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5話目! 護衛、一人目

遊里さんの運転で帰ってきた後、俺たちは互いに譲らない、言い合いをしていた。


「いえ、本当に大丈夫ですので」

「いやいやいや!なにかお礼をさせてくださいって!」

「本当に、その、お気になさらないで・・」

「そう言わずに!!ね?」

「・・・では、一つだけお願いを」


そしてついに、渋々といった顔で遊里さんが折れてくれた。


「っ!!もちろんです!なんでも言ってください!」

一宿一飯の恩義じゃないけど、なにかされたままだっていうのも、なんとなく気分が悪いしな。

「っ・・・さきほど、蒼夢様には護衛を選ぶ権利があると、そういう風にお話したと思います。・・そのうちの一人に選んでいただきたいのです」

「え・・・でも、遊里さんって病院の」

てっきり看護師の人かなにかだと思ってたけど、違ったのかな?


「それは仕事の一つでございます。国が定めた『男性耐性レベル』の基準を超えている女性は、男性が利用する行政サービスの担当に割り振られるのです。私はその中でも『護衛』を希望していたのですが、この性格のせいか、中々選ばれる機会がございませんでした・・・ですので、もしも、なんでもよろしいとおっしゃるのであれば、蒼夢様の護衛担当に私を選んでいただければ、と」


そんなの・・

「そんなの、もちろん良いに決まってるじゃないですか!」

思わず、遊里さんの手を握る。

それでもあまり変わらない様に見えるのは、本当に『男性耐性レベル』が高いのかもしれない・・・

ほとんどの女性が男性耐性がないなら、たしかに世の男性にとって、こんなに無表情を貫く人はおもしろくないのかもな。


でもな、無表情クール系敬語キャラとか、俺からしたらむしろウェルカムなわけよ!

「ぜひ!遊里さんを俺の護衛に選ばせてください!!」

遊里さんはしばらく目を閉じた後、真っ直ぐな眼差しで俺を見つめてくる。

「・・・ありがとうございます」

お礼を言うとき、少し笑っていたように見えたのはきっと気の所為じゃないし、そんな顔も魅力的だった。


「どういたしまして、でいいんですかね」

「・・では、私は支度をしてまいります。ついでに護衛のために必要な手続きも、して参ります。もしも、私が戻る前にもう一人の護衛を決められましたら、お電話ください」

そうして、遊里さんと連絡先を交換して別れた。




遊里さんから手渡されたファイルを開く。

こうやって並べられると、どの人も顔が良いな。

にしてたって、護衛なんてどうやって選べば良いんだろう。グラフとか経歴とか書いてあってもさっぱりわかんないんだけど・・・


適当にページを捲っていく。

一枚、一枚、また一枚。


「ぜ〜っんぜんわからん・・」

と嘆いて背もたれにもたれかかっていると、家のインターホンが鳴った。

『沖田です。』

『今そっちに向かいます!!』




「本日より、桜川蒼夢様の護衛を担当させていただきます、沖田遊里です。改めまして、よろしくお願いいたします」

「こちらこそ、これからよろしく遊里さん」

「・・蒼夢様、私のことは呼び捨てでかまいません。ぜひ、遊里、とそうお呼びください。護衛するべき方から、そんなにかしこまれては少し、困ってしまいます」

「・・遊里」

「はい、ぜひそのように」

「・・・わかった」

まだ納得はしていないが、見えない圧を感じる・・・



そのあとの話し合いの結果、遊里の部屋は有り余っている部屋のうち、俺の部屋の隣になった。

曰く、『護衛が離れてはいけませんから』とのことらしい。

こちらはまったくもってそのとおりである。


「それで、もう一人の護衛選びに困ってるんだけど」

隣に座りながら、遊里と一緒にファイルを覗き込む。

「唯一ビビッときたのはこの人なんだよ。けど、なんにも情報がないから怪しいなって」

そう言って俺が指したのは、名前の欄に『詩依(しより)』とだけ書かれた女性。

遊里の息を吸う音が聞こえたのでそちらを向くと、にわかに眉間にシワが寄っていた・・ように見えた。

「もしかして、知り合い?」

「・・一応は、といった感じでしょうか。彼女も私と同じほど優秀ではあるんですが・・少し、性格に難があるといいますか、少しズレていると言いますか・・・」

「遊里がそこまで言うなんてね」

「・・変わり者には間違いありませんが、腕だけは確かです。お会いになられますか?」

「できるの!?」

「おそらく。以前交換した連絡先が今も生きていれば、私の方から話をつけますが」

ふむふむ・・さっきまでは怪しい感じがしてたけど、遊里の話を聞くと興味が湧いてきたな。

「うん、会ってみたいかも」

「かしこまりました。では、少し席を外しますね」


そう言って電話をしにいったのか、携帯を片手に部屋を出た遊里が戻ってきたのは二分ほど経ってからだった。


「連絡、つきました。彼女は『会っても構わない』とのことです」

「わかった。待ち合わせ場所は?」

「・・この家の場所を聞いてすぐに通話を切られましたので、こちらに来るかと」

ん〜、なんかとんでもない人を呼んでしまった気がするな・・・

総合評価120!総合PV3300突破!!

????????

ノリで始めただけの物語が、多く見られ、さらに評価までされてて、本当にありがたいです!!!

これからも完結までよろしくお願いします!!

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