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転生公爵家令嬢の意地  作者: 三ツ井乃


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国造り事始め

土魔法で行われる土木工事って凄いのねぇ。


ゴーレムって名前の土人形が沢山の資材を担いで歩いていて

まるで孫の大好きなマンガに出てくるロボットみたいに動いていて壮観だわね。

きっとこの工事現場に長男の所の閨秀作家志望の孫娘と

次男の所の一人息子を連れて来て見せてやる事が出来たなら

このゴーレムを見て、本物のエバだとかガ○ダムだのと大喜びしたでしょうに。


ガ○ダムといえば…ガ○ダニウムとかニ○テンディウムがあるんじゃないかって

疑うような巨大な生地を織る織機を造った技術にも驚いたわ。

孫達が架空の金属の強度や用途について色々話をしているのを聞いていたけど

まさかこんな所で役に立つとは。


それで思い出したけれど織機の大きさだけではなく織り手の技量も必要だから

カーテン地等の大きな生地は、模様を入れたり柄をプリントして

欠点が目立たないようにしている位に無地で巾の広い生地は織る際に

欠点が入りやすいとかで、布地の幅が1メートル超えの生地は高価なのだと

ゴシック何とかが好きで洋裁を趣味にしている次男の所の孫娘が言っていたわね。


それをどうやったのか私も詳しくは解らないのだけれど、ミスリルとか

ヒヒイロカネとか良く分からない鉄のような物を要所に配した

特製の織機を特注したと聞いて見にいったのよ。


そうしたら機織りの常識を覆す幅の特大織機があって、ビュンビュンと

とんでもない速度で縦糸の間を走る杼、こっちではシャトルと呼ばれている

機織りの時に横糸を通す櫛みたいな形をしたアレ。


物凄い轟音の中、そのシャトルも魔力で動いているとかで自動織機のト○タさんも

真っ青な速度で織り上がるタペストリーの断片っぽい生地。


確かタペストリーって何年もかけて織る物じゃなかった?

私の記憶が間違ってたのかしらと悩んでいる内に、縦方向に分割されたような

絵の長い端切れを縫い合わせれば出来上がるプール程の広さの

タペストリー?と呼んで良いのか判らないそれを神殿に納めたのでしたわね。


良くもまぁ織り上げた生地の絵柄がズレたりせずぴったりと合ったわねと

高度な技術にただ驚いていれば、ほぼ魔法で作業した職人さんに

「それが魔道具織工でさぁ!」との一言で済まされましたのでそういうものと

無理矢理理解しましたわ、しないと頭が変になりそうです…

魔法って便利、それで良いではありませんか。


目の前でウゴウゴ蠢めくドリアードを雑草よろしく引っこ抜いたり

道路整備に石畳を敷くのもチラシ配りかと思える速度でササッと済ませてゆく

働き者のゴーレムさん達と、操る魔導師のマティスさん。


「凄いわ」


「お褒めに与かり光栄にございます」


銀髪緑眼のお兄さんと呼びたくなる落ち着いた青年は、土魔法に長けた魔導師の

マティス カールゴンさん、私の腕にエクストラヒールをかけて治して下さった

宮廷魔導師様のご一門だとかで、王家筋から私の賜りました化粧領の開拓と

開発事業にお力添え下さると紹介されて来た方なのです。


「ファングルの発展とノザーナ漬けの話を聞いていたので

伯父に頼んで是非にと志願して来た甲斐がありました、

昔から"転生者"は美味い食べ物を知っていると伝わってますから

グラーシア様の下で新たな美食に巡り合えるかもと楽しみにしておりました」


ニッコリ笑顔でゴーレムさん達を使うマティスさんは、各地の郷土食や名物を

食べ歩くのがライフワークと公言する重度のグルメなんだそうでして

私の漬けた野沢菜の噂を聞いてシナノの開発に立候補したと言います。


そして既に野沢菜は召し上がられ、更にこの間発見した蕎麦の事を耳にしたとかで

尽きぬ食への探究心から、私がシナノへ来るのをずっと待っていたとか。


その為、魔術学校でマティスさんの後輩だったトマスが日夜全力を振り絞って

一人前を用意出来る量の蕎麦を成長促進しているそうです。


「そこまで期待されます程のものではございませんが粗餐を用意しましたの」


「それはありがたい、是非お邪魔します!」


側にマリアとリヒャルト君を従えての視察と一緒に予定しておいた

マティスさんの慰労会も、魔術師を多数輩出しているカールゴン一族との

パイプ作りの良い切っ掛けになればと考えています。

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