表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メン地下アイドル! めろらぶ!  作者: にゃんたろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/11

自慰と葛藤

 みちるはどうしていいかわからず、あたふたしているとレッスンルームの扉が開いた。

 中から出てきたのは、とーまだった。

 ほんのり頬が紅潮しており、若干息が荒い。


「みちるさん?」


 とーまがみちるを見て目を丸くする。


「こんな時間にどうしたんだ?」

「え、あー……うん、ちょっと仕事が残ってまして……」

「そうか。こんな遅くまでお疲れ様です」

「いえ、とーまさんの方こそこんな時間にどうされたんですか……?」


 みちるは気まずさを感じつつも、何も聞いていなかったかのように極めて明るく振舞った。

 とーまはちらりとレッスンルームの方に目をやり、苦笑した。


「……一人でダンス練習をしてた」

「そう、でしたか。練習熱心なんですね」

「あー……ああ」


 気まずそうにとーまが視線を逸らす。それから言いにくそうに続けた。


「このことはみんなには黙っておいてくれ」

「え?」

「俺は特段ダンスが上手いわけでもない。らきたちの足を引っ張っている自覚はある。だから個人練習をしていたんだ。それを皆には知られたくない」

「……分かりました。誰にも言いません。では私は邪魔しては悪いので先に帰りますね」


 何となく重たい空気に耐えられなかったみちるはそそくさと扉に向かう。だがその時、ふと視界に入った衣装に違和感を覚えた。

 数少ない彼らの衣装は普段ハンガーにかけられ、ラックに整列している。

 その衣装がただでさえ少ないのに、更に少なく見えた。


 思わずみちるはラックに歩み寄り、衣装を確認する。


「……あれ? らきさんのが、ない……?」


 そう呟きながら当たりを見まわすが、落ちているなどもない。忽然とらきの衣装だけがなくなっていた。


「とーまさん、知りませんか?」


 みちるが振り返ると、とーまは動揺しているかのように目を泳がせた。


「とーまさん?」


 とーまは観念したように息を吐く。


「らきの衣装ならこっちにある」


 そういってとーまはレッスンルームへと入っていった。みちるも小走りでレッスンルームへ向かう。

 ふとこの扉をくぐってはいけない、そんな気がした。


 だがもうそう思ったころには遅かった。


 レッスンルームでとーまがらきの衣装を拾い、伸ばしているところだった。その足元には丸まったティッシュが転がっている。


「これは俺が責任をもってクリーニングに持っていく」

「えっと……どういう……」

「個人練習は嘘だ。自慰をしていた」

「……はい?」


 確かに甘い声がしていたような気はした。だが一人だと聞いた時点でみちるのなかで予想していたものは違ったのだと自己完結していた。

 ところがここにきて思いもよらないセリフにみちるは気の抜けた声を出す。

 一方とーまはいたって真剣に次の言葉を紡いだ。


「俺はらきが好きなんだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