第15話
気が付けば、彼がこの世を去ってから、あっというまに7日が経っていた。
そんな私は、布団に潜り込んでいる。
スマホは毎日鳴っているようだ。
出る気力もない。
スマホさえ、手にしない。
力が出ない。抜けていく一方。
お兄ちゃんは、そんな私の姿を見守っていた。
しかし、さすがに、お腹は鳴った。
お兄ちゃんは、私に、
「はい、元気になるオムライス」
そう言い、用意をしてくれたのは、ふんわり卵の載ったオムライス。
それを見て、笑った。微笑んだ。
私が小さい時に何かあった時や落ち込んでいる時に、
「元気になるオムライスだよ」
「あーん」
そう言い、私の口に運んだ。
「懐かしい…」
声になって出た。
お兄ちゃんは、涙を流しながら食べる私をそっと見守っていた。
その翌日から、私は、再び、学校に行った。
すると、
「愛菜!」
抱きついた芽衣ちゃん。
「大丈夫だった?愛菜….」
泣きそうな顔だ私を見て言う。
「ありがとう、芽衣ちゃん、大丈夫だよ」
鼻をすする芽衣ちゃん。
そこに、
「まーた、やってる」
「愛菜、おはよう、大丈夫?」
「….うん….」
なかなか離さない芽衣ちゃん。
「えーん、愛菜….」
「なんで、お前が泣くんだよ」
「ごめんね、また、迷惑かけちゃって….」
「迷惑なんて….」
「えーん…」
「だから、何で、お前が泣く」
真美ちゃんのツッコミが入り、その場の空気は、明るくなった。
教室にいる時、
「愛菜!」
その声に反応する。
私を見つけた彼は、私を抱き締めた。
「…」
「愛菜、大丈夫だったか」
「…うん…」
「ほんと、良かったー」
そう言い、再び、私を抱き締める。
「ごめんね、再び、迷惑、かけちゃって….」
「いいよ、そんなこと」
抱き締められた悠人くんの胸は、暖かった。
何だったのだろう。
あれは、夢だったのかな?
それとも、幻か何かだったのかな?
授業中に窓の外を見ながら、そう思った。
そして…
私の二股、三股は、再開するのだった。




