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龍翔記  作者: GIN
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0091話 新たな力

「これはあの時の力…」


ラルガンスが呟いた言葉が聞こえる。


「へっ、確かに似てるがあの時の比じゃなぇな」


「ああ…だがやはり不思議な男だ」


そんな会話が聞こえてきたところで俺の意識は途絶えた。



俺は浮いていた。


浮く?


宙を飛んでいる?


いや、水の中を沈んでいるのかも知れない。


よく分からない感覚だ。


漆黒の闇に包まれた世界。


そこに俺は居る。


身体を動かそうとするが力が入らない。


ただ、感性に任せて漂っているような感じだ。


上下左右もうまくつかめない。


自分の見えている方向が上なのか下なのかも分からない。


そこに幾筋もの光が飛び交う。


その中の一筋の光が俺の目の前を通り過ぎた後に大きく旋回して目の前までやってくる。


そして球体のように形を変える。


「龍闘気を使ったか…」


その光が話しかけてくる。


光の球体に口はない。その言葉は魂に直接話しかけられているような感じだ。


「龍闘気とはなんだ?」


「…お前がさきほどの戦いで使ったオーラを纏う技法だよ」


「あれが龍闘気…」


「そう…龍闘気を遣えばあらゆる能力が格段に上昇する…だが、肉体や精神へのダメージも大きい」


球体は少し大きくなったり、小さくなったりを繰り返している。


「いまのお前ではまだ使いこなせない…ダメージが大きくて活動停止状態になっている」


「なるほど…使いこなすにはどうすればいいんだ?」


「もっと強くなること…龍の因子を高めること…」


「龍の因子?高める?」


「そうだ…だがまだ早い…」


球体はより輝きを増す。


俺は目を開けていられなくなった。


「…我の力を使うがいい」


球体は強く輝きながら俺を包みこむ。


そのまま全身を包みながら、次第に俺の中へと吸収されていく。


「我の『龍の因子』を受け取るがいい…我が名は『炎龍』」


漆黒の闇が晴れていく。


何か聞こえる…


…ウ


リ…


リュ…


リュウ…


リュウ!


俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。


そう意識した瞬間に俺は覚醒する。


「リュウ!、リュウ!」


意識を失って倒れた俺にアイリスが声をかけてくれていた。


「リュウ!、よかった、目が覚めた!」


そういってアイリスが抱き着いてくる。


「ああ、アイリスの声が聞こえたよ、ありがとう…」


俺はそう言ってアイリスの背中に手を回し、抱き寄せた。


「うん…よかった…」


アイリスの安心した様子を見てから、俺は周囲を見回す。


少し離れたところにグゼフの遺体があった。


「…そうか…俺が…」


俺のすぐそばにマルタンとエイルが立っていた。


ガイルにラウル、ラルガンスも一緒にいる。


「へっ、起きたか、リュウ」


「…ああ」


俺はそれだけ言うとマルタンとエイルに顔を向ける。


「お前たちの仲間だったのに…すまない」


「いや、ああするしかなかったのは分かっています」


「そうね…もうどうしようもなかった」


「それでも仲間を失ったこことには変わりはない…」


俺の言葉にマルタンが続ける。


「んじゃ、謝罪代わりに一つ聞いて欲しいことがあります」


マルタンが言う。


「ハイルだけじゃなく俺たち4人も仲間に加えてください」


「お願いします」


戦いの中のこととはいえ彼らにとっては大切な仲間を殺されたのだ。


非難されても仕方ないことだと考えていた。


だが、予想は外れ、なんとマルタンとエイルがそろって頭を下げたのだった。

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