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転生公爵家令嬢の意地  作者: 三ツ井乃


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帰国します

王様太っ腹!未開発の土地って事は好きに出来るって事だしファングルの隣だから

実家にも寄りやすいし今までの糸繰り工場の女工さん達とも連携を取りやすいわ。

人の入らなかった未開の地という事で命名も私がしても良いと言われましたので

故郷の古名に因んでシナノといたしました。

信濃国の名前の由来も菩提樹の仲間の科の木というロープの材料となる

木を産出していた事からと聞いておりましたし、

拝領出来た理由のアラクネ糸と同じ繊維というのと

養蚕で繁栄した蚕都にあやかって発展しますようにとの願いを込めました。


この男尊女卑な我が国で女の所領というのは珍しいのですが無い事も無く、

王の娘が臣下の家に輿入れする際の持参金としてとか

王配の母親への孝養の意味で授けられたり未亡人の生活の保障とか王族に近い

貴婦人に限ってですが女性が持つ所領を化粧領と称して授ける例があります。


「これで里帰りもしやすくなりましたねぇ」


「そうだな!それなら今から道路整備だけはしておかんとな」


「まずは道を敷いて人が暮らせるように町を作りませんとね」


馬車に揺られてお父様と頂戴した領地に思いを馳せてこれからの事を話し合います、

シナノは山々に囲まれた土地ですから故郷のように畜産の為の牧場も作れるかしら?

アラクネ糸の生産だけでなく加工も自分達で出来たら更に雇用を増やせそうね。

気候はどうなのかしら、魔獣や植物はどうなのか調査をギルドに依頼して

人が住める程度に整地しないとなりませんし

道を敷いて家を建て入居者を募集してと忙しくなりそうですわね。


「ギルドに調査依頼を出しておくが良いか?」


「お願い致します」


お父様にお任せしておけば間違いがありませんから印章を渡しておきましょうかと

判子にもなる指輪を指から抜こうとしましたが書類を見て

自分が納得してからでないと判を突いてはいけないよと窘められてしまいました。

詐欺に遭いやすい性格は転生してからも治ってないかもしれません。

過去にオレオレ詐欺に騙されかけてお金を下ろした所で

銀行員さんに止められた事を思い出して反省します。


「ファングルに帰るのならイザベラを連れて行くか?

グロリアーナ亡き後ウチの奥向きを采配していたのはお前と

メイド長のイザベラだからな、

嫁入りに関して色々とこころくばりが出来る女なんて他にはいないし…」


高位貴族の仕来りやら娘の嫁入り支度についてはドラゴンを仕留めるだけの剛腕も

まるっきり役に立ちそうに無いと唸るお父様でしたが、

お母様が亡くなる前に何かの為や私の為にと心得を記した日記もありますし

王様の姉君で夫君を亡くされてキリアラナに帰国され

ずっと離宮で静かにすごされている私の伯母様に頼ろうと思っています。


女中頭のイザベラが居なくては生活力皆無のお父様や

お兄様方が困るじゃ無いですか!


「伯母上様が私を心配なされてお手紙を送って下さいまして

後見とお世話をして下さるそうですから大丈夫ですわ、

身の回りの世話でしたらマリア一人で平気です」


若手のマリア一人で用は足りますから連れて行くのは彼女だけでいいかしらね、

屋敷で焚き火というボヤ騒ぎとか壁に大穴とか心臓が止まりそうな

無茶を止められるのはイザベラと執事のクラウスだけですし。


荷物を馬車に積み込んだら出立しましょう。

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