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6. リゾートインブルーの新たな発見
このホテルには、ヴィラタイプの部屋が3棟もある。ここへ来ての新たな発見に実李は思いの外衝撃を受けた。
創業約50年ほどになる。実李は近隣で生まれ育ったため、このホテルのことはよく知っていた。
この建物でよく催し物も行われていたし、プールができたのが約20年前であるという情報も知っていた。
それに加えて。ここの清掃クルーは、今の所、実李を入れて合計5名いると聞いている。(もちろん、初回だけしか会っていない大山さんはカウントしていない。)マンションタイプの部屋を9件、ヴィラとやらを3件合計12件ので清掃を抱えて回しているのである。更にはビラということは、家の一棟貸しである、自身の実家が民宿があるが故、その清掃の苦労はよく知っていた。
「皆さま、本当に大変ですね。」
思いがけず、実李は言葉を、ほぼ反射的に発した。
浅野さんと、舞花さんは、ふにゃふにゃと、まあ慣れてるから、など言っていたが
「本当に、大変ですね!!」
と、実李は思わず、もう一度、そう発していた。