第34話 名もなき男たち
魔獣と化したナキがメモリア山へ向け飛び立った後、陰謀渦巻く王都プラエタリアから派遣された魔獣討伐隊は、血なまぐさい作戦を立てていた。
城塞都市プラーガに避難してきたクラース村の人々を、魔獣を匿った罪人として皆殺しにすべく、王都の軍隊は作戦を進める。
ステラたちは村人たちを逃がすべく、魔獣討伐隊を攪乱しながらさらなる避難を進める。
その中でステラは、村人のプラーガ脱出に力を貸す魔術師と、城壁の上で出会った。
その魔術師は、顔を隠したレオ。王都の学校で世話になっている、先輩のレオだった。
ステラは弓を引く。
城壁からメモリア川対岸の堤防まで120メートルほど。本来ならすこし難しい距離なのだけど、今の弓なら簡単だ。
ちょっと集中すれば耳や鼻で風も感じられるし、狙ったものを射抜けるだろう。
魔石の入ったきんちゃく袋をくくった矢を、ゆるやかな放物線で向こう岸へ届ける。
地面に突き刺さった矢と、それにぶら下がるきんちゃく袋は、ちょっと大きなスズランみたいなシルエットだ。
その袋へ向けて、ステラは2本めを放つ。
風を切った矢はきんちゃく袋の底をかすめ、奥の岩に穴をあけた。
そして裂けた袋から、そろり、と魔石がこぼれ落ちる。
「これでどうでしょうか」
任務を遂行したステラは、見知らぬ魔術師をうかがう。
「完璧。いい仕事しますね」
大きな魔術の仕込みがうまくいったのを見て、プラーガ領主の息子レオは、見知らぬ狩人の腕にうなった。
フードが付いた毛皮のローブで、全身をすっぽり覆っているレオは、ステラが向こう岸に置いたのと対になる魔石を、城壁の下で待つ兵士へと放る。
ヤマダについてプラーガ軍を抜けたその兵は、両手で魔石をキャッチすると、河原へとそっと置く。
「さて、これで私の準備は完了です。あとは状況を見て川底から足場をせり上げさせ、また沈めるだけ。君もはやく行くといい」
まぶかにかぶったフードがその目を隠しているけれど、湿った声は隠せない。
ステラは、そんな心やさしい魔術師に背を向けて、城塞都市の中を見る。
「ありがとうございます。けど僕、そっちには行かないんですよ」
弓を背負、奪ったローブで覆い隠す。
「名も知らぬ相手には嫌かもしれませんが、理由を聞いても?」
互いに他人のふりをしたまま、狩人は魔術師に答える。
「メモリア山の方に、守りたい人がいるんですよ」
その人が魔石の影響で魔獣化してるとか、軍隊に狙われているとか、自分から逃げるように飛んでったとか、そんなことは言わない。
その人が無事でいられるよう、全力を尽くすだけ。そして今は、後顧の憂いを断つために、クラース村の人を逃がす。
なんとも単純な話だ。
「魔術師さんは、なんで僕らを助けてくれるんです?」
日暮れの後に珍しく、ゆっくりと開いていく西の城門をにらみながら、狩人は尋ねる。
「私も似たようなもので……恥ずかしい話ですが、好きな人に格好いい姿を見せたかったんです。その人は、この街にはいないようなんですが」
レオは、黒髪の少女ナキを想っていた。
きっかけはひと目惚れ。
ステラが寄宿学校を見学にきた2年前の夏、保護者のお爺さんと一緒に校舎を眺めていた少女に、目を奪われていた。
ナキに近づくため、彼女の兄とも仲良くし──それは後に本当の友情に変わるのだけど──彼女が入学してからは、さらに距離も縮まった。
彼女が後ろにいると思うと、格上の人を相手にしても怖くなかったし、好きな人のためを思うと、あらゆることが楽しくなった。
けれど、想い人の金の目に、自分が映っていないことをレオは知っていた。
自分には向けられない特別な笑顔を、向けられている男がいるのが悔しかった。
特別な笑顔を向けられた男が、それを意に介していないのに腹が立った。
それで仕方ないよな、と納得してしまう自分のことが嫌いだった。
なのに、そんな暗い感情を吹き飛ばすくらい、ナキやステラとの日々は楽しかった。
つまりはそれが、夜通し馬を走らせ、ヘロヘロになったレオが、身の危険もかえりみずここにいる理由だった。
「それじゃあ次の機会には、勇姿を見せなきゃなりませんね」
狩人はほほ笑んだ。そのためには、飛んでったアイツを人として連れてこなくちゃな、なんて思いながら。
「ええ。そのためにも──」
──ウォォォオオオオオオオオ!!!
