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僕が買った薬学書  作者: 白兎
10/12

パンケーキ

(今日は凄いパンケーキが食べたい。学術講演さぼりたいな、カレンに会いたいお腹減った、甘いものが食べたい…三段重ねのパンケーキ食べたい。あのおっさんの論文発表長いな、早く終われよ、パンケーキ。ふわふわで甘くてフルーツが沢山乗って蜜がいっぱいかかった甘い甘いパンケーキ、カレンと一緒に食べたいな)


最近分かった事がある。

落書きの主はどうやら、薬学の学術講演に出席する程凄腕の薬師だったらしい。

薬のレシピへの書き込みは既存のものに対して必ず他の方法や工夫が書かれているし、魔物や魔法の事もどうやら精通しているみたいだ。そして、カレンという人のことと甘いものががとても好きだということ。

そういう落書きがよくページの端に殴り書きされてる事が多い。

そんな風にたまに甘いものの事が呪いのごとく書かれてるせいで僕まで食べたくなってきてしまうのである。

しかし、レイン14歳。女性の沢山いるケーキが沢山置いてあるカフェに一人で入る勇気はとてもじゃないがない。

「レイン先輩本当にいいの!?」

「すみません…ありがとう、ございますです。」

「先輩、ありがとうございます。」

なので、赤ポーションの飲みすぎで世話をして以来仲良くなった後輩三人組を連れてきた。

「君たちのDランク昇格祝いもかねてだから気にしないで」

ポーションを使わなくても疲れない、体の使い方を覚えた彼等の成長は目覚ましくあっと言う間にDランクの仲間入り。本当に凄い。

「僕は蜜と季節の果物のパンケーキにしようかな」

「じゃあ、アタシは季節の果物のパッフェ」

「私、は…クッションケーキと紅茶のセット」

「俺はカカオケーキで」

注文を頼むと奥から髪の長い銀髪を三つ編みにしたエルフが現れた。

エルフを見るのは僕も、三人も初めてで長い耳を思わず二度、三度と見てしまっていると普段はおっとしとしている槍使いのライラちゃんが気を利かして注文を言ってくれた。

「ごめん、ライラちゃん。ありがとね」

「いいえ…どういたしまして。私も、エルフは、初めて見るから、びっくり、しちゃいました」

「本当に綺麗なのね、エルフって。」

「本当にな。誘って彼女に出来たら最高だ」

「なーに言ってんの、あのエルフは男でしょ」

「「え!?」」

男だと気付かなかったのは僕も同じでサージュと一緒に声を上げた。

「レイン先輩まで。まったくよく見れば分かるでしょうが」

口を尖らせて魔法使いのミランはぷりぷりと言う。

「世の中の男は髪と顔しか見てないのよライラ」

「そう、ね。」

そんな風に会話を楽しんでるとさっきのエルフがやってきた。

「お待ちどうさま。蜜と季節の果物のパンケーキだ。今はアポロが旬だからアポロとララ芋を乗せてある」

確かに喋ってる声は男性そのもの。どうやら僕とサージュはポカンとしてる間に声を全く聞いてなかったみたいだ。

そのあともスイーツが運ばれてくるとその見た目の美しさに皆一様に目を輝かせた。

「「「「いただきます!!!!」」」」

ふんわりとしたパンケーキは見た目に反して重たくなくて、ふわふわと柔らかくて、アポロの甘酸っぱくて、味を蜜が優しく包み込んでララ芋のホクホク感も最高で、もう、本当に美味しくてたまらなかった。

「レイン先輩幸せそう」

「甘いもの、好きなんですね」 

「先輩かわいー!アタシのパッフェも食べますか?」

「え、いいの?じゃあ僕のパンケーキも一口食べなよ」

「あ、俺のもあげるんでパンケーキ一口下さい!」

「私、も」

そんなこんなで僕は幸せな一時を味わった。

口元を紙ナプキンで拭いてるとふと店のロゴが目に入った。

「先輩?どうしたの?」

「ん?あ、いや、なんでもないよ」

カレン。

そうしっかりと書かれてる。カレンなんてよくある名前だし…まさかね。

「あ、このカカオケーキすっごい美味しい」

僕の疑問はケーキによって忘れさられてしまった。

本当に甘いものって幸せだな。

「また来ようね」

「「「はい!!!」」」



支出

蜜と季節の果物のパンケーキ300G

季節の果物のパッフェ350G

ケーキと紅茶のセット250G

カカオケーキ200G


計1100G


所持金

計2310G


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