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男だと思っていたネトゲ友達が、同じクラスの美少女だった  作者: おとら@9シリーズ商業化


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14/55

幕間

 ……まだ現実味がないや。


 松浦さんが帰った後、リビングのソファーでぼけっとしてしまう。


 さっきまでのことが、夢だっだんじゃないかと。


「というか、色々とありすぎだよ。朝に挨拶から始まり、お昼休みにはライン交換してしたと思ったら……放課後には家にくるって話になるし」


 すると、俺の周りをおとめがうろちょろし出す。

 どうやら、起きたので散歩の時間らしい。


「フスッ」


「そうだね。本当に、さっきまで松浦さんがいたんだよなぁ」


 おとめの存在と、まだ部屋に残る香りが現実だと知らせる。

 それに、まだ焼きそばの器が……しまった。


「食器を洗わないと……!」


 姉さんに怒られてしまう!

 ……というか、言った方が良いのだろうか?

 いや、それはそれで何か恥ずかしいし。


「ただ、どうやって作ったのとか聞かれそうだ」


 流石に材料が減ってるからバレるし。

 ……とりあえず、料理を作ってみたってことにしておくかな。

 それで、失敗したって言えば良いや。





 ひとまず洗い物をすませたら、自分の部屋に行きパソコンを起動させる。

 やるゲームは王道のアクションゲームだ。

 素材を集めて強化して、また次のモンスターを倒したり、あとは拠点なんかも作ったりできる。


「……このゲームを、一年間は松浦さんとやっていたんだよね。怪我をしたから、リハビリを兼ねてアクションゲームがしたいってアキラさんが言ってきて」


 話すのも困難で、指を動かすのも大変とか言ってた。

 だからチャットだけだし、操作方法がおぼつかないって。


「まあ、それは嘘っていうか違ってたんだけど。ただ、本当に何ないなら良かった。でも、本物のアキラさんは何処に行ったんだろ?」


 流石の俺も、それを聞くのはいけないのかなって思った。

 松浦さんが、はなしてくれるのを待つしかないかな。


「そうか……これからはチャットだけじゃなくて、ボイスでやり取りしたりするかも」


 どうしよう? あの可愛い声を聞いて、ゲームに集中できるかな。

 というか、俺のキャラが違いすぎるし。


「……まあ、今更か。既にキャラが違うことはバレてるし」


 俺は次にゲームする日をときどきしつつ、手元のコントローラーを動かすのだった。




 ◇



 そして……八時半になり、さんが帰ってきた。


 俺は部屋の片付けと、お風呂を沸かして準備万端で出迎える。


「ただいまー……ってどうしたのよ?」


「お帰りー……って何が?」


「いつも玄関前で出迎えなんかしないじゃない? これは、何かあったわね?」


「い、いや、何もないよ」


 この人はエスパーか! めちゃくちゃ目が怖いし!


「お姉ちゃんに隠し事しても良いことないわよ?」


「俺だって、高校生なので隠し事くらいするよ」


「まあ、生意気な……ふふ、でもそうよね。もう高校生だもの、少しエッチなのは許します。ようやく、女の子に興味を持ったのかしら」


 なんかとてつもない誤解をされてるような気がする。

 いや、女の子って部分はあってるけれども!

 別に松浦さんを連れてきたって言ってもいいけど……いや、やっぱり何か恥ずかしい。



「違うから! ……その、ちょっと料理をしまして……」


「へぇ、どういう風の吹き回し? 私がいない時は、インスタントで良いとか自分で言ってたのに」


「いや、何となく作りたくなってさ。ただ、失敗しちゃったけどね」


「なるほど、それで出迎えってわけね。そしたら、お腹空いてるんじゃない?」


「ううん、お腹だけはいっぱいだから平気。とりあえず、食材を使ったってことを言いたくて」


 松浦さんが作ってくれたのは量もあって、めちゃくちゃ美味しかった。

 これなら、寝るまで保つはず。


「わかったわ。まあ、そんなに簡単に出来るものじゃないもの」


「うん、そう思う。まあ、そういうわけなのでよろしくです」


「ええ。それじゃ、お風呂に入るわ」


「いってらっしゃい」


 そうして、どうにか切り抜けた。


 ……あれ? でも、またくるとか言ってたよね?


 ということは……いずれは、姉さんに言わないといけないのか。






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