歌、歌ってどんだけ価値があるの?
私は焦っています。
鷹くんと参内した時に上司に言われた「歌会」本当に胃が痛い。
私の歌っていい加減だし。お話になりませんよ。
今までだって散々、笑われてきたのに鷹くんはまた、私に恥を掻かせるつもりなのか?
きっと、あの上司のことだ。何が何でも参内行きだろうな~~。
きっと、鷹くんとその友達とみんなで特訓なんだわ。多分。
頭が痛いし異も痛い。
本当に、この世界って「歌」でその人の価値が分かるらしいけど現代人の私には分からん!
はっきり言って迷惑な話し。
昔の人って教養も必要だったけど、現代人の私は生活力の方が大事な気がする。
なんせ、何時の時代も平民あっての生活。
今の帝(天皇)さんって結構な人だと思うのよね。それに暢気な気もするわ。
現代とは大違い!だから、武士の世の中になって行くのよね。
そうそう、歌!
今日の午後から皆さんが揃う。私の勉強会って言う名目で。
一番乗りは友くん。
「また、これは、これは凛殿。相変わらずお綺麗でいらっしゃる。」
「いらっしゃい!友くん、相変わらず口が減らないわよね。ところで楓ちゃんは元気?」
「楓は元気ですよ。何時も凛殿の事を話していますが。」
「そう。ところで今日は宜しくね!」
「はい。私も楽しみにしていたのですよ。実は。フフフフフ・・・・」
本当にイヤな感じ。まぁ、楓ちゃんが良かったんだから私には関係ないけど。
そして、康くんと咲ちゃんも来てくれました。
「凛ちゃん。また、大変なことになったのですね。わたくし、康紀さまから聞きましたわよ。」
「そうなの。咲ちゃん、助けてほしいわ!」
「大丈夫で御座いますわ!凛ちゃんなら楽にクリ・・出来ますわよ。ホホホホホ・・・」
「そうですとも!凛殿の読まれる歌は中々興味深いものがあります。」
「・・・・友くん、私の歌が興味深いと?」
「・・・・・凛。もう良いではないか!皆、忙しいところを集まって来てくれているのだから始めよう。」
「ねえ、鷹くん。どんな歌を読んだら良いの?」
「そうだな~~~・・・」
「凛殿。それは旅に行かれた歌が良いと思いますが。」
「康くん・・・・そのほうが良い?」
「凛ちゃん。わたくしも康紀さまと同じですわ。上司様は多分、旅の様子を伺いたいのではないでしょうか?」
「そうだ!俺もそう思うぞ。凛殿、旅は如何であったのですか?」
「・・・・・・楽しかった。キャ~~!!恥ずかしいわぁ~~~!ねえ、鷹くん。」
「・・・・・・・・(ポッ!)」
「・・・・・・・??・・」(全員)
「・・・・まぁ、楽しかったのなら尚更、その時のことを読んだら如何か?」
「友くん!そんな簡単に言わないでよ!歌にするのは難しいんだからね!」
「・・・?何故。難しいのですか?」
「・・・・・・・まぁ、良いじゃない!」
「凛ちゃん。その屋敷の周りを散策されたのですか?」
「うん。したよ。良かった。竹林でしょう、小川でしょう、山の景色でしょう。沢山あったのよね。」
「では、その景色の事を歌にされたら如何か?」
「・・・・・・・!康くん。そうよね~~~!!了解!」
「りょ、りょう・・・・?」(友親。康紀)
私は北山の事を思い出したんだけど、何が一番、思い出になったんだった?
竹林は立派だったなぁ~~。それと、直ぐ手に届きそうな山でしょう。う~~~ん・・・
「凛。そんなに考え込むな!普通で良いのだから。お前が感じた事を読めば良い。」
「じゃあ、竹林で行くわ!」
「凛殿。竹林などと珍しいものですねえ。どの様な歌になるのか。(ニヤニヤ)」
「友くん!良いでしょう!私の歌なんだから。(フン!)」
(凛。やはり、未来が恋しいのか!)
(凛殿。やはり月に帰りたいのであろうか?)
(凛ちゃんって竹林でどんな歌が作れるのかしら。まだ、山とか川の方が簡単なのに。)
「ところで、ねえ、誰か山でも川でも良いから私に『例』を言ってみて!」
「では、私から。『日が落ちてまで 鳴く山鳥 明日もまた』どうですか?」
「やっぱり、康くんの歌だわね。優等生だわ。」
「では、俺『月欠けて 今宵も静かな 寄り添う我等』どうですか?」
「・・・・・友くんのスケベ!!」
「では、凛殿。読んで頂けるかな?」
「・・・・友親も凛もそうムキになるな。」
「・・・・じゃあ、私!『竹林を見て思ひ出す 麻呂の姿 チンチクリン』」
「プッ!ホホホホホ・・・・凛ちゃんったら~~~もう、イヤですわ~~~!」
「・・・・・?・・・・・」(友親。康紀。鷹明)
「凛。チンチクリンとは?」
「チンチクリンはチンチクリンよ。鷹くんは分かるでしょう~~。咲ちゃんは分かったんだから。」
「友親、康紀・・・分かったか?」
「いや。分からぬ。」
「・・・・・凛殿。歌は皆に分からないといけない。あなたの価値が下がりますぞ。」
「価値って何よ?歌でその人の価値が決まるわけ!信じられないわ~~!」
「凛殿。月の世界は知らぬが、この世界は『歌』が全てなのです。あなたも鷹明に教えて頂いたら如何だろう。」
「まぁ、まぁ。友親様も大人げないですわよ。凛ちゃんは一生懸命に作られたのですから、わたくしは良いと思いますわ。この歌は。これで、上司様もお喜びになられます。」
「そう!さすが、咲ちゃんだわ!これで、今日のレクチャーは終わり!」
良かった~~!咲ちゃんも私が作った歌を褒めてくれたんだから、これでバッチリだわ。
凛ちゃんって・・・・まぁ、あの上司でも意味が分からないでしょうね。凛ちゃんの歌を聞いて、あの上司はどう応えるでしょうね。私もその場面を見たいですわ。ホホホホ・・・・・
その後、殿方達の会話で。
なぁ、鷹明。先ほどの凛殿が読まれた『チンチクリン』とはどのような事だ?(康紀)
そうだ!俺も聞きたい!やはり月の言葉か?それと、レク・・・レクなんとかと言う言葉も。
だが、咲子殿は分かっていたぞ。『チンチクリン』が。そして笑われていた。
何故、咲子殿は月の言葉が理解できるのだ?(友親)
知らぬ!
俺にも分からん!咲子殿は何時も凛といるからだろう!咲子殿も凛の言葉を教えて頂いておられるのではないのか?(鷹明)
そのようなものなのか!(鷹明。友親。康紀)
そうだ!あの『麻呂』とは?(友親。康紀)
『麻呂』・・・・・アレは上司のことだ。だが、内緒だぞ!お前達。
コクコク(友親。康紀が首を縦に振る)
よし!解散だ!(鷹明)
『解散』って何だ?康紀、知っているか?
知らん!




