、確かに鞘に納めてあるのに、ゆらゆらと陽炎のように妖気が立ち上っている。

 もしかして、魔王が復活しかけてるから……?

 

「確かになんかヤバそうな雰囲気が増してるな」


「そのせいで石材が腐り落ち、壁が崩れ……ご覧のありさまだよ!」

 

「逆ギレすんな。まぁ、仕方ないっちゃ仕方ない……」

 

 たぶん、オレの所為だし……。

 

「まぁ、わざとじゃないんだし、これに関しては許すよ。ほら、二人とも正座はやめな」

 

「い、いいのか?」

 

「あ、ああ。いいから、上目遣いはやめろ」

 

 レンにやられると、普段とのギャップで破壊力が凄い。

 

「ほら、二人におみやげも買って来たしな。ほら、きれいなロザリオだろ?」

 

 買ってきたお土産を取り出して二人に見せてやる。

 

「わあ……ほんとだ、きれい。もらっていいの?」

 

「もちろん。はい、首にかけてあげよう」

 

 アリシアちゃんには青系の宝石が使われているロザリオをかけてあげる。

 すると、すぐに嬉しそうな顔をして抱き付いて来た。

 

「ありがとうタカヤ! 私、だいじにするね! ね、ね、似合う?」


「おー、似合う似合う。どこの聖女様かと思った。修道服を着れば、すぐにでも神官になれるに違いない」


 あのアホが主神の宗教だからな。すぐにでも神官になれそうだ。

 さすがに馬鹿にし過ぎか?

 さておき、次はレンだな。

 

「ほら、レン、こっちはお前にだ」

 

 レンには赤系の宝石が使われているロザリオだ。

 手を差し出してきたが、無視して首にかけてやろうとする。

 

「お、おい、なぜ首にかけようとする」


「これは首にかけるものなんだ」


「自分でかける!」

 

「いや、オレがかけてやる。遠慮するな。それとも力づくが好みか?」


「くっ……」

 

 大人しくなったのでロザリオをかけてやる。

 

「似合うぞ、レン。かわいいじゃないか」

 

「ばっ! 馬鹿者が!」

 

「ありゃ」

 

 怒ってしまった。うーん、レンはアリなんとか教徒じゃないしなぁ。

 ……数珠買ってきた方がよかったのかな? でも売ってなかったし……。

 

「まぁ、とにかく、ただいま」


「うん、おかえり、タカヤ」


「む……お、おか、おかえり……」

 

 うん、やっぱりこの三人が居ると帰って来たって感じがするなぁ。

 まだ三人で暮らし始めて三日も経ってないのに。

 ってか、三日も経ってないって方が驚きだな。色々あったし。

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