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第17話

とある日、僕は、欲望に勝てず、行動に出た。


僕は、校内の図書館に放課後、いた。


課題で、本を読んでいた僕。


そこにふと、僕の目の前の席に座る彼女。


彼女から口を開いて、何気なく会話をしていた。


「こないだ…話したことなんだけど…」


「うん?」


「私が兄ちゃんが好きって話….」


「…」


「引いた?」


「…別に….」


「そっか….」


暫く間が空いた後、思わず、口にする僕。


「じゃあ…」


「え?」


「…あ….あの….」


「…」


「僕と…」


そう言い、席から立ち上がり、彼女に手を伸ばし、頭を下げながら、


「付き合ってください!」


告白した。


ドキドキ


ドキドキ


緊張感のある沈黙が続く、空気が流れる。


ドキドキ


目を瞑る僕。


彼女の口からどんな言葉が出てくるのだろう。怖かった。


ドキドキ


秒針の音が僕の耳にはっきりと入って来る。


僕の心臓の音と共にテンポよく秒針の音は、流れる。


心臓がはちきれそうだ。


ドキドキ


「いいよ…」


思わず、口が開いた。


「え?」


弱々しく聞こえた声で、頭を上げる。


自分の耳を一度疑う。


彼女と目が合うと、再び、緊張感が走る。


……


……


「お願いします…」


奇跡だ。奇跡だ。そう思った。


僕の胸が高鳴る。


ドキドキ


ドキドキ


……


嬉しすぎて、思わず、


「本当に?」


「本当に?」


2度も、そう問いながらも、彼女の両腕を掴む。


真剣な顔で驚いたように、言うと、


「うん…」


その彼女の発した言葉に。まだ、信じられない。


「夢?」


呟いたように、口から溢れる。


「え?」


僕は、自分の頰を思いっきり引っ張る。


「痛い….」


その姿を見た彼女は、くすくすと少し微笑む。


「夢じゃない….」


ふっと、笑う彼女。


「悠人くん….」


嬉しすぎて、僕は、咄嗟に、思わず、彼女を抱きしめてしまった。


そして、翌日から、彼女と付き合うことになった。



それで、現在に至る。



少し前、彼女に、一緒に帰ろうと何度も言っても


「ごめん、今日は、ちょっと…」


「そっか….」


という感じが続き、一緒に、お昼を食べる時も、どこか、遠い感じ。上の空であった。


ぼーっとすることもあり、少し心配だった。


「別れよう」


そんな言葉を彼女が口にするのではないかと。


ドキドキだった。


それは、彼女が病院から退院したその日から。


少し不審には感じていた。


でも、探ることはしようとは思わなかった。


もし、それで、別れることになるかもしれないくらいなら、暫く、様子を見ようと、考えた。


しかし、それから、数週間経った後、今まで通りの彼女に戻った。


穏やかな優しい彼女に。


そして、彼女の微笑みに。


だけど…


まさか、彼女が、二股、三股をしてるなんて、今の僕は、まだ知らない。



季節は、風も空気も穏やかになり、暑い夏から秋を迎えようとしていた。


「結菜、一緒に帰ろう」


僕は、声を掛けた。


彼女は、


「今日、部活は?」


「練習ないから」


「そっか」


「嫌だ?」


「え?」


「一緒に帰るの」


彼女は、首を横に振った。


「一緒に帰ろう」


微笑みながら言う彼女に僕も微笑んで、そんな彼女に手を伸ばすと、彼女は、その僕の手に載せ、握り、帰った。



空は、曇ってはいたが、なぜか、まぶしかった。

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