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柊君の不合生活  作者: きり
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誤字脱字が多々あるかもしれませんがよろしくお願いたします。


とある冬・・・・

山奥にある大きなお屋敷で、主である高間 大二郎の葬儀が行われていた・・・。

喪主は19歳の大学生であるひいらぎ真琴まこと

高間は妻に病魔で先立たれ、その次の年には真琴の両親である娘夫婦を交通事故で亡くした。

残されたのは孫である真琴のみ・・・・。

親族はさほど多くなく、参列者のほとんどが会社の付き合い程度の人ばかりであった。

葬儀が一通り終わり、人気がなくなった仏壇に真琴は線香をあげ、手を合わせた。

するとその後ろに屋敷のメイド5名が同じように手を合わせた。

真琴はゆっくりと手をなおり、振り返る。

真琴「皆さん、祖父のために今までありがとうございました。ですが、祖父亡き今、あなた方がここに住まう通りはないと思います。少なからず、退職金としていくらか包ませていただきますので、お好きな道をお進みください」

するとメイド長の赤澤あかざわ 紗江さえ(25)が頭を下げる。

紗江「どうか、ここで雇い続けていただけませんでしょうか?」

その姿に他のメイドも頭を下げる。

真琴「・・・・もうあなた方が仕える主人は・・・故人となってしまった。もうその必要は・・・」

すっと顔を上げじっと真琴を見つめるメイド 青川あおかわ奈々(なな)(21)は手のひらを真琴に向ける。

奈々「真琴様、私たちはあなたにお仕えしたい」

真琴「え?なんで・・・・」

すると紗江と他3人も顔を上げる。

紗江「真琴様の今までの姿を見て、皆で話し合って決めたことです」

紗那「真琴様は、大二郎様の介護で我々が他の業務を疎かにならぬように買って出てくれたじゃないですか」

そういうのは緑山みどりやま紗那しゃな(18)。

春「私たちメイドのすべきことも率先して手を差し伸べてくださった」

白石しらいしはる(22)も声を上げる。

松里「私たちが初めて来たとき、右往左往していたのを助けてくれたのは真琴様です」

黒岩くろいわ松里まつり(20)。

メイド一同「「「「「どうか、私たちをこちらで働かせてください!」」」」」

真琴「・・・・・、この件は検討します。ですが・・・・期待だけはしないでくださいね」

そう言って真琴は立ち上がり、部屋へ戻っていった。




真琴の部屋 真琴サイド・・・

はぁ・・・、まさかメイドにまで慕われてるとは思わなかったよ・・・爺ちゃん・・・。

僕・・・・どうしたらいい?

今まで僕は普通の高校生だったんだよ?一人で生活して、生計立てて・・・・。

爺ちゃんが危篤だって聞いたときは覚悟は決めてたけどさ・・・・。

でも・・・・全財産を受け取る覚悟はすぐにはできないって・・・。

ベッドに座り、仰向けに倒れる。

「遺産総額・・・・・20兆って・・・・僕のキャパがパンクするよ・・・」

そのまま、目を瞑り、眠りについた・・・・。





翌日の昼・・・。

僕は紗江さんたちを応接間に呼んだ。

5人と面と向かって話すのは苦手。

だけど、いつかはやらなくてはいけないこと・・・。

ならば早いに越した越したことはない・・・。

真琴「僕の意見を言わせてもらう。やはり、みんなを雇うことはできない」

何だろう・・・・後悔してる?

紗江「そう・・・ですか・・・・。わかりました、ですが、今まで大二郎様や真琴様に仕えていて、とても楽しい日々を送れたこと、感謝しております」

ダメだ・・・・、みんな悲しんでる・・・。

紗那「真琴様の意思に従います。今までありがとうございました」

やめて・・・・悲しい表情で見るのは・・・・やめてくれ・・・

全員が深々と頭を下げ、立ち上がる。

真琴「但し!」

僕の声に皆が注目する。

多分、一筋の光ってこういうことなんだろう。

真琴「僕が立派に成人して、おじいちゃんの会社を継げるようになるまでは、この家に居てほしい・・・・。わがままかもしれないけど、雇うっていうのは、堅苦しいから・・・、僕からのただのお願い。もちろん、給料は発生しない。だけど、生活にかかる費用はこちらで持つし、衣食住も支援する。休みなんてないけど・・・・遊びに行くのは構わない・・・。僕はやっぱり爺ちゃんみたいに仕事としてみんなと接することはできない。だけど、家族としてなら・・・・・皆と一緒に居たい・・・。ダメ・・・かな?」

僕はかぁ~っと顔が赤くなったと思う。

紗江「え?あ、はい!そういうので全然大丈夫です!」

奈々「OK!万事大丈夫です!」

紗那「もちろん!」

松里「構いません!全然かまいませんとも!」

春「大丈夫です!」

真琴「よかったぁ~・・・・」

安心した・・・・。

こんな広い屋敷で一人っきりなんて・・・・嫌だ・・・・。

真琴「あ、今度から僕の名前を呼ぶときは真琴でお願い」

紗江「え?ですがこの屋敷の主・・・・」

真琴「家族として一緒に居たいって・・・言ったでしょ。だから・・・・」

紗江「え・・・・と・・・・・真琴・・・・・いや!無理です!やはり今更!」

奈々「なら、みんな“さん”付で呼ぶのはどうでしょうか?義嫁とかが呼ぶとかに弟嫁さんをさん付けにして読んだり・・・」

紗那「奈々は2ちゃん見すぎ・・・・。でも・・・・いいかもしれませんね、真琴さん。あ

、違和感ない・・・」

松里「真琴さん真琴さん真琴さん真琴さん真琴さんetc…」

春「松里さん、怖いよぉ・・・・・」

紗江「真琴さん・・・・・そうですね、これなら多少は呼びやすいです」

真琴「ならそういうことでお願い、紗江さん」

紗江「はい、かしこまりました」

真琴「いっそ敬語も・・・・」

紗江「えぇー!」

春「真琴さん、せめて敬語だけは・・・・」

真琴「わかった・・・・。今までの癖が抜けないんだね・・・・」

気持ちはわかる。

まあ徐々に慣れて行くと思うし・・・おいおいに・・・・

でも・・・・これで大丈夫だよ、爺ちゃん。


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