どうか無事で、と祈る言葉は、狩人へ届く前にかき消された。
西の大きな城門から入ってきた王都の軍が、大通りで鬨の声を上げたのだ。
「では行きます。ここはお願いします」
狩人はそう告げて、城壁から街へと飛び降りた。
魔術師はちらりと、その背中を見送る。
狩人は振り向くことなく、戦いの中心へ走っていった。
円形をした城塞都市は、パイやピザを切り分けるみたいに大きな道が通り、それぞれを細い路地がつないでいる。
そのうちの東西に伸びる大通りで、褐色肌のクリスはバスケットを手に、キャッキャとはしゃいでいた。
ステラが買い集めた傷んだフルーツを、見つけた偵察へ向け次々に、その剛腕でもってブチ込んだ。
クリスにとって、それは憂さ晴らしの八つ当たり。
自分が何もしなくたって、クラース村は逃げ延びる。そんな信頼がある。
だからこれは、妹のようにかわいがっていた女の子を泣かせたことの、八つ当たりだ。
王都の軍としては、放った偵察隊からの定期連絡が上がってこず、失神した隊員を見つけたものだから、威力偵察と称して中隊を送り込むことになったのだった。
そうして、褐色肌のクリスと王都の中隊が向き合ったのが10分ほど前のこと。
「貴様か。我が軍に攻撃をしかけているのは」
鎧姿の騎士がウマの上から問うた。
「アタシはデザートをデリバリーしたついでに、ちょお~っと遊んでもらってただけだけど?」
褐色肌のクリスは、ツタ編みのバスケットをくるくると回した。
「しらを切るか」
威力偵察中隊の指揮官は、かぶとの下の目にいら立ちを灯す。
「遊び相手のお話は、胸に秘めるのがお約束。コールガールシを抱いたこと、なかった?」
やれやれ、とでも言うように、クリスは肩をすくめた。
「これより我らに従うのなら、五体は無事で済ませてやろう」
指揮官もプライドある男だし、王都へ帰れば妻も子もいる。怒りを押さえて伝えたそれは、最後の警告だった。
「はは~ン?まったく。遊んでほしいならそう言えって」
褐色肌の狂戦士はなお煽る。ウマの上の指揮官は、溜め息をついて指示を出した。
「捕らえよ。殺しても、好きにして構わん」
クリスはにんまりと笑った。
「いいね。好きだぜ?そういうの」
中隊にとってはおそるおそるの、クリスにとっては生ぬるい戦闘が始まった。
士気の低い兵士の刃はクリスに当たらず、剣も槍も空を切る。
褐色肌の狂戦士は、くるくるとステップを踏むだけでことが済むから、これじゃあ村の祭で踊った方が楽しいな、なんて思っていた。
1分と十数秒で、足を払われたり体を押されたりと、20人あまりの兵士が地面に転がる。
ケガ人は1人もいないが、多くの心は折れていた。
「飽きたわ」
カツカツと兵士の間を通り抜け、クリスは退屈そうにあくびをしながら、馬上の指揮官へ近づく。
「あんた、伝言ヨロシク」
そうして指揮官の鎧に指をかけると、ひょいっとウマから引き下ろし。
「『手槍のクリスが敵に回ったゾ☆』って」
門前に待機していたクラース村掃討部隊へと放り投げた。
鎧の騎士はきりもみ回転し、派手な音を立てて歩兵の列へ突っ込んだ。
何十人もがなぎ倒されるそのさまは、ステラが見たらボーリングをやりたくなるだろう。
そして怒号のような指示が飛ぶ。
村人の首級を上げようと殺気をみなぎらせていた部隊は、凄まじい雄叫びを上げながら、西門からなだれ込んだ。
──ウォォォオオオオオオオオ!!!
