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円卓の会議
勇者消息不明の噂は瞬く間に広がっていった。
「勇者が居なくなるなどあり得ない事態ですぞ!」
大臣の一人が今にも失神しそうな勢いでヒステリックな叫び声をあげた。
隣の席に座っていたナタクの頭に甲高い声が突き刺さる。
徹夜明けでただでさえ機嫌が悪い時に神経を逆なでする様な声
・・・殴り飛ばしたい
だが会議中に同僚を殴り飛ばすのはさすがにまずい。
後ろ立ての無いナタクが不祥事を起こせばすぐに失脚になるだろう。
ナタクはまだ叫ぼうとしている大臣に諭す様に声をかけた。
「リウッツイーニ卿、今は会議中です、お静かに」