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10.魔法の特訓その一

「アルカさん!」


「久しぶりだね、ベルフェ様」


今日から魔法の特訓が始まる。

アルカさんが忙しい時も教えられたことを

この中庭で練習していてもいいらしい。

やったね、成長が早まるよ。


「さて、この間は魔力の知覚、

そして循環までをやっていたね。

感覚はどれくらい覚えているのかな?」


ふふ、これは自信がある。


「全部しっかりと覚えています。

あの日以降も練習していたので!」


「!それはいいね。

じゃあ今日はもう魔力の属性変換からで大丈夫かい?」


「はい、よろしくお願いします!」


「うん、いい返事だ。

じゃあ魔法についての講義も兼ねて練習していこうね」


属性変換か…。

わたしは何の属性魔法が使えるのだろう?


「まず属性についてだね。魔法には基本属性四つ、

火、水、土、風と上位属性四つの炎、氷、光、闇。

それと複合属性で雷や嵐などがあるんだ」


そうなんだ。

…あれ?複合属性だけなんで数があやふやなのかな?


「それは複合属性には無限の可能性があると

考えられているからだよ。

組み合わせは無限大、といってもメジャーなものは

今挙げた雷や嵐なんだけどね」


そういうことか。

嵐は水と風で、雷は火と風の複合属性なのかな。


「じゃあまずは属性が何なのかを調べようか。

この水晶に触れるとその光った色で

基本属性、上位属性が分かるんだ」


ふと思ったけど…属性は大体一人幾つだろう?

まぁ、とりあえずやってみようか。


「では触れてみて」


「はい」


うー…ちょっと怖いなぁ。

わたしとしてはどんな属性が来ても嬉しいけど、

怖いものは怖いしなぁ。


………よし、やろう。

属性なんでも来い!!

…ぺとっ


『承知したよ』


…へ?ってわぁ!!眩しい!

眩く光が溢れていたが、

十秒ほど経ってから光が落ち着いた。


目をあけると、

水晶の中は幾つもの色を含んでいた。

赤、青、黄、緑。そして(あか)(あお)、白、黒。

これってもしや………


「全、属性?」


アルカさんはとても驚いていた。

この世界では全属性は少なそうだ。


アルカさんは呆然としていた。


怖い、のかな。いや、怖いよね…。

だってこんなにも得体のしれない人──悪魔だから。

アルカさんの次の言葉を覚悟して待っていると、


「すごい、すごいよベルフェ様!!」


「へっ?」


今度はわたしの方が呆然としてしまった。


「わたしのこと、怖くないの?」


「何を言ってるのかな?そんなわけないよ!

確かに全属性持ちは今まで確認されてこなかった。

けれど、だからといって急に怖がるのは

おかしい事だとは思わない?」


その言葉が、今は無性に嬉しかった。

いつだって世界は少数に厳しいから。


「まぁ、私はどんなベルフェ様だって好きだよ。

というか、全属性って研究が捗りそうだね!

また機会があれば研究、誘ってくれると嬉しいな」


人に好意的に見てもらえたことが本当に嬉しくて、

わたしはつい、泣いてしまった。


「わわ、大丈夫!?

どこか痛かった?」


アルカさんはどこまでも優しくて、

わたしはもっと泣いてしまった。


「だい…じょうっ…ぶです。

ただ、嬉しくて…っ温かくて…っ」


「大丈夫大丈夫。

落ち着いて?私がいる、一人じゃないよ」


アルカさんは泣きじゃくるわたしの事を詮索せず

ただ慰めてくれていた。


その時のわたしの心はどこか温かかった。


この場所はわたしにも優しいと、

そんな場所を守りたいと、

わたしはこの時思った。

百合じゃないですよ?

とりあえず、アルカさんはお姉さん枠ですね。


まだちゃんとした特訓まで進めませんでしたが…

気長にお待ちいただけたらなと思います。

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