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空っぽの冷蔵庫

作者: 涼峰もぎ

何の用でか忘れたけど実家に戻ったとき、冷蔵庫の中が空っぽだった。

 軽い気持ちで、

「何か食べるものないー?」

 と聞くと、

「ごめんごめん、忘れてたー。」

 との言葉が返ってきた。なんだ忘れただけか、と思い、

「しっかりしてよ〜。」

 というと、

「そっちじゃなくてー。」

 とのこと。

「どっちのことよ〜。」

 って笑いながら返したら、

「おかーさんね、人間やめました〜。」

 って。はぁ? ってなって、うそ! ってなって、嘘じゃないよ、って言われて、何で? って泣いて、

「吸血鬼にでもなったんか!」 

 って怒った。

「相談もなしにごめんね。」

 って謝られたけど、そういう問題じゃない。

「これ付けるとね、ご飯とかいらなくなるの。」

 って、緑色の仮面を出してきた。これを付けると、仮面から尖ったものがでてきて、ざくって刺さって人間をやめられるらしい。

 どこかの漫画で見たことあるやつだ! (チャレンジではない) とか思って、

「やっぱり吸血鬼じゃないか!」

 って怒ったら、

「いやだ〜、血なんて飲まないよ〜。」

 だって。特殊なクロレラ? クレロラ? か何かを身体にブシュっといれるやつらしくて、それをすると体細胞に葉緑体が住み着いて、光合成ができるようになるらしい。余分なご飯も食べないから痩せるし健康になるし、細胞の中でダイレクトにエネルギーチャージできるから身体も動かしやすくなるし、二酸化炭素も減らせるし、一石三鳥くらいもあるって。

 それいいね〜って思って、私も人間やめました〜。冷蔵庫もキッチンもいらなくなるから、安いところに引っ越そうと思います。住所は〇〇……。

 ってメールをねーちゃんから受け取って引っ越し先に行ってみたけど、部屋には観葉植物の鉢植えしかない。まさかね。


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