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龍翔記  作者: GIN
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0093話 夜中の会議

戦いとグゼフの弔いを済ませた俺たちはいったん屋敷の応接室に集まっていた。


皆疲れてはいたが一旦状況を整理することになり、眠ったままのミコトを除く全員が集まっていた。


マルタンたち5人が仲間に加わったことを報告する。ハイルが先輩顔しようとしたがエイルに却下されていた。


そして俺は意識を失っていた間にみた夢のことを皆に話した。


「龍闘気?」


「ああ」


「それに龍の因子ですか…」


ラウルは何か思案顔だ。


「因子とは、”ある結果”をひき起こすもとになる要素…ということは龍の因子ということは龍になる、もしくは龍であるための要素みたいなものでしょうか」


ラウルが自分の考えを述べる


「まぁ、結局のところよく分からないというのが答えだろう」


ラルガンスが続ける。


「そうだな、いま考えても答えは出ないだろう…ただ龍の因子と龍闘気は関係があることは間違いない」


「カルロス殿にも聞いてみましょう…ともかくいま私たちだけで考えても何も分からないでしょうし」


ラルガンスが頷いたことで、この話しは保留とすることが決定した。


「へっ、そういや憑依の魔法を使ったのは誰か分かるのか?」


ガイルの問いに襲撃者だった5人は一様に首を振る。


「僕たちの組織は魔法が得意なものはそれほど多くありません、なので今回の襲撃においても魔導士はハイル一人でした」


マルタンが代表して答えた。


「これでも僕は組織では1,2を争う魔導士でした…それから考えるとどうですか?、師匠」


ハイルがラルガンスを見ながら問う。


「…この実力では悪魔憑依を使いこなせるとは思えない」


「はい、その通りです」


ラルガンスの言葉にハイルは同意する。


「師匠と戦ってみて分かりましたが僕の力などまだまだです…でも組織としては僕以下の魔導士しかいません」


「なるほど、ということは組織の誰かがというのは考えにくい…ということか」


ラウルが続ける。


「へっ、組織の構成員を全員知ってるわけじゃないんだろう?知らない誰かって可能性はないのか?」


ガイルが続けて問う。


「そうですね…例えば何らかの理由で実力を隠しているものがいて…というような可能性もゼロではありません、ただ」


「僕たちは序列があってそれによって扱いが変わりました…アピールをするものはいても実力を隠すものがいるとも思いにくいです」


マルタンとトリスタンが組織内情について話してくれる。


「そうか…グゼフに悪魔を憑依させてものについても今は知りようがないな」


「うむ、実力を隠ししている、いないに関わらず、そもそも誰かがやったという確証は取りようがない…下位悪魔を取り調べることもできない」


悪魔憑依に詳しいラルガンスがそういうのだから、その通りなのだろう。


「これも保留、ですね」


エイルが呟いた言葉にイヴが頷いている。


これで悪魔憑依についても保留とすることが決定した。


「受肉している場合はもっと苦戦しただろうしな」


「受肉と憑依は何が違うんだ?」


「器の違いといえば分かりやすいか…受肉は空っぽの器、すなわち魂のない肉体に悪魔や天使などの精神生命体が宿ることをいうな」


「ふむ」


「憑依は魂のある器、すなわち魂のある肉体に無理やり精神生命体が宿る手法だ…元の魂が強ければ憑依できないし、成功できるくらいの魂だと宿主が耐えられずにしばらくすれば死んでしまう」


「宿主が死んだときに憑依していた悪魔はどうなるんだ?」


俺はふとした疑問を口にする。


「ああ、それなら…」


ラウルがガイルとアイリスを見やる。


「へっ、斬ったぜ」


「ああ、ガイルが…」


俺がグゼフを倒したあとに憑依していた悪魔が抜け出したのだろう。


顕現化した下位悪魔は自我もなく本能のままに周囲の者に襲い掛かったようだ。


しかしエーテルが薄い一般的な地域である王都では下位悪魔は本来の力を出せない。


そこをガイルが斬ったのだろう


「…いや」


ガイルが俺の言葉を遮る。


「トドメはアイリスだぜ」


「えっ、アイリスのレイピアはヒビが入っていたじゃないか」


俺はアイリスを見る。


この会議中、ずっと静かだったアイリス。


疲れているのかと思ったが、恥ずかしそうに下を向いていた。


「アイリス?」


「…だって」


「ん?」


「だって、リュウが危ないと思って…あたし思わず…」


「いやぁ、すごかったですね」


ラウルが言葉に詰まったアイリスの後を受ける。


「右ストレートで悪魔を倒すとは思いませんでしたよ」


アイリスはグゼフを斬ったあとに意識を失ったオレを見た。


そして現れる悪魔。


悪魔が俺に攻撃すると思ったアイリスはラウルの後ろから飛び出し、そのまま駆けてガイルに斬られて動きが止まった悪魔にストレートを喰らわしたそうだ。


「あたしのリュウになにすんのよっ!、ってセリフもしびれたね」


イヴがニヤニヤしながらパンチを繰り出す動作をしている。


「もうっ!、だってしょうがないじゃない…」


アイリスの顔は真っ赤になっていた。


「ありがとう、アイリス」


「うん」


アイリスが俺の肩に自分の頭を乗せるように寄りかかってくる。


「いいなぁ」


エイルがぼそりと呟く。


「興味ありますか?」


ラウルがエイルに問う。


「えっ、いや」


エイルが焦ったように手と首を振る。


「リュウは王になる男ですからね、順番さえ守ってもらえるならエイルも参戦しても構わないですよ」


ラウルが勝手なこと言っている。


「まぁ、とりあえず今日のことはこんなところだな、夜明けまでもうすぐだがとりあえず休もう」


俺の言葉をきっかけに皆、自分の部屋に戻ることになった。


5人の部屋をどうするかという話しになったが、すでにジョセフが5部屋を準備をしてくれていた。


こうして俺たちは夜明けまでそれぞれの部屋で休んだのだった。


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