やってられない!!
私と鷹くんの結婚式まで一ヶ月を切りました。
私は式までには、きっと死ぬことになると思います。
だって、式が決まった翌日から萩さんを筆頭に私に「北の方の心得」のような事を教え込まれています。・・・辛いです。しんどいです。死にそうです。
だけど、萩さんはまるで「水を得た魚」のようにイキイキしています。
そして、私には萩さんの顔が・・・・・般若のようです。決して言えません。怖いからです。
そして、今日は「貴族言葉」の稽古なのです。
私は別に貴族言葉を話せなくても良いんです。それに、咲ちゃん、楓ちゃん。康くん、友くん。ぐらいしか逢わないと思うからです。
ただ、鷹くんの妹の初音さんは逢うかも。彼女は咲ちゃん顔負けの毒舌です。
さすが、鷹くんの妹さん!兄妹、良く似ておられる。
それに、初音さんの旦那さんの直哉さん。きっと初音さんの猫被りに騙されていると思う。
顔は綺麗=心も綺麗。そんな事は絶対ない!でも、楓ちゃんは別よ。
あの子は顔はカワイイ。心は純情!
「凛様。今日は言葉のお勉強で御座います。」
「ハイ。」
「凛様には『立派』な北の方様になって頂かなくてはなりません。良いですか!凛様。」
「・・・はい。」
「ご主人様が帰って来られました。『お帰りなさりませ。旦那様。』です。さあ、凛様言って下さいませ。」
「お帰りなさいませ。旦那様。」
「凛様。気持ちが籠もっておりません。」
ーーーー省略ーーーーー
「萩さん。今更こんな事練習してどうするの?もう、良いでしよう!」
「凛様!何を仰いますか!桐家は大貴族のお家柄です。鷹明様に恥を掻かすおつもりですか!!」
「だって~~~!疲れたよ~~~」
「凛さま!!真面目にお願い致します!」
「萩。もう良い。凛が疲れておる。」
「鷹明様! あなた様がそのような事で宜しいのですか!桐家の北の方様になる凛様がこのような事で宜しいのですか!」
「・・・・・・・・・・・・」(鷹明。凛」
「本当に・・・・凛様には甘いで御座います。」
「凛。今、戻った。」
「鷹くん。お帰り!!」
「凛様~~~~!違いますでしょう~~~!」