「そうこなくっちゃな」
どれだけ楽しませてくれるかな、と試すように、クリスはペロリと舌を出す。
そしてバスケットから最後のオレンジを取り出すと、城壁に上がった狙撃手へ向け投げつけた。
「アタシを射るなら、ステラかアルカス連れてこいよ」
狙撃手が地面へ落ちる。どぐしゃっ、と人の壊れる音を合図に、褐色肌のクリスは、槍を構えた兵士の群へ飛び込む。
兵士たちが狂戦士のクリスへ浴びせるのは、恐怖と敵意がブレンドされた視線、刃、そして血。
食欲や性欲から生まれた殺意ではなく、人間らしい、思想や信念の違いから生まれた敵意を全身に浴びて、クリスはにこにこと笑う。
一瞬の判断を1つでも間違えば殺されるこの時間が、いちばん生を感じられる。
その生きるよろこびが彼女を笑顔にする。
褐色肌のクリスは向けられた槍の穂先をバスケットで逸らすと、踏み込むと同時にひじを叩いて槍を奪う。
胴を蹴り、よろけたところを踏み台にして、兵の隊列の上を舞う。
見上げる視線と一緒に伸びてくる槍の穂先を払いながら、男たちの顔面を踏みつけ、飛び石を渡るように走破する。
もうやりたい放題だ。
敵がたくさんということは、クリスにとって武器も盾もたくさんあるということ。
町娘のような布の服をはためかせ、炎のような赤い髪を揺らし、上気した顔を汗と返り血でぬらしながら、彼女は笑った。
1人1人の歯応えはないけれど、自分の身ひとつで大勢を動かすのは、なかなかに爽快だった。
30分ほど暴れ通して、クリスはすっきりサッパリした。
癇癪を起こした子どもみたいに、力いっぱい暴れて満足気だ。
辺りには負傷したり体力が尽きたりして、動けなくなった兵士が山を成している。
そして残った将兵が、ヘラリと笑うクリスを取り囲んだ。
「クリス殿。あなたは我々、王都の軍としてここにいるはずだ。なぜこのような反乱を?」
隊を率いる騎士が、剣を向けながら尋問する。その後ろでは、組み直された部隊が武器を構え、バタバタと南の方へ進んでいく。
「そもそもアタシが王都の軍に入ったの、そこにいるべきヤツの代わりなんだよ」
20人あまりの兵士たちに囲まれ、20あまりの刃を向けられながら、涼しい顔で狂戦士は答えた。
「ソイツはソイツでやることあるから、その代わりさ。国とか街とか人とか守って……守るってのは性に合わねーから、邪魔モンを殺すばっかだったけど」
それがここ最近は、子どもらの教育に悪いってんで、あんまり殺してないワケだが。
「んで、ソイツが助けを求めてるから、ソッチに力貸してるだけさ」
Can you understand? とでも言うように、やれやれだぜ、と肩をすくめる。
「つまり、あなたにこうさせた黒幕がいる、と。誰です?」
真剣な目の騎士に、褐色肌のクリスはペロリと舌を出した。
「王様だよ。アタシの王様。あと、ひとつ直しとくけど、アンタらとケンカしたのはアタシの趣味だ」
軍のメンツを丸々潰すような言葉と態度に、どんどん殺気立つ兵士たち。
彼らの刃の先がクリスの喉に触れようか、という瞬間、風切り音を響かせて、1つの手斧が飛んできた。
──カァアン!!
