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デートの計画はやりたいことが盛りたくさん

「えーと、夏はやっぱりプールよね。遊園地にも行きたいな。お弁当持って行けたっけ? それよりも近くの公園に散歩がてら行って、お弁当を食べる方がいいかな。そうだ、観覧車は港のそばのプラザのとこにして、冬のイルミネーションを楽しむのも有りじゃない」


 カレンダーと睨めっこしながら、メモ書きしたデートでやりたいことを、順序よく並べ替えていく。そうして出来上がったのが。



 春(四月から五月の間)公園デート

 お弁当を持って近くの公園へ


 夏(七月から八月)プールデート

 海ではなくて断然プール!


 秋(十月後半から十一月)紅葉デート

 景色の良いところへ二人で この時お弁当を持っていくのも有り!


 冬(十二月)イルミネーションデート

 出来れば港のそばにあるプラザの観覧車に乗りたい



 ニンマリと書き上げたものを見ていたら、後ろから伸びてきた手に予定表を持っていかれた。


「何してんの? ……って、これなに」

「何って、デートプランよ」

「デートプラン? これが? 具体的なものが何もないじゃない。というか、こんな妄想する前に、彼氏を作るのが先でしょ」


 ルームメイトに取られた予定表を取り返しながら、私は彼女のことを軽く睨んだ。


「いいでしょ。誰にも迷惑かけてないんだし。というか、妄想じゃなくて、イメージトレーニングだから」

「なーにがイメージトレーニングよ。その前に男子と話せなきゃ、これを作る意味はないんじゃない」


 痛いところを突かれてしまった。私は高校が女子校だったのと内気な性格のせいで、男子と話すのが苦手だった。

 先日のサークルの歓迎会でも、話しかけてくれた男子から逃げてしまっていた。


「う~ん、ベランダから紙飛行機を飛ばして、当たった人と付き合うとか?」

「バカなことはやめなさい」


 良い考えだと思ったんだけどな。私の性格じゃそういうきっかけでもないと彼氏なんてできない気がするのに。

 ため息を吐く私の肩を軽くポンポンと叩いたルームメイトが、いい笑顔で言った。


「大丈夫よ。出会いなんてあちこちに転がってるから。協力したげるから、一緒にバイトしようね」

「バイト……そうだった。よろしくお願いします」


 その言葉通りにバイト先で知り合った人と良い感じになるとか、ルームメイトがばらしたイメトレのデートプラン通りのデートを用意されるとか。


 全然想像もしていなかった。


 大学を卒業してその彼の奥さんになり、色々思い返してみてもルームメイト様さまだった大学生活だったと思う。


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― 新着の感想 ―
 分類、純文学ではないような……。ヒューマンドラマのような気がしました。
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