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第8章 ~邂逅Ⅱ・乙女心と真実と誓い~

場所はかつてのティターニア家跡に戻る。



リンはまず改めて自己紹介をし直す事にした。


「では改めて自己紹介致します。

 わたくしは虹の派閥、第83独立女性魔法騎士部隊、戦乙女バルキリー隊に所属しております。

 バルキリー隊は全10師団存在し、各団50人で構成されています。

 わたくしはその内の第3師団に席があり、その師団長をさせて頂いている。

 リンディス・N・F・ティターニアです。

 桜剣舞のリンディスの異名で呼ばれていますね。」



「師団長!

 その上異名持ちって!」5人


異名持ち・・・・・・

異名はSSSトリオランク以上の高位術師の中でも特に特徴的な術士に与えられる。

高位術師の中でも極一部の非常に優秀な術師しか持っていない為、異名を持つ事は一般術師からすれば一種の恐怖の対象で有ったりする。

虹内部でも30人程度しか存在しない事もその原因でもある。

フロルドや四皇も当然異名持ちである。


「それほど驚か無くても・・・。

 わたくしの異名などたいした事など有りません。

 ・・・・・・話しを戻しますがわたくし魔法マジックランクはSSデュオ武術スキルランクはSSSSカルテッド

 ランクアベレージはSSSトリオとなっています。」


ランクアベレージ・・・・・・

術師としての能力を示すもので一般に知られる術師のランクはランクアベレージ(以下R・A)である。

R・Aは魔法ランク(以下M・R)と武術ランク(以下S・A)の平均値で示される。

例えばM・RがDランクでS・RがBランクならR・AはCとなる。

またM・RがAでS・RがBならR・Aは低い方に評価されBになる。

M・R、S・R共にランクの選定はR・Aと同じD~SSSSSクインテッドになる。


5人は軍学校の関係者であったため当然ランクの概念は知っていたがメイリン意外この場では全員が同世代。

ましてリンはどう見ても見た目は年下にしか見えない。

そんな少女のランクが自分達より遥かに高い。

その事実に改めて衝撃を受けていた。


「・・・R・A、SSSトリオか・・・。

 学園の首席取るような人でもAか天才扱いされる生徒でもソロランクが良いとこ何だけどな~。」ジン


「そうね。

 その天才扱いされる生徒の遥か上何て。

 ・・・我が幼なじみながら呆れる程の超天才ぶりね。

 才能無いな~私。」ソラ


そう少し寂しそうに呟いた。


わたくしの力はわたくしの才能で得た者では有りません。

 お兄様の指導に依るものです!」リン


ソラ達の若干落ち込んだ態度に少々慌てたリンは慌てて追加で自身の事を補足する。


「フロルド・・・様の?」ハース


「はい!

 わたくし達・・・青の翼。

 お兄様が創った孤児院の名前ですが。

 そこで暮らす子達は皆、お兄様からその子一人づつに合わせた指導を受けます。

 その子の意思にも選りますが眠っている才能に合った訓練を積ませて頂けるのです。

 結果、短期間で才能が開花していきますね。

 勿論魔法や武芸以外にも炊事や鍛冶、行商等に関する事を学んだ子も居ます。」リン


「そんなに色んな事を一人で教えてたの?」ノバァ


「そうです。

 ・・・と言いたいのですがお兄様はお忙しい方ですから。

 ほとんど独学ですね。」リン


「独学なら~やっぱり~リンちゃんの~才能だよ~。」メイリン


「いいえ!

 確かに独学なのですが・・・その時に使った物から言って完全な独学とはとても言えません。」


そう少し申し訳無さそうにリンは顔をしかめた。


「ど~い~事~?」メイリン


「武芸は別なのですが、それ以外はお兄様が個々人に最も適した教本を用意して下さいますし。

 武芸はそれぞれ近いタイプの人を集めてそれぞれに合った武芸の師を雇って下さっていますから。」リン


「それもう完全に軍学校じゃん!」ノバァ


「軍学校と言うよりは全寮制の総合学習塾といった所ですね。」


そう言ってリンは苦笑した。

それにソラは・・・。


「・・・ずるい・・・!」


と小声で抗議したが、それを聞いていたノバァは意地悪い笑みで。


「フロルド様に手取り足取り指導して欲しかったな~。

 Byソラ。

 な~んて思ってるんでしょう?」


などとソラをおもちゃにし始めた。


「うん!

