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6話目! 二人目、決定

玄関の扉を開けたさきに立っていたのは、懐かしい顔。

彼女と顔を合わせるのは三年ぶりぐらいになるだろうか。

「わ、遊里!・・むむむっ、な〜んか、前よりキレイになった気がする・・恋は女を美しくするってやつ?」

「詩依、あなたも変わってませんね」

「それでそれで!?私を選んだという物好きさんは?」

「中で待ってますよ。・・くれぐれも今のような失礼な物言いはしないでくださいね」

「私が失礼なんじゃなくて、遊里が固すぎるだけ!あ、それとも好きな人に怒ってるとこ見られたくない的な「違います」・・はいはい。それじゃ、おじゃましま〜す」

昔と変わらない、ステップを踏むような軽い足取りで、詩依は私の後ろを歩きます。

こういうときにキョロキョロしたりしないのは彼女の凄いところかもしれません。


「お待たせしました」

「ううん、全然待ってないよ。「おぉ!あなたが噂の物好きさん!?なんというか、いい意味で男っぽくない見た目だね」・・いらっしゃい、貴女が詩依さん、かな?」

「いかにも!あーしが『詩依』だよ!」

止める間もなく、詩依は三つ指でピースを右目に当てて、ウインクをする。

・・失礼な物言いではなく、不躾な行動をするなといえばよかったですね。


「俺は桜川蒼夢。うん、これからよろしくね」

「もち!もち!わちきになんでもおまかせあれ!・・けど、さきに荷物置いてきますね!!」

「案内は」

「いらないよ〜!!」

すでに返事の声は小さくなってしまっています。やけに静かだと思っていましたが、廊下を歩く途中で部屋を決めていたのでしょうね。



「なんというか・・濃い人だね」

「・・止められなくて申し訳ありません。ただ、アレが彼女の普通でして」

「あんなに面白い人中々いないし、俺は止めないほうが素敵だと思うよ」

蒼夢様の心の広さに感謝ですね。あんなの笑って受け止められる男性など、この方以外にいないのではないでしょうか?

「そう言ってもらえると、助かります。・・それで護衛としてはどうでしょう?常にアレが隣にいることになるのですが」

いかにあの性格が気に入ったとはいえ、常日頃隣にいる、となると少し考えるところもあるのでしょう。

少なくとも、詩依のテンションについていくのは私には難しいところがありましたし、異性である蒼夢様ならばなおさらのこと。

・・ただ、それでも選ぶのを止めないあたり、本当にこの方はおかしい方です。


「うん、大丈夫」

「・・・かしこまりました」

「・・二度手間になってしまうけど、手続きを任せてもいい?」

「もちろんでござい「その必要はないよ!なぜならすでに済ましてきたからね!!」・・詩依」

いつのまにやら戻ってきていた詩依が、決めポーズをとってそう宣言しました。

仕事が速いというべきか、選ばれると確信していたのなら自惚れているというべきなのか、彼女の場合どちらも言えるのが困ったところです。


「蒼夢もやっぱ私にビビッときちまったでしょ?」

「『も』?」

ゆっくりと歩み寄り、詩依は蒼夢様の対面に座ります。

この顔は・・真面目な話をするときの顔ですね。

このような真面目な面も持つからこそ、普段の言動や行動に文句が言いづらいのが腹立たしいです。


「私もビビッと運命的ななにか感じたんだ。顔合わせて、その感覚が間違いじゃないって分かったしさ」

詩依は真面目な話をする際は、理論よりも自分の感覚を重視する節がありました。

そしてその感覚が、この方に反応したのなら。

蒼夢様本人が拒絶しても、私が何を言っても、詩依は止まることはないでしょう。

昔も彼女の思いつきでなんど振り回されたことでしょうか。

・・・どれも懐かしくはありますが、好んで思い出したいとは言い難いものばかり。



「だから、堅苦しいのは抜きで!長い付き合いになるんだしさ?」

「・・わかった。じゃ改めて。これからよろしくな、詩依!」

「応よ!」


と、いけませんね。

私の思考がトリップしている間になにやら意気投合したようです。

二人で硬い握手を交わしています。

・・まぁ、喜ぶべきでしょう。知らない方と一緒に過ごすよりははるかに楽なのは間違いありませんからね。





「それじゃあ、二人の歓迎会を始めます!!」

「いよっ、待ってました!!」

・・どうしてこうなったのでしょう。

「改めて、わちきの名前は『詩依』っていいます!これからよろしくです!・・・ほら、遊里も」

「あの、二人とも私の名前など知っていらっしゃるのでは」

「もう、相変わらず固いんだから!こういうのは乗っかたもん勝ちなんだよ?」

「そうだ、遊里も主役だし、ついでに音頭もとってほしいかも。なんて」

「・・私で、いいのですか?」

「遊里が、いいな」

視界の端で『おぉ、大胆・・』などと口を抑えた昔馴染みは放っておくとして。

・・そこまで言われては、乗らなければいけませんね。

「わかりました。では、僭越ながら」


「『沖田遊里』と申します。・・この出会いを祝して、乾杯」

「「乾杯!!」!」

これで二人出た!


しばらく日常回をやった後で、ついに題名に関わっていく感じで行きます!

ついでにどっかで掲示板も挟みたい・・

まだまだ、道のりは長いっすね・・・

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