0078話 ガイルとラウルの戦い
「へっ、喰らいやがれ!」
ガイルが剣による攻撃を行う。
しかし、影たちはヒラリとそれを躱す。
空振りになったガイルの大剣が廊下にある装飾品を次々と破壊した。
「ふぅ、少しは遠慮してほしいですね、まぁ、大した品はありませんが!」
ラウルも剣を振るうが影たちは難なく躱す。
「当たりませんね」
「へっ、攻撃してくる気もないみたいだがな」
ガイルは正面に立つ二つの影を見ながら言う。
「足止めが目的…ですか?」
「どうかな」
「へっ、ともかくリュウたちの所に行くにはコイツらを倒すしかないのは変わらないしな!」
ガイルが影との距離を詰め、剣を振り下ろす。
ガキィンという金属音が響く。
影の一つがガイルの剣を小手で受け止めている。
「へっ、受け止めるか…業物だな、その小手は」
「言ってくれる、全く本気ではないくせに」
ようやく話した影の声は男のそれだった。
反撃に蹴りを繰り出してくる。
ガイルはそれをもう一本の剣で受け止める。
「へっ、やるねぇ」
「お互いにな!」
言いながらガイルと影は互いに距離を取る。
「ぐっ!」
ラウルの声が響く。
もう一人の影の蹴りを喰らい、吹き飛ばされたようだ。
「大丈夫か、ラウル」
「ええ、なんとか…ただ、私では荷が重いようですね」
元々、個人戦闘は得意ないラウル。
剣は離さないものの、左手で先ほど蹴りを喰らった場所を抑えている。
結構なダメージを受けているようだ。
影たちが再び並ぶ。
「おい、お前らは誰だ?」
「…答える必要はない」
一人の影が言う。
「僕はマルタン、こっちはトリスタンだ」
もう一人の影があっさりと素性を明かす。
「へっ、ご丁寧にどうも、俺はガイル、こっちがラウルだ」
「意外だな、名前まで言うとは」
「へっ、どうせコロスから関係ないってことだろうぜ」
ガイルの言葉に名前をいった方の影が答える。
「ご名答、その通りだよ」
その時、月明かりが廊下を照らし、二人の姿を露にする。
そこには全く同じ顔をした二人の男が立っていた。
「双子か…」
「その通り、僕たちの連携には誰も付いてこられないぜ」
「へっ、そうかい…だったら試してみるか」
ガイルが大剣を構えて突っ込んでいく。
マルタンもガイルに向かって距離を詰める。
「へっ、そっちから射程に入ってくれるとはなっ!」
ガイルが剣を振り下ろそうとする。
が、マルタンが急にしゃがみ込む。
そしてマルタンの介護からトリスタンが蹴りを放った。
無防備にその蹴りを喰らうガイル。
「ぐはっ!」
そこにマルタンが足払いをする。
倒れこむガイル。
ガイルに拳を振り下ろそうとするトリスタン。
「させるかっ!」
ラウルがトリスタンに向けて突きを放つ。
が、マルタンがいつの間にか横に回り込んでおり、ラウルの脇腹に蹴りを放つ。
まともに喰らい、吹き飛ばされるラウル。
ラウルが壁に衝突した衝撃音とトリスタンの攻撃をガイルが躱し、拳が床に衝突した音が重なる。
「ちっ、やりやがる…」
ガイルがぺっと血を吐く。
ラウルはまだ起き上がってこない。
「どうだい、僕たちは中々のものだろう」
お喋りなマルタンが自慢気に笑っている。
「おい、そろそろ仕留めるぞ」
トリスタンがマルタンに声をかける。
「そうだな、他もそろそろ終わるころだろう」
マルタンとトリスタンはガイルに向かって駆け出す。
「くっ!」
ガイルは先ほどのダメージが残っており、剣を構えるので精いっぱいだった。