 ・・・・・・・・・って、何でそうなるのよ!!」ソラ


「図星なんだ~。」ノバァ


「だか・・・違うわよ。

 そっ・・・そうよ違うわよ!

 さっきのは単にそんな良い環境で勉強できるリンが羨ましかっただけよ。」ソラ


その抗議の声にリンは、


「環境は確かに良いのですが・・・。」


と言葉を濁した。


「何かあるわけ?」ノバァ


「はい。

 ソラさんの言う通り物事を学ぶ環境はとても良いのですが・・・。

 わたくし達は皆、お兄様と同じく全員が身内を無くすと言う悲劇を経験しています。

 また孤児が高度な知識や技術を持つ事は余り歓迎されません。

 特にエリート集団である虹の幹部や貴族、豪族といった所の出身者は快く思っていません。」リン


「良~くある~話だよね~。

 だとすると~嫌がらせとか~妨~害とか~日っ常~的に~有るんだね~。」メイリン


「そうですね。

 特に孤児院には小さな子達や年頃の女性も大勢暮らしていますから。

 その子達を護りながらの訓練は想像以上に大変です。

 わたくしも昔襲われかけた事があるほどですので。

 それを踏まえればその困難さは想像出来るのではないですか?」リン


「そうだね。

 確かに想像できる。

 ・・・でも今、勧進なのはソラのフロルド様に対する感情(気持ち)なのよ!

 取り敢えずソラがフロルド様LOVEなのは確定したけど・・・。

 まだまだ肝心な事は何一つ判ってないんだから。

 さぁソラいい加減白状しなさい!」ノバァ


その台詞にリンは困惑して言葉を無くした。

ソラはソラで真っ赤になりながら否定するがノバァは学園での質問責めを再開し始めていた。

それを見たジンとハースはノバァに制止をかける。


「ノバァ!」


「今はソラの好きな人が誰か何て事関係ないんだから後にしろ!!」ハース


「何でよ?

 本当はジンだってその当たりはっきりさせて欲しいんでしょう!」ノバァ


「なっ!

 何でオレが・・・。

 そんなの関係ないだろ!」ジン


「言っちゃて言い訳。」ノバァ


そう今度はジンに勝ち誇った顔で耳打ちする。


「いっ、言っちゃてって・・・。

 なっ。

 何を・・・だよ?」ジン


「勿論~。

 ソラに~ジン君は~貴女の事、

 好っき!

 だ~って。」ノバァ


ソラは何処からどう観ても可憐なお嬢様なエリシアに対して。

少々キツイ所も有るが面倒見の良いお姉さんと言った風で後輩(特に女性徒)からの人気が高く。

クラス内でも男女問わず人気がある。

更にソラはエリシアに負けず劣らずの美少女でスタイルだけならエリシアより数段良かった。

その上成績も学年でトップクラスと正に三拍子揃った女性だ。

ジンはそのソラに惹かれている事をノバァは知っていた。


「やっ!

 やめろ!」ジン


「やめてください。

 ノバァ様!

 でしょう。」ノバァ


「たっ頼むから止めてくれ!」ジン


「だから~。」ノバァ


そこまで言った所で気圧され気味だったハースとリンが怒鳴り付けて二人を止めた。


「いい加減にしろ!」ハース


「いい加減になさい!」リン


「時間は限られています。

 今はその様な事に時間は裂けませんので話を進めます。」リン


その剣幕に圧されジンとノバァはたじろぎながら頷いた。

リンは見た目は兎も角、中身は凄まじく強い。

その覇気は一般人には十分な抑止力に成るのだった。

しかし意外な人物がその意見を否定した。


「待って!」


そう言ったのはノバァの追撃から逃れた事で冷静さを取り戻したソラだった。


「えっ?」リン・ハース


「ちょっとだけゴメンナサイ!

