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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

お花畑と軍人さん (童話風)

作者: 潮江 誠

ほんの少しだけ、覗いてください。


こんな世界もあるかもしれないのです。



むかぁし昔、とても強い軍人さんがいました。

お国の為に、バッタバッタと敵を倒し沢山勲章をもらっていました。


ある日、いつものように隊長からの命令である反逆者の村に向かいました。


そこは普通の人が普通の生活を送っているただの村でした。

でも隊長の命令は絶対です。


まず村の男達を集めました。


『この村は反逆者の村だ。今から処刑してゆく。』


不気味な頭巾の下から低い単調な声が告げました。


村人は、《そんな事はない。お国の為に作物を育てる村だ。》


と必死に伝えようとしますが軍人さんは聞き入れません。


だって隊長のいう事に間違えはありませんから。



崖の淵に並ばせ端から撃ち×しました。


下は尖った岩のある海。

生き延びた人は居ませんでした。


次に老人を並べました。


皆、海に落ちていきます。


村へ戻ると小さな女の子が走って向かってきました。


カチリと軍刀を向けると怯えた表情でこう言いました。


【私のお父さんとおばあちゃんは何処?】



軍人さんは首をふります。


もういない。と。



泣きそうな声で女の子は聞きます。

【私も死ぬの?】



当たり前です。ここは反逆者の村ですから。



答えも聞かずに女の子は走って何処かへ行ってしまいました。


しまった。×せば良かった。


でも心配はしません。

とても強い軍人さんですから。



次は女の人を並べます。

辱めなんてしません。

誇り高い軍人さんですから、


皆、海に消えて行きました。

赤ちゃんも一緒に消えて行きました。



悲しくも怖くもありません。

とても強い軍人さんですから。



最後に村の子供達を集めようとしました。


村に戻るとさっきの女の子が血だらけで立って居ました。


【みんな、あたしが×した。】


顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃでした。


軍人さんは胸の奥でなにかが呼んでいる気がしました。


手をとり本当に皆死んでいるのか確認の為広場へ向かいました。


さっきまで綺麗なお花で埋まっていた広場は真っ赤になっていました。



女の子はパッと手を話すと落ちていたナイフを手に取りました。


【これで良いんでしょう?】


胸にひと突き。


首に一筋。



女の子は自分で息絶えました。



軍人さんはとてもおどろきそしてなぜかかなしい気持ちになりました。


軍人さんは女の子を抱き上げました。


だんだんと冷たくなっていきます。



出るはずのない涙が溢れ落ちました。




軍人さんは女の子はを抱きしめたまま森の奥へ歩いて行きました。



森の中では小鳥が歌っていました。

ぽっかりまぁるくと木々が途切れていました。


そこにはお花が沢山咲いていました。


真ん中に腰を下ろすと、女の子を膝にすわらせます。


手袋を外すとサラサラと髪をなでました。


とても綺麗な髪でした。



小鳥は空高く、高らかに歌っています。




その日からとても強い軍人さんに会った人は居なくなりました。

そしていつのまにか戦争は終わり軍人さんの居た国は負けてしまいました。


たった一人居なくなっただけでとても弱くなってしまったからです。



軍人さんと女の子が座っていたところはいつのまにかとても綺麗なお花畑になりました。



平和な世界で小鳥が歌っていました。


〜後書〜


ふと、仕事中に頭に浮かんだ物を書き綴っただけです。


友達におくったら心配されました。

私は元気です笑

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