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薬草採取わが身を助ける

 食後の水を飲みながら、なんとか生きていく方法を探す。


 知識チートは諦めたほうがよさそうだが、なんらかの稼ぎ口を見つけないと姫様のヒモになってしまう。

 勇者として召喚されたのに、世界は救え無いし内政の役に立つ知識も無いし仕事も出来ないだと、ちょっと申し訳ない。うん、自分の事ながら酷い。


「年寄りを保護する政策とか、そういうのって……ない?」

「もちろんありますよ。全ての国民は、怪我や病気になった場合は無償で治療が受けられますし、国家に奉仕する仕事の中で負傷したり死亡した場合には、家族に充分な補助が与えられます。それらの中に老化への補償もありますよ」

「じゃあ、俺も」

「でも、水上さんは受けられません」

「なんで! ちゃんと転移するまでは年金だって払ってきたぞ!」


 何とかなるかと思ったら、目の前で蜘蛛の糸を引き上げられた気分。みっともない事を叫んでしまった。


「水上さんは国民では無いからですよ。ただの居住者です。一定の年月税金を払い、国の発展の為に働き、軍役にもつく。そして初めて国民としての保護が得られるのです。それを持たない間はただの居住者で、国に保護して貰う事は出来ないんです。私も税金今年はまだ払えていないですし、軍役にも参加してないし免除金を支払う余裕が無いので……早く国民になりたいです」


 いすゞさんの切実な話も大変だが、俺はもっと切実だ。


「今からじゃ間に合わないだろ。一定の年月って、三日とかじゃないんだろ? 俺間に合わないじゃん!」


 どうせ長寿な連中なんだから100年間払ったらとか言いだすに違いない。俺はもうどうにもなりません。てーおーくーれー!


 周囲の客からの憐憫の眼差しはますます深まっていく。

 いすゞさんがお会計をする頃には、飴や焼き菓子などのささやかな差し入れが集まっていた。



 店を出て、膨らんだ腹をさすりながら街を見て回る。

 ゴミもない清潔でいい匂いのする、どこか現実味の無いファンタジーな街並みを。


 さっきの食堂は皿に乗った牛の首の上から食器を交差させた看板を掲げている。この皿の上に食器を交差させた看板はあちこちで見かけるが、どうやら食事処のサインらしい。

 そういった目で見てみると、文字らしきものもあるが、ピクトグラムで何の店かわかるようにできているらしい。


「あの建物はトイレかな?」

「そうですよ」

「じゃ、あっちは布を巻いた形の看板だから服屋だな」

「あれはスクロールです。巻物なので書物や文房具の販売をする店です」

「鎌とハンマーは道具屋? それとも家具屋かな」

「指ささないでください、あれは政治団体の事務所です」

「皿の上に……ダブルピースしたおっさん。なんか……幻想種特有のスゴい爛れた風俗店ですか?」

「大蟹亭と書いてあります。沼ゴブリンから仕入れた蟹料理を出す店ですよ。なんですかオヤジって」


 ピクトグラムを見て何の店かわからないのはデザインに問題があると思う。

 だんだんジト目になっていくいすゞさんを連れまわしながらウロウロとするが、知識チートどころか、普通に仕事できそうなものも見当たらない。

 飯屋で見かけただけでも、印刷物やガラス陶器に紙幣に調味料。氷が平然と出てきたって事は冷凍庫みたいな物も安価で普及しているのだろう。

 そして街を見渡せば、馬車はゴーレム馬車だしトイレは水洗で、大量生産品が山と積まれた消費社会。現代社会と比べてそん色ない発展ぶりなんだよ。


 さーて、マジ困った。


「そういえば、ダンジョンは諦めるとしても、薬草採取とか、そういう仕事ってないの?」


 知識チートの類はあきらめるとしよう。

 そして冒険者ギルドとかダンジョンとかの定番もダメ。

 コンビニの店員とかで雇ってくれるところないかなぁ。

 そんなことを考えながらも一縷の望みをかけて聞いてみる。


「ありますよ、多少の危険がありますし実入りも少ないですけど」


 あった! 数少ない異世界ファンタジーっぽさ!


「私はあんまり好きじゃないですけど、とっぱらいでお金ももらえるし、申し込みしてきますね」


 なんでもやってる巨大企業である魔研の事務所で、ナイフや籠などの道具の手配をいすゞさんに頼み、わくわくしながら街の外に出る。

 薬の材料やペットの餌になる種を採取する仕事だそうだ。


「仕事内容は『ひまわりの種の採取』です。がんばりましょう」


 ねぇ、ひまわりを畑で育てればいいんじゃないの?

 薬草もハーブみたいなもんだし、紫蘇とかヨモギ摘んでお金貰う仕事と思えば似たようなもんだけどさ。なんだかファンタジー感が一気に消えうせたんだけど。



「この知識チートでSUGEEEしよう!」

「それ、もうあります」

の繰り返しを細かく書いて行く予定だったのですが、水上爺さんがいろいろ頑張ってきたものが無駄になるだけの展開で爽快感ないしギャグにもならないという事で、ごっそりすっ飛ばしました。


とにかくちゃんと書いて終わらせる事を最優先という事で、展開が高速化するのはご容赦ください。

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