 これ以上話の腰を折らせる訳にはいかないのは解るけど・・・。

 何か違和感があるの!」ソラ


その意見にリンは感心しなから続けさせた。


「違和感とは?」


「此処には私達6人しか居ないはずよね?」ソラ


それにメイリンが頷く。


「なのに他にも人が居る様な気がするのよ・・・。」


そう言ってソラはリンを見た。

リンは目をつむり少し思案してから、


「皆さん、もういいですよ!」


そう周囲に呼び掛けた。

それに合わせて周囲から影が伸びた。

そこに居たのは明らかにまだ10歳にも為っていない子供を含んだ複数の人でその数は50人近くもいた。


「こんなに人が・・・!」


そうリンとソラ以外の4人が言ったが2人は無視して話を始める。

まず口を開いたのはリンだった。


「何時。

 気付かれたのです?」


「此処に来てすぐに視線は感じてた・・・。

 でも逸れよりもこの場所の方が気になっちゃってそっちをまず聞いたの。

 でも・・・・・・。

 その後の話の内容が衝撃的過ぎてノバァが変な話を振るまで忘れてたのよ。

 それでこの人達は一体誰?」ソラ


「この子達は私の義弟、義妹達です。

 つまり皆、孤児院に居る孤児達ですね。

 孤児院ではわたくしが最古参の院生に当たります。

 院では年齢に関係なく永く院で生活している方が年長者扱いされています。

 その為、わたくしが此処では長女と言う事になります。」リン


「どうしてそんな子達が此処に?」ハース


「そんなん孤児院を脱出した言う以外考え様ないや無いか!」


そう言って割って入った関西弁の男はガゼル・ジオット。

リンと同い年の青年で虹の派閥と友好関係にある騎士団・紅蓮クリムゾンに所属する孤児院育ちの騎士だった。


「ガゼル!

 今、割って入られると話が複雑化します。

 申し訳ありませんが黙っていて下さい!

 まったく、そういう所が有るのでお兄様は議会などに貴方を連れて行けないのです。

 よくお兄様が、


 『貴方のそう言った所が治れば騎士としてもっと伸びるのに!』


 と嘆いておられるのは貴方も知っている筈ですよ!!」リン


リンのガゼルに対しての第一声にソラは面食って目を丸くしていたが当のガゼルはまるで他人事のようにリンの話を無視して続ける。


「そんな怖い顔ばっかしとると兄貴に避けられるんちゃうか!

 そんで・・・オレはガゼル・ジオット。

 紅蓮騎士団所属の騎士様や。

 よろしゅう頼むで。」


「大きなお世話です!

 それとこれ以上邪魔をしないで下さい。」


そう言ったリンの目は据わっており。

それを見たノバァ達は完全に畏縮してしまっていた。


「リンディス。

 兄チャン達怖がってしもたで!」ガゼル


それを聞いてリンは自分の態度に気付き少し頬を赤くしながら咳ばらいをして話をもどしに掛かった。


「コホン!

 えー。

 この子達が此処に居るのはガゼルが言った通り孤児院を脱出したからです。」


それにジンが


「何で脱出なんかしたんだ?」


そう聞き返した。


「それはね~さっき~リンちゃんが~言った~フロルド君の~派閥での~立場の~せいね~。

 孤児院は~派閥に~とって~目の上の~たんこぶ~だったのね~。

 でも~フロルド君って~後ろ盾が~無くなったからね~。

 何時~鷹派の~標的に~成っても~おかしく~無かった~って~ことね~!」


そうメイリンが説明した。

それに静かに頷きリンはゆっくりとした口調で一つの事実を告げた。

その事実にソラは人生の選択を迫られていた。

しかし同時にある人物にとっては此処までの展開は予定通りであった事に誰一人気付いていなかった。

そのどす黒い思想と共に・・・。


早速ですがソラちゃん滅茶苦茶遊ばれてます。

書いてて少々可哀想に成りました(でも、止めない)。

しかし、ソラちゃんは進行上、非常に重要な人なので多少虐められるのは仕方無い(登場期間短い人達の意趣返しだ!頑張れソラ)。

てな、章ですが他にも展開上の設定も書いてます、徐々に激動の展開が始まる・・・筈(疎覚えの記憶なので[確認してません]間違ってたらスミマセン)。

では次の更新でお会いしましょう。

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