甲高い音を立て、それは騎士の剣に刺さった。
「それじゃ、アタシはこれで」
自分の喉へ伸びる刃を、飛来した斧でふたつに割り、宙を舞った切っ先を、投げナイフのように敵へ放る。
動揺した兵士から槍を取り上げ、手斧との二刀流で男たちを蹴散らすと、近くの伝令兵に目をつける。
3歩の助走で踏み切って、ウマに跨る伝令へ、フライングラリアットを仕掛けた。
「生きてたらまた会おうな!」
そのまま手綱を奪い取り、倒れる男たちに白い歯を見せ、褐色肌の狂戦士はプラーガの西門を単騎で駆け抜けたのだった。
時はすこし巻き戻る。
街へ飛び降りたステラは、一目散に南の地区へ走った。
門から入ってきた兵士たちの雄叫びに、村人たちはビクリと肩を震わせて、東へ向かう足を速める。
それに逆行して、ステラは地区のはずれのボロ屋へ駆け込んだ。
「もう出れる!?」
ボロ屋の中は、新村長のグラディウスと、護衛のヤマダ、そして奥の方に白ヒゲの老人リベールがいた。
「俺は行ける。あとはリベールさんの作業が終わるのを待つだけだ」
グラディウスがそう言って出迎える。
「この先は体力勝負です。ステラ殿も、これを」
護衛のヤマダは、グラディウスが用意したであろう軽食を勧める。
「俺は大丈夫なんで、逃げてく村のみんなに……」
言いかけたステラを、グラディウスは手で制した。
「ステラ。お前は、俺たちクラース村の希望で、みんな感謝してるんだ。受け取ってくれ」
子の生まれない村で生まれたステラは、それだけで村の生活を明るくした。
そしてこれは、それに救われた村人のできる、最後のもてなしなのだ。
押されたステラが、肉屋厳選のスタミナサンドを口に詰め込むと、護衛隊の伝令がボロ屋へ駆け込んできた。
どうやら他の村人たちは、みな東門へ向け出発したらしい。
グラディウスはまだ魔獣から受けた傷が塞がりきらず、足がふらついているものの、どうにか、といった様子で立ち上がった。
「じゃあ、ステラ。最後に何か欲しい物はあるか?」
突然そんなことを言われても、欲しいものは自分で作るか我慢してきたステラだ。
うぅむ、と悩んで、やっと思いつく。
「できるだけ大きな布と革があると、嬉しいですね」
ダイナーでのクリスの話を思いだす。
これまでのサイズが入らなくなったのだから、彼女のための服とくつが必要だ。
変形したのが戻らないなら、それこそこの手でアレンジしてあげないとならない。
「それなら、ウチの店に良いのがある。山ァ登るんなら、クラース村には寄るんだろ?好きに持ってってくれ」
グラディウスはそう言って、気前よく笑った。
するとボロ屋の奥、カーテンで仕切られた向こうから、準備を終えた白ヒゲの老人リベールが出てきた。
ステラと登山のルートを絞り、地図に印をつけて小さくたたんだ。
「では、これまでじゃの」
老人リベールはそう言って、深々と頭を下げた。
「これまで、言葉にできんほど世話になった。達者での」
「俺のほうこそです。また、会える日を願っています」
新旧のクラース村リーダー、グラディウスとリベールは固い握手をした。
そして白ヒゲの老人リベールは、小さな包みを持って南門から外へ。ステラと集合場所に決めた森へと向かう。
ステラは手斧に地図を仕込んで、兵士らと戦っているだろうクリスのもとへ走った。
最後に残ったグラディウスと護衛のヤマダは、逃げる村人のしんがりを務め、ゆっくりと東門へ向かう。
狂戦士のクリスが暴れて、想定していたより少数だとは言え、クラース村の人々を追う王都の兵は多い。
ヤマダが槍で牽制し、盾で射線を切る。そしてグラディウスが、すらりとして長剣で相手を削った。
「やりますな!グラディウス殿!」
城塞都市の将軍だったヤマダがうなる。
それもそのはず。グラディウスは、かつて王がともに旅をした、国1番の戦士の孫だ。
長剣は100年の時を超えてなお強く、その技も代々受け継がれている。
「そちらこそ!なぜそこまで命を懸けた戦いができるのです?」
村の存亡、己の命がかかったクラース村の住人とは違う。
ヤマダの、彼の率いる護衛隊の戦いっぷりは、使命感だと言うだけでは、とうてい理解できない苛烈さだった。
「なぁに。私が脱落しても、後ろをちゃんとついて来て、追い越してくれる者がいるからですよ」
後進の育成に力を入れたヤマダだからこそ、自分を駒として使うことに抵抗が無かった。
そして育った彼らが優秀だからこそ、槍を振るうこの腕に力が入る。
見ているか、俺はここに生きているぞ、とでも吼えるように。
「そして何より、救われた、恩があるからでしょうな」
護衛のヤマダはそう言って、飛んでくる矢を盾ではじく。
「何にせよ、常軌を逸してでもいないと、こんなことはできませんがね」
ヤマダは、城塞都市プラーガでの日を思い出す。
どうしてもSASUKEをやりたくて、自分でセットを作っていた若い頃。
多くの人は何の役に立つんだと笑っていた。
トレーニングを積んでいくうち、領主エクエス候が身体能力を買い、軍の要に置いてくれた。
実績を積むうちに認められ、こんな自分に憧れているなんて言う若者も出てきた。
人に笑われる日々が、人の笑顔に囲まれる日々になっていった。
それは楽しく、心地良く、しかし夢を共有できない、寂しさのよぎる日々となった。
そんなある日、やって来たのがクラース村の狩人ステラだった。
「自分にはこれしかないんだ」と込めた熱を、その少年は汲んでくれた。
そこに、ヤマダが転生した、前世の記憶を持った意味が生まれた。
なればこそ、やりたいことをやり尽くした今、彼のために命を使うのは、ヤマダにとって当然のこととなっていた。
城塞都市プラーガを駆け抜けて、グラディウスは東門をくぐった。
彼の合図を受け、城壁に潜む名もなき魔術師が術を使う。
地面が揺れ、川が裂け、巨大な石柱が姿を現す。
それはメモリア川を渡る飛び石となり、村人たちは川を渡り始めた。
それを見守り、護衛者ヤマダは東門で盾を構えた。
ついてきた部下の大半を、村人の誘導に向かわせて、ただ一人、東門の前に立つ。
大規模魔術を感知して、いっそうの戦力が集まる中、ヤマダは100を超える兵をにらみつけた。
「貴様、クラース村の人間か?」
馬上槍を向けた騎兵が歩み出る。
「否」
盾と槍を構えたまま、低く鋭く男は答える。
「ならば貴様に用はない。そこを通してはくれまいか」
選んだ言葉と裏腹に、殺気のみなぎっている声。
「貴殿、王都プラエタリア軍遊撃隊、オーラム将軍とお見受けする」
盾で顔を隠したまま、鋭い目で男はにらむ。
「通りたくば、その身命を賭して押し通られよ」
死地に立つ、すでに命を捨てた男に、王都の将軍は感銘する。
「その覚悟、さぞ名のある武人とお見受けする。我はいかにもオーラム。名乗られよ。貴殿の名は」
黒い装束と焼けた肌、刈り込んだ短髪と白い歯の、武器を置かない男は言う。
「好きに呼べ。ただの名もなき男さ」
鬨の声が、門の内外で轟いた。




