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第12章 ~紅の台頭・見える繁栄、見えざる衰退⑧~

遅くなりました12章8話です。

~共和国領南西部イルミネス山脈~


イルミネス山脈は帝国と共和国の帝国から見ると南東部、帝国から見ると南西部に位置する霊峰ブリトマルティス山からほぼ南北に一直線に走る山脈でその険しさから大陸の盾とも呼ばれ、同時に二国間を隔てる国境でもあった。

その麓に数人の人の姿があった。

と言っても珍しい訳では無い、ブリトマルティス山は霊峰の名に恥じない多大なマナを周囲に湛え同時にその峰に多くのスポンジの様な腐葉土を持つ為、多くの水をその身に宿し、非常に優れた植物の苗床でもあった、故に動物達にとっても正に楽園であった、そのせいもあって意図的に山の深部に踏み込まない限りは人種にとっても非常に住み心地の良い土地である。

しかし、かと言ってそこが険しい山脈地帯である事に変わりは無く、態々、甲冑を全身(・・・・・)に纏った軍人(・・・・・・)が来る所では無い。

たとえそこが少数とは言え実在する山岳地帯に住む自国民を脅威に曝す魔物モンスターの庭であってもだ。

他の場所・・・例えば街道沿いで同じ様な土地の条件なら魔物の定期討伐に国は軍を派遣するだろう、しかし、この地はその条件に当て嵌まらないのだ。

そんな場所に軍人が居ればどれ程鈍感な人間でもなにかを察する事が出来るだろう。

しかし彼らはその場所に着くまでそういった視線に曝される事は無かった何故なら彼らは誰一人として生きた人間(・・・・・)には会わなかった(・・・・・・)のだから。

そう生きた人間には会わなかった、詰り死んだ人間には会ったと言う事でもある。

例えそれが自分達が会う数瞬前まで生きていた人間だったとしても、彼らが生きた人間に会わなかった事は事実だった。

自分達が原因で死なせたのだとしても。


「軽く2~300は死んだな。」兵士1


「そうね、でも、例え作戦とは言え、自国民を殺すのは気が引けるの。

 お願いだから今は作戦が終わるまでもうその事は口にしないで。」兵士2


そう口にした兵士の言葉通りの行動と結果。

それが今彼らが此処に居る事の意味だった、判っていたのだ彼らが此処に来る事は決して誰にも知られる事の許されない事柄である事は、当然、罪悪感が晴れる訳もなく鬱屈した精神状態のまま彼らは自分達の戦いに赴く、奪った命を無駄にしない為に、この戦争に勝利を齎す為に。

この作戦の指揮官はバンだった、バンの目的は単純だ、在る筈の無い場所からの敵国への奇襲及び周辺部の制圧是のみだ、その方法はシンクレアの変の折に使用して見せた兵の大量転位、それの実行の為の下準備であった。

一度に大量の人間を転位させる方法は特定の条件を書き記した魔法陣を龍脈と呼ばれる高密度の魔力を湛えた場所に描き、コアと呼ばれる魔法発動媒体を決められた位置に決められた数を決められた質の物を設置する。

その後、始動言語アクセスキーと呼ばれる物を起動する事により発動する。

ただし、アクセスキーとは何も呪文で無くともバンが行った様に指を鳴らすや、鐘を鳴らすと言った特定の行動でもよい。

そういった準備の為に赴いたのがこの数人の兵士達だった。

彼らはこれから数日をかけてこの山を越える事になる。

しかし、忘れては成らないのが此処は霊峰と呼ばれると同時に魔境とも呼ばれている事、つまり、魔物も此処には住み着いていると言う事だったその中でも特に有名な物に氷人アイスマンが居るその中でも氷巨人アイスギガントと呼ばれる全長10mを超える種は一体一体の戦闘力が低くてもAはある為たった10人程度の集団で挑む様な場所では無い。

それでも挑んだという事はそれだけ彼らは強いという事に他ならなかった。


「レジアス隊長、このまま山に入りますか?」兵士2


「いや、もうすぐ日が暮れる、今日は此処で泊まる事にしよう、死体の処理と食事の用意を各人別れて開始しろ。

 それからリーゼは少し残れ、では解散。」レジアス


「了解。」兵士達





レジアス・・・

共和国の部隊長。

若手では屈指の有望株で武闘派。

指揮力はそこまで高く無いが隊の先頭で先陣を切るタイプの現場指揮官。




そう言って別れて行く兵士達を余所に副隊長であるリーゼはレジアスと対峙した。


「それで、何用ですか隊長。」


そう切り出したリーゼにレジアスは多少の間を置いた後に話し始めた。


「正直に答えてくれ、お前の見立てとして今回の任務の成功率はどれ位だと思う。」


それに数瞬考えた後にリーゼは答える。


「正直に申し上げて3割有れば良い方かと。

 理由を申し上げますと第一に魔境に踏み入るには人手不足の感があります。

 第二に人員の力量・経験不足です、魔境に入るにしては全体のランクが低すぎます。

 第三に時期です、今はこの地域は間もなく冬を迎える為に多くの魔物が冬眠の準備に多くの餌を求めています。

 したがって我々は山越えの途中で多くの魔物との戦闘を迎える事は目に見えています。

 正直に言って余り今作戦には賛同できません。」


そう言って上官の様子を見る、それには内心、この程度では退か無いだろうと覚悟しながら胸元に有るロケットの中の人物に思いを馳せる。

そこには一人のリーゼに似た美しい黒髪の若い女性の写真が入れられていた、そしてその下には別の写真(・・・・・・・)も飾られていた。

女性の内心を知らないレジアスはそのまま続けて口を開く。


「そんなに低いか?

 確かにリーゼの評価も分かるが2番目の隊の戦力は十分だろう、この隊のランクはA有るんだからな。

 それにこの地の魔物による被害は他の魔境に比べて格段に低い。

 実際、此処までは特に問題無く来れたしな。」


その評価に事前に姉からこの山に住む魔物の情報を得ていたリーゼは内心で、歯ぎしりしながらこの隊の隊長を罵倒すた。


『この馬鹿部下を無駄に死なせるタイプね。

 此処の被害が少ないのは、単純に山間民族は魔物被害を当然の物と考えているから報告が少ないのと、普通は滅多に奥まで踏み込まないから強大な魔物に出くわし難いからってだけ。

 ああもうとんだ貧乏くじ、でもこの情報は隊に提供は出来ないし、こりゃ全滅かな。

 せめてシルフィーだけでも助けたいなー。

 良いよね、お姉ちゃん。』




リーゼ・・・

共和国に所属する軍人、今回の作戦において副隊長の任に就いている。

しかし部隊長に知られていない独自の情報源があるなど謎の多い女性、姉がいるらしい。


シルフィー・・・

リーゼの後輩であり直属の部下。

リーゼにとっては初めての部下である為とても可愛がっている、共和国では珍しいハーフエルフの亜人。


皆さんごぶさてしてます。

2か月以上の更新停止申し訳ありませんでした。

だらだら謝っても仕方ないので本編について。

共和国の軍事作戦について書いた回です。

しかし内容を読んでもらえば判りますが失敗濃厚ですね、さてどうなるやら。

それと暗躍者追加誰の妹なんですかねーついでに何処の味方かなー。

てな感じの内容です、では又次話でお会いしましょう。

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