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龍翔記  作者: GIN
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0084話 ガイル・ラウルVSマルタン・トリスタンの戦い

マルタンとトリスタンの連続蹴りがガイルに決まる。


ドガァンという音が響き、壁に打ち付けられるガイル。


双子による抜群に連携が取れた攻撃。


数発は受け止められても、二人掛かりでの連続攻撃のすべてを防ぎきれない。


「くっ!」


何とか立ち上がるものの膝をついてしまうガイル。


ラウルは先程の攻撃を受けてからまだ起き上がれていない。


2対1の不利な状況、そして相手は強敵。


この状況ではガイルでも対抗するのが難しかった。


「ちっ…まずいな」


すでに頭部から流血をしており、受けたダメージも大きい。


ガイルはなんとか立ち上がると、剣を構える。


受け身になっていても連携攻撃をすべて止めるのは不可能。


「なら、進むだけだっ!」


ガイルは大剣を構えながら双子に突っ込んでいく。


対する双子は余裕の表情だ。


「やれやれ」


「自棄になって特攻か」


二人は互いの距離を取るように横に跳ぶ。


目標をマルタンに定めたガイルは一旦止まると、再びマルタンに向けて突進する。


「隙だらけだよ!」


がら空きになったガイルの脇腹にトリスタンの突きが決まる。


「なっ!」


しかしそれはガイルの大剣に受け止められた。


トリスタンが横から出てくることを読んでいたガイル。


マルタンに突進しているとみせかけて、トリスタンを警戒していたのだ。


トリスタンに剣を振り下ろそうとするガイル。


しかし…


今度はマルタンの蹴りをまともに喰らってしまう。


「ぐはっ!」


ヨロヨロと後ろに数歩、後ずさるガイル。


大剣を杖代わりになんとか倒れないようにするので精一杯だった。


「ちっ…」


「しぶとい…」


「さすがは戦闘狂の多いオーガってところだね」


マルタンとトリスタンは一方的に攻撃しながら、いまだ倒せないガイルの頑丈さに驚いていた。


双子の攻撃はほぼクリーンヒットしている。


防がれる攻撃もあるが、最終的にはどちらかの一撃が綺麗に決まっている。


しかしながらガイルを倒せない。


「へっ…てめぇらの生ぬるい攻撃くらいじゃオレは倒せんぞ」


そういうガイルだが、双子の眼にはただの強がりにしか見えなかった。


実際、ガイルはすでに膝をつき、息は切れ、流血までしているのだ。


「ふん、だったら死ぬまで攻撃を続けるだけだ」


双子が攻撃を行おうとしたそのときに、ラウルが立ち上がる。


「へっ、遅せぇぞ」


「すまない」


突然の復帰に警戒し、攻撃をやめる双子。


その隙にラウルはガイルの横まで移動する。


一撃喰らった後、ずっと倒れたままだったラウルが再び立ち上がったことに驚きを隠せない双子。


「へぇ、生きてたんだ」


「どっちにしろ、そいつは弱い…居ようが居まいが関係ない」


「じゃぁ、狙いは…」


「オーガの方だっ!」


嫌な予感がする。


それがラウル復帰後に感じた双子の正直な感覚だ。


理由は分からない。


ラウルが個人戦で自分たちと戦えるレベルにないことは先程の戦闘で分かっている。


だが。


拭いされない不安。


それを打ち消すように双子は攻撃を開始した。


双子が攻撃の動きを見せたことを受けてラウルは一歩下がる。


ガイルを盾にするような形だ。


それを見て双子は先程の不安が杞憂だったと判断する。


こいつは起き上がっただけだ、と。


一方のガイル。


両目を瞑り、精神を集中させている。


そしてラウルも精神を集中させる。


素早い動きで左右入れ替わりながら攻撃の隙を伺う双子。


ガイルとラウルは微動だにしない。


「諦めたかっ!」


「死ねっ!」


双子は同時にラウルを攻撃する。


明らかに強いのはガイルだが、この不安はラウルの姿を見て感じたものだ。


それを払しょくするために、不安要素を取り除くためにまずはラウルを攻撃することにしたのだ。


すでに目を瞑り、諦めているような様子のラウル。


双子は自分たちの攻撃が決まることを確信していた。



”ガイル!”


”おうっ!”


声に出さない意思の疎通。


戦術士としてラウルは後方から味方に指示を送ることを得意としている。


だが、戦場で声を張り上げるのは得策ではない。


当然、相手にも聞こえるからだ。


魔獣相手であれば問題ないが、言語を理解し、それに対策を取るような相手。


この双子のような人類相手だと口頭で指示を出すわけにはいかない。


そのような場合、戦術士はどうするのか?


ジェスチャーのようなサインを事前に決めておく、などの方法が考えられるがラウルのそれはもっと高度だ。


ラウルの切り札である『思念伝達』。


それは思いを伝える手段であり、戦術士としてのラウルの真骨頂だ。


精神を集中し、物体の動きを捉えるラウル。それらは位置関係から自分を攻撃しようとしていることを知る。


”一人が右、もう一人は上、標的は私だ”


”へっ、任せろ!”


ガイルはラウルの指示に従って攻撃を繰り出す。


一切の迷いなく攻撃を繰り出す。そこにあるのは絶対の信頼。


双子に勝る絆を魅せるガイルとラウル。


「オーガ流剣術奥義:双刃!」


ラウルに攻撃をしようとしていた双子はガイルの動きについていけない。


2本の大剣がマルタンの脳天を、そしてトリスタンの横っ腹を叩ききる。


辛うじてレジストし、斬り裂かれることだけは避けた双子だったが、衝撃によって吹き飛ばされ、壁と床に叩きつけられる。


ガイルの攻撃が双子に当たったのはこの1回だけだ。


だが、その一撃はラウルとの連携で繰り出した迷いのない一撃。


ラウルが確かめるまでもなく双子は意識を失い、ピクリとも動かなかった。


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