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男だと思っていたネトゲ友達が、同じクラスの美少女だった  作者: おとら@9シリーズ商業化


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バイト探し

 その翌日の土曜日、俺はゲームをすることなくリビングで項垂れていた。


 そんな俺を、姉さんが怪訝な目で見てくる。


「さっきからどうしたのよ?」


「いや、少し疲れちゃって……」


「昨日からゲームのし過ぎよ。というかテストも終わったし、解放されたんじゃないの?」


「それはそうなんだけど……バイトって色々あるんだね。ゲームの後に色々と調べてたら疲れちゃって」


 昨日、色々と検索をしていたら目が痛くなった。

 時給、最低勤務時間、制服や靴貸出ありとか。

 あとはコンビニから、ありとあらゆる場所でバイトが募集されていた。

 そして……それに対するバイトの口コミとか。


「そんなの当たり前じゃない。なに、バイトがしたいの? 私はやることさえやれば、反対はしないわよ」


「したいというか……今しかできないのかなって。あと、お金が色々と必要になるかと思って」


「まあ、高校三年になったらバイトはほとんど出来ないわね。へぇ、あんたがゲーム以外にお金を欲しがるなんて……松浦さんかしら?」


「ま、まあ……なんか、明日お出かけしようって誘われて。どうやら、買い物をしたいみたい」


 今更、姉さんに嘘を言っても仕方ないので正直にいう。

 すると、めちゃくちゃため息をつかれた。


「はぁ、誘われたね……そこは自分から誘いなさいよ」


「うぐっ……頑張ります」


「あら、頑張ります……ふふ、良い傾向だわ。そうね、実際に色々見て回るのが良いんじゃない? そういう目線で持って店に入るとか」


「あぁー、そっか……正直言って、文字ばかり見ててもわからないよね」


「当たり前じゃない。ほら、ぐだぐだ言ってる暇があったら行動よ」


「……よし、そうしてみる」


 このままダラダラしてても仕方ないので、俺は着替えをして家を出て行く。

 そして駅前に行き、コンビニやスーパーや百貨店などをみて回る。

 改めて観察すると、そこには色々な人が働いていた。

 年齢も違うし、やる仕事内容も違いそうだ。


「みんな凄いなぁ……俺と年齢は変わらないのに働いてる人も多いし」


 当たり前の話なんだけど、そもそもそういう認識がなかった。

 これまで、あまりに人と関わってこなかったから。


「ただ、自分が働くとなるとピンとこないなぁ……何が一番いいかな? 人見知りを直すためには、接客業が良いとは思うんだけど」


 そんなことを考えていると小腹がすいてくる。

 時計を見ると、三時になろうとしていた。


「何処かに入っておやつでも食べるかな? ……そういや、ここから近かったよな」


 そして俺はというと……松浦さんが働いているファミレスまで来ていた。

 前に食べたパンケーキは、めちゃくちゃ美味かった。

 ……あと、松浦さんに会いたかったのかもしれない。


「ここに入る? 別に狙った訳じゃないけど……というか、キモいよね」


 これじゃ、まるでストーカーみたいだ。

 俺がそう思い、踵を返そうとすると……扉から出てきた人と目が合う。

 それは、Gパンにパーカーというラフな格好をした松浦さんだった。


「あれ? ……吉野君だっ!」


「ま、松浦さん!? えっと、これは違くてですね……」


「えー! くるなら言ってよー! 私、バイト上がっちゃった!」


 そう言い、タタッと俺の方に駆け寄ってくる。

 ラフな格好だというのに、彼女が来てるだけで何故かお洒落に見えた。


「いや、だから来るつもりはなくて……」


「それじゃあ、どうしたの?」


「実は散歩してたら小腹が空きまして……そしたら、パンケーキ美味しかったなと」


「うんうん、ここのやつ美味しいよねー! ……それじゃ、一緒に食べよっか?」


「でも、今帰るところなんじゃ?


「平気平気ー、これは決まりです!」


「わわっ!?」


 俺は松浦さんに強引に手を引かれ、店の中に連れて行かれるのだった。


 ちなみに、会えて嬉しかったことは内緒である。

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