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死んでも世界は変わらない。
生きてる?
ぼくの理解では、さっき死んだはず。
まだぼんやりする頭で周りを見渡すと病院の一室なのか、白い部屋、白いベッドに白いカーテン、天井を見上げればクリーム色の天井に蛍光灯。
そもそもいま何時だろ、たしか深夜にコンビニにいって、酒を買い、どうやって死のうか考えていたら、あっさりバイクに轢かれてしまった。
ぶつかる直前、頭に過ぎった言葉は
(思ったより簡単だったな)
それでもただ眠りから覚めたように、痛みもない。
生きていることを喜ぶべきなのに、悲しい。
まだ終わらないのか。
感傷に浸っているとき、白いカーテンが目に入った。波のようなゆらゆらなびくそれがやけに気になって、外の景色でも見てみようと思い立った時、自分の理解が及ばないところにいるのだとホッとした。
やっぱり自分は死んだのだ。