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だらり異世界生活記  作者: 国後要
そろそろ章タイトルが思いつかなくなってきた編
120/128

またがいてぇ

 家に帰って来て、だらだらと過ごしていたオレ。

 そんな最中、オレはある閃きを得た。

 天才的な、とある方法をな……。


「ジル、オレは天才かもしれない」


「いきなりどうしたの」


「オレは天才的な方法を思いついたんだ。見ててくれ!」


 そう言うと同時に、オレは魔法を使って分身する。

 トモエさんに教えてもらった実体を伴った分身だ。

 もう一人の自分を創り出す超高度な魔法で、本当ならオレの技量じゃ使えないんだがな。

 大量の魔力を消費する事で無理やり使用する方法があるので、全魔力を消費して発動した。

 これだけの魔力を注げば、オレの半分くらいの能力はあるだろう。


 なにより、この分身が凄いところは時間経過で消滅しない事だ。

 消耗した魔力なんかは時間経過でちゃんと回復するし。

 まさにもう一人の自分を創り出す魔法なのである。


「よし、オレ! お前は性転換薬を飲め!」


「え、やだよ! お前が飲めよ!」


 クソッ、二人ともオレだからやりにくい!


 ひと悶着あったが、何とかして分身を説き伏せて性転換薬を飲ませた。

 無論、ジルの協力も得て、獣化薬などもチャンポンしてだ。


 さて、見事に幼女に変身したオレに対し、アイテムボックスから取り出したウェディングドレスを突き出す。


「さあ、オレ二号! いや、高音! このドレスを着てトモエさんところの嫁に行け!」


「タカヤ、なんでドレス持ってるの?」


「トモエさんに貰った」


 オレ用のウェディングドレスまで縫ってたんだよ、あの人。

 トモエさんと結婚する気満々だったから、余裕で受け取ったけどさ。


 さて、そんなわけでキッチリと高音にドレスを着せて、花嫁姿に。

 うん、何処に出しても恥ずかしくない花嫁だ!


「よし、高音! 幸せになるんだぞ!」


「おう! アバヨ!」


 そんな感じで、高音はトモエさんのところに嫁に行った。




 それが一昨日の事。

 昨日はトモエさんの結婚式に参列した。

 しかし、自分の分身が花嫁の結婚式に参列って変な気分だったわ。


 で、嫁に行った高音がなぜか帰って来ていた。


「お前なんで帰って来たんだ? というかやつれてるけど何があった?」


「またがいてぇ」


 ああ、新婚初夜か……。


「お前が受けだったの?」


「そう言う生々しいこと聞くのやめて」


「サーセン」


「まぁ、実際オレがウケだったわけだが」


「ほー」


 見た目的に8歳くらいだから相当ヤバい絵面だが、実年齢18歳だから大丈夫。

 本作の登場人物は全員18歳以上です。

 シエルちゃんたちが10歳な理由?

 あー……えーと……そう、幼児プレイなんだよ。

 だから問題ない。


「で、なんで帰って来たんだ?」


「軽く剣の練習でもしようと思ったら、アイテムボックスが空っぽだった」


「そりゃお前はオレの分身だし。まぁ、実質別人だけど」


「マジで?」


「ああ。記憶は同一だけど、お前の精神性はオレとは別物だ。女である事に違和感ないだろ?」


「言われてみれば……」


 分身を創り出す時に、高音側の精神を多少弄っておいた。

 男性意識と女性意識の比率を変更して、女性意識を強くしたのだ。

 恐らく、高音は女性である自分に違和感を抱いていないだろう。


 つまり、高音は完全に女性だと言う事だ。

 元々魂は存在しないので、肉体への拒否反応は無いし。


 この辺りを弄ったせいで思念通話くらいしか出来なくなったのだがな。


 しかし、オレはなんでこんな事したんだろ?

 トモエさんが寂しそうだったから、かねえ?

 あの人もあの人で、常人とは別口の苦労をしてる人みたいだからな。高音が居れば、少しは寂しさも和らぐだろう。


「ま……なんでもいいやな。で、剣だったな」


 言いつつ、アイテムボックスから数本剣を取り出して高音に渡す。


「ほれ、これでいいだろ」


「おう、さんきゅー。」


 ついでにポーション系とかも幾らか渡しておくか。


「ヒールポーションにマナポーションにスタミナポーションに、ついでだからリバイブポーションに……えーと、それから魔法の触媒に、武器の修繕キットに……っと、こんなもんか?」


「ありがてぇありがてぇ。これでいざって時には戦えるな。まぁ、戦うような事は無いと思うが」


「だな。何かあったら本体のオレ呼べよ」


「分かってる」


 感覚とかその他諸々は共有してないが、思念通話くらいは出来るからな。

 テレポートもオレ自身だから、特に座標指定無しですぐにテレポート出来る。

 高音の救助体制は万全だ。


「ついでだから、記憶共有しとくか?」


「いや、今のところはいいだろ。特に何か変わった事があったわけじゃないし」


「そーだな」


 何かあってから記憶共有しても遅くないか。んじゃ、問題なし、と。


 その後、トモエさんのところに帰って行った高音を見送り、再びだらだら。

 ヤる事やってんのは分身が先かー。

 まぁ、女側でだけど。

 待てよ? ってことはオレは童貞でありながら非処女なのか?

 ……なんかいやだなぁ。


「ま、幸せそうだからいいか……。子供も出来るといいな」


 ちなみにこの世界では同性同士でも子供作れます。

 同性婚が許可されてるのも、その辺りの理由があるからな。

 なお、同性同士で子供作る場合は特殊な魔法儀式で妊娠するので、ヤレば出来るわけではない。


 高音は見た目はいいのだし、トモエさんとの子供ならきっと可愛い子供だろう。

 ……待てよ、これは童貞が妊娠したと言う事か?

 童貞懐胎か……なんてひどい響きだ……。


「アホくせぇ……さて、何すっかなぁ」


 高音が帰って行ったせいでヒマだ。うーん……。


「そう言えば、ジルの結婚式の準備しないと」


 結婚式ラッシュだなぁ。なんて思いつつ、オレはあちこちに連絡を入れ始めるのだった